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ガルシアへの手紙
- 初版年月日
- 2017年7月
- 書店発売日
- 2017年7月19日
- 登録日
- 2017年7月13日
- 最終更新日
- 2017年7月13日
紹介
ガルシアとは、かつてアメリカとスペインがキューバをめぐって戦争をした際、キューバにいた反スペインのリーダーのことだ。
『ガルシアへの手紙』は、大統領からの依頼を受け、どこにいるかもわからないガルシアに手紙を届けたローワンという実在のアメリカ人将校の話をもとに、物事に積極的に取り組む「自主性」や、目の前の課題に勇気をもって挑む「行動力」の重要性を説いている。
この物語は、著者のエルバート・ハバードが「1時間で書き上げた」という話もあるくらいの、とても短いものだが、多くの人たちの共感を得て、100年以上に渡って読み継がれ、これまでになんと1億人が読んだとされるほどの世界的ベストセラーとなった。
日本でも、近年『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(キングスレイ・ウォード著、城山三郎訳、新潮文庫)の中で取り上げられていたり、様々な形で紹介されていたりするのでご存知の方もおられるだろう。
本書は、物語の主人公であるローワン自身が著した手記「ガルシアへの手紙を、いかに届けたか」も収録した“完全版"となっている。
最初の刊行から100年あまりがたっているのにも関わらず、今でも全く色あせない、その教えを真摯に学びたい。
目次
はじめに
第1部 1億人が読んだ物語『ガルシアへの手紙』
第1章 ガルシアへの手紙 byエルバート・ハバード
第2章 解説~『ガルシアへの手紙』から学べること
希望と勇気が人間を輝かせる/できる人、できない人/何とかする人/成功する人/成長する人/私は必ずガルシアに手紙を届けてみせよう!
第2部『ガルシアへの手紙』の主人公、ローワンによる完全実話の手記に学ぶ
第3章 ローワンの手記~ガルシアへの手紙を、いかいかに届けたか
byアンドリュー・S・ローワン
プロローグ
ローワンの手記~その1(突然の指令/ジャマイカにて)
ローワンの手記~その2(船でガルシアのいるキューバへ/最大の危機/敵の戦闘地域に入る/いよいよキューバに上陸する)
ローワンの手記~その3(キューバでの行軍の開始/スペイン軍脱走兵/襲撃を受ける/ガルシアがいるバヤモへ到着/ついにガルシアと会う)
ローワンの手記~その4(帰路につく/アメリカへの帰還)
第4章 解説~ローワンの手記から学ぶべきこと
英雄の条件/成功する人の条件/『ガルシアへの手紙』と「ローワンの手記」を、くり返しくり返し読もう
おわりに
付録 エルバート・ハバードの言葉
前書きなど
はじめに
『ガルシアへの手紙』は、著者のエルバート・ハバードが「1時間で書き上げた」という話もあるくらいの、とても短いものだ。
この物語は多くの人たちの共感を得て、100年以上に渡って読み継がれ、これまでになんと1億人が読んだとされるほどの世界的ベストセラーとなった。
日本に初めて紹介されたのは日露戦争のころであったが、近年も、『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(キングスレイ・ウォード著、城山三郎訳、新潮文庫)の中で取り上げられていたり、様々な形で紹介されていたりするので、ご存知の方もおられるだろう。
物語は、「アメリカ─スペイン戦争」が起きた1898年ころの出来事がもとになっている。
アメリカのすぐ近く、まさに裏庭的な場所にキューバがあるが、当時はスペイン領だった。このことは、アメリカにとっては気持ちがいいことではない。
そんなとき、キューバでスペインからの独立運動が起きる。当然、アメリカはそれを全面的にサポートすることになり、これがスペインとの戦争へと発展していくことになる。
当時のアメリカ大統領・マッキンレーは、キューバの独立運動のリーダーであるガルシアとどうしてもコンタクトを取りたかった。
今から100年以上も前の話である。当然、無線などの通信機器など存在しない。
それに、そもそもガルシアがどこにいるのか、だれも知らなかったのだ。
そこへ、ある人物が「ローワンならガルシアへ大統領の書簡を届けることができるだろう」と大統領に推薦する。そして、さっそくローワンが呼ばれることになった。
ローワンは大統領からの書簡を受け取ると、そのままボートに乗り、キューバに行き、敵陣に潜入し、4週間後には任務を全うし無事生還したのだ。
物語としてはこれだけのことだが、ここでハバードが称賛したのは、このときのローワンの「自主性」と「行動力」だった。
それは、「この男こそ、ブロンズで型にとり、その銅像を国中の学校で永遠に置くべきである!」というほどのものであった。
普通、いきなり「所在がよくわからない男に手紙を届けてこい」といわれたら、いろいろ確認したくなるものである。しかも、危険極まりないところに1人で行かなくてはならないのである。
「その人、どのあたりにいますかね?」といった、質問の1つや2つしたくなるものだ。しかし、ローワンは命令に対して一切質問することはなかった。
また、命懸けの任務であるにもかかわらず、指令を受けた後すぐに動き出すという、その図抜けた行動力は、やはり特筆すべき点である。
「自主性」や「行動力」は、現代の我々にとっても、成功をつかむ上で求められる大きなテーマであるが、その最高のお手本が、すでに100年ほど前に実在したのである。
ハバードは、よくローワンを理解した上で、その偉大さ、素晴らしさを物語の中で簡潔に示しているが、そこには経緯の詳細がまったく書かれていないため、『ガルシアへの手紙』を読んだら「実際にローワンがどのようにしてガルシアへ手紙を届けたのか?」ということが、当然、知りたくなる。
そこで本書は、その経緯の一部始終が記されている、ローワン自身が著した手記「ガルシアへの手紙を、いかに届けたか」も収録した完全版として刊行することとした。
私も『ガルシアへの手紙』から、生きていく勇気と希望を与えられた。そしてローワン自身の手記からは、生き方の大事なところを、より一層、深く、強く、詳しく教わった。
そこで私なりに、それぞれの物語のどこに注目し、どの点を学び、それをどのように人生に役立てていくべきか、というところまで解説してみた。
本書が、さらに今後100年以上にわたって、『ガルシアへの手紙』が読み継がれていくための、1つのバトンとなることを切に願っている。
三浦広
版元から一言
茂木健一郎氏推薦!
これまで、「物事にすぐ取り掛かる、行動力がある人」になるためにはどうしたらいいのかというテーマで何冊か本を書いてきましたが、行動力の究極の手本ともいうべき人が100年前に実在したということに、大いに興味を引かれました。
この物語は、多くの人のやる気と勇気と行動力を引き出すものだと思います。
──茂木健一郎
上記内容は本書刊行時のものです。