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木地屋と鍛冶屋 桐村 英一郎(著) - 七月社
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木地屋と鍛冶屋 (キジヤトカジヤ) 熊野百六十年の人模様 (クマノヒャクロクジュウネンノヒトモヨウ)

社会科学
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発行:七月社
A5判
96ページ
並製
定価 1,200円+税
ISBN
978-4-909544-23-0   COPY
ISBN 13
9784909544230   COPY
ISBN 10h
4-909544-23-2   COPY
ISBN 10
4909544232   COPY
出版者記号
909544   COPY
Cコード
C0039  
0:一般 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2022年2月24日
書店発売日
登録日
2022年2月7日
最終更新日
2022年2月22日
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紹介

森を渡り歩いた漂泊民と炎を操る孤高の職人

木地屋から身を起こし長者となった小椋長兵衛、疫病退散の題目塔で名を残す木地亀蔵、その製品の評判が海外にまで轟いた新宮鍛冶の大川増蔵。
幕末から近代にかけて、熊野の地で活躍した三人をつなぐ細い糸をたどり、その末裔たちの現在までを追った人間ドラマ。

目次

まえがき

第一話 椎茸長兵衛──祖神の縁起を伝え持つ
第二話 金借り道──庄屋まで一札入れる
第三話 新たな発見──先祖への想いが実る
第四話 大義院──縁ある人をひとまとめに
第五話 賀田村──買った山林で潤う
第六話 木地亀蔵──長兵衛とつながる糸は
第七話 題目塔──疫病退散の願い込め
第八話 新宮鍛冶──入鹿、三輪崎鍛冶が合流
第九話 大川増蔵──新宮の川原町で開業
第十話 キリスト者──尾鷲で接し、新宮で洗礼
第十一話 熊野川町畝畑──出会いの縁の不思議

あとがき

前書きなど

木地屋(木地師)は山中に暮らし、トチ・ブナ・ケヤキ・ミズメといった木を刳り抜いて椀や盆、杓子などを作る職人だ。「木の国」熊野に近世たくさんいたが、今はもう山中にその姿を見ることはできない。一方、鍛冶屋は火と水、風を用いて鉄を鍛え、さまざまな生活、仕事の道具を作る職人である。ごくわずかだが、その伝統を守る人たちが各地にいる。

私は木地屋の痕跡を追って地元紙『熊野新聞』で二〇一九年九月から十六回連載し、それを本にした(『木地屋幻想』七月社、二〇二〇年)。その中で熊野市飛鳥町の奥地・池の宿に居を構え幕末に一財産築いた小椋長兵衛を取り上げ、彼から六代目にあたる小倉章睦さん(昭和二十年生まれ・愛知県津島市在住)から先祖への熱い想いを聞いた。
その小倉さんと親戚という、その名もずばり木地孝嘉さん(昭和十六年生まれ・愛知県あま市在住)は、明治時代に今の尾鷲市賀田町に「南無妙法蓮華経」のお題目を刻んだ題目塔を建てた木地亀蔵の末裔である。連載でそれを紹介した際、長兵衛と亀蔵のつながり、賀田という地区に興味を覚えたが、それ以上取材を深めなかった。

一方、新宮市で現在も鍛冶職を続けている大川治さん(昭和十一年生まれ)は旧知だが、その祖父大川増蔵の出身地が賀田で、大正時代に新宮に出て熊野川河口の河川敷で鍛冶屋を始めた、という事実を最近になって知った。
小椋長兵衛の名が文献(『晴雨日記』)に登場する幕末の文久二年(一八六二年)から百六十年。池の宿、賀田、新宮を結ぶ木地屋と鍛冶屋の人模様を描いてみたい。そんな気持ちで改めて皆さんに話を聞いて回った。

著者プロフィール

桐村 英一郎  (キリムラ エイイチロウ)  (

1944年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。朝日新聞入社後、ロンドン駐在、大阪・東京本社経済部長、論説副主幹を務めた。2004年末の定年後、東京を離れて奈良県明日香村に住み、神戸大学客員教授の傍ら古代史を探究。2010年秋から熊野市波田須町で暮らしている。三重県立熊野古道センター理事。熊野に来てからの著書に『熊野鬼伝説』『イザナミの王国 熊野』『古代の禁じられた恋』『熊野からケルトの島へ』『祈りの原風景』『熊野から海神の宮へ』『一遍上人と熊野本宮』『木地屋幻想』『熊野山略記を読む』などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。