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天使の創造
- 書店発売日
- 2018年2月11日
- 登録日
- 2018年1月31日
- 最終更新日
- 2018年2月2日
紹介
「あら、もどってきたの?」
雲の上で女の子の天使は尋ねた。
下界へ行って、すぐに帰ってきた男の子の天使は、深呼吸をひとつすると話し始めた。
「うん、ぼくのお兄ちゃんまだ生まれたばかりなの、元気そうなお母さんだからさ・・・」
「元気そうなお母さんだからどうしたの?」
女の子の天使はせかすように羽をパタパタさせた。
「お母さんのおなかの中に入ったんだ、ぼく。そうしたらさ、『あなたは産めないわ、仕事はもうこれ以上休めないし、それに、あなたを、いいえ、生まれて3ヶ月しか経っていないこのぼうやですら、どうやって育てたら良いか分からないの。だから・・・だから・・・ごめんね、ごめんね・・・』そう言って、お母さん、体も心も傷つけながら、ぼくを天界にもどしちゃったんだ」
「そうだったんだ・・・」
女の子の天使は悲しそうにうつむき、下界を見た。
(あのお母さん、ずいぶんがんばっているみたい。あれじゃ心も体も潰されそう。なんとか助けないと)
女の子の天使は、次に生まれる番までまだ何年もあったのに、神様にお願いした。
「どうか半年後に、あのお母さんのおなかの中に行かせてください。あのお母さんの子になって助けたいのです」
― 本文冒頭部より ―
目次
第一章 遠い記憶
(一)天使のうたごえ
(二)小さな心の傷
(三)美月の震え
(四)春香の涙
(五)手の怪我
(六)優太のうそ
(七)琴音の百日咳
(八)お迎え一番遅い子の挨拶
第二章 天使か悪魔か
(一)再会
(二)理想と現実
(三)悪魔の住む家
(四)愛の行方
(五)友という名の友
(六)天使と悪魔
第三章 七つの神秘
(一)不思議な花園
(二)風の向き
(三)森のかくれんぼ
(四)自然物のアート
(五)七曲七珍味
(六)地中の王国
(七)月の妖精
第四章 天使の創造
(一)命の証
(二)愛のかたち
(三)天使の創造
上記内容は本書刊行時のものです。