版元ドットコム

探せる、使える、本の情報

文芸 新書 社会一般 資格・試験 ビジネス スポーツ・健康 趣味・実用 ゲーム 芸能・タレント テレビ・映画化 芸術 哲学・宗教 歴史・地理 社会科学 教育 自然科学 医学 工業・工学 コンピュータ 語学・辞事典 学参 児童図書 ヤングアダルト 全集 文庫 コミック文庫 コミックス(欠番扱) コミックス(雑誌扱) コミックス(書籍) コミックス(廉価版) ムック 雑誌 増刊 別冊
江北図書館 岩根卓弘(編) - 能美舎
.
【利用可】

書店員向け情報 HELP

書店注文情報

注文サイト:

在庫ステータス

不明

取引情報

取引取次:
トランスビュー     書店(直)
トランスビュー     八木     ト・日・他     書店
直接取引:あり(トランスビュー扱い)

出版社への相談

店頭での販促・拡材・イベントのご相談がありましたらお気軽にご連絡ください。

江北図書館 (コホクトショカン) 120年続くちいさなふるい私設図書館 (ヒャクニジュウネンツヅクチイサナフルイシセツトショカン)

このエントリーをはてなブックマークに追加
発行:能美舎
B5変形判
縦240mm 横182mm 厚さ10mm
88ページ
並製
価格 1,800円+税
ISBN
978-4-909623-10-2   COPY
ISBN 13
9784909623102   COPY
ISBN 10h
4-909623-10-8   COPY
ISBN 10
4909623108   COPY
出版者記号
909623   COPY
Cコード
C0000  
0:一般 0:単行本 00:総記
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2022年12月16日
書店発売日
登録日
2022年11月8日
最終更新日
2022年11月24日
このエントリーをはてなブックマークに追加

受賞情報

野間出版文化賞特別賞

紹介

私設図書館『江北図書館』は、かつて北國街道木之本宿として栄えた人口約1万人の町にある。明治35年、地元出身の弁護士が「郷里の若者に読書の機会を」と私財を投じて開設した文庫を前身に、明治39年に地域の人々の協力を得て設立され、以来120年に渡り地域で支えてきた。いまも住民たちの交流の場、情報発信拠点としてあり続ける図書館の魅力を「歴史」「建物」「蔵書」を中心に紹介。図書館を愛する住民たちが史料を紐解き、蔵書を調べて編纂した。第4回野間出版文化賞特別賞受賞。

目次

私たちの町のちいさなふるい図書館
ポートレート 
1古本市
2おはなし会
3コンサート
      4みんなでおそうじ
      5歴史散策
江北図書館のあゆみ
      1杉野文彌と図書館
      2杉野文庫から江北図書館へ
      3先駆的図書館として
      4図書館存続の危機を乗り越えて
      5さらなる試練の先に
ようこそ 江北図書館へ
レトロな図書館の装飾
江北図書館の時をかける書架
江北図書館の読書案内
江北図書館で読み解く地域史
江北図書館の史料紹介
共助のはじまり「伊香相救社」
特別インタビュー 養老孟司先生
江北図書館物語~おばあちゃんの魔法のつえ~
これからの江北図書館
私たちのちいさなふるい町並み
アクセス・営業案内
ご寄付・ご支援のお願い

前書きなど

明治の終わり
びわ湖の北にある小さな町に
小さな図書館が誕生した

それはまだ
人々の暮らしに中に
本というものがなかった時代

人々は本を開く喜びを知り
豊かな時間を手に入れた

小さな図書館がもたらしたのは
読書という大きな灯り

それから100年
時は過ぎ
時代は変わった

小さな図書館は
小さくて“古い”図書館になった
大きくて新しい図書館にはかなわない

やがて
小さな町にも騒がしい風が吹きはじめた
(大丈夫だよ ここにはしんとした静謐な空間がある)
どんなに風が吹き荒れても 
その灯りは消えなかった

それから
ちいさな町に見たこともない大きな波がやってきた
(大丈夫だよ ここには強い自分になれる言葉がある)
どんなに激しい波が押し寄せても
その灯りは消えなかった


灯りを守ったのは
小さな町のたくさんの声

(これまでありがとう)
(これからもよろしくね)

びわ湖の北の小さな町に
小さくて古い図書館がある

図書館の名前は
江北(こほく)図書館

版元から一言

滋賀県長浜市木之本町を拠点に小さく本づくりをする能美舎(ひとり出版社 堀江昌史)が、その拠点を選ぶひとつのきっかけになった存在が「江北図書館」です。
昭和建築のアーチ形の窓が目を引く外観、足を踏み入れれば軋む床板。120年前の創設以来、蔵書をほとんど捨てたことがなかったという書架には、一般的な図書館であればとうに整理されていたであろう明治、大正、昭和、平成と時を刻んできた本が並びます。
戦地へ息子を送り出す心構え。和装を洋装に仕立て直す型紙。嫁に向けた姑との付き合い方。農家の次三男の生活について。手話を何らかの教本から書き写し、手製のファイルに収めたものも――。当時の人々の暮らしにどんな情報が求められたのか、切実な生活の背景が伝わってきます。
地域住民たちが運営を支え、情報拠点であり続けたこの私立図書館に、私は一度で魅了されました。
一方で、公設図書館が充実するなかで、資金に乏しい私立図書館は老朽化し、運営も苦しくなっています。何とか図書館を存続させようと知恵を寄せ合う住民活動が評価され、第三回野間出版文化賞特別賞(2022)の受賞が決まりました。
能美舎は運営メンバーのひとりとして、多くの人にこのちいさなふるい図書館の存在を知ってもらいたい。存続を応援してもらいたいという願いを込めて、この本を刊行します。本を愛するみなさんの書棚に迎えていただけたら幸いです。

著者プロフィール

岩根卓弘  (イワネタカヒロ)  (

公益財団法人「江北図書館」第11代理事長。江北図書館とは、明治39年に生まれた私設図書館。余呉町出身の弁護士杉野文彌が私財を投じて設立した「杉野文庫」が前身となり、地域住民たちが120年に渡り、支え続けてきた。住民の交流や情報発信の文化拠点として、長く愛されている。

上記内容は本書刊行時のものです。