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家をせおって歩いた 村上慧(著/文) - 夕書房
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家をせおって歩いた (イエヲセオッテアルイタ)

芸術
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発行:夕書房
縦200mm 横140mm
304ページ
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-909179-00-5   COPY
ISBN 13
9784909179005   COPY
ISBN 10h
4-909179-00-3   COPY
ISBN 10
4909179003   COPY
出版者記号
909179   COPY
Cコード
C0078  
0:一般 0:単行本 78:日記・手帳
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年3月29日
最終更新日
2017年3月29日
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書評掲載情報

2017-06-25 読売新聞  朝刊
評者: 長島有里枝(写真家)
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紹介

あの閉じ切った生活からの脱出を試みるのだ
ーー発泡スチロール製の白い家を担ぎ、日本国内を移動しながら生活した美術家の369日。

2011年、友人と借りたアトリエの鍵を受け取った日に、東日本大震災と福島第一原発事故が発生。「僕たちは閉じ込められている」――著者は3年後、自らのあり方を変えるべく、驚くべき移動生活を始めた。
これは、発泡スチロール製の家を担ぎ、徒歩で移動、毎晩出会った人の敷地に移住しながら絵を描き、考えつづけた著者の1年間の全記録である。
自らの足で歩き、見知らぬ人とかかわることによって見えてきた、日本の真の姿とは。

SNSで話題沸騰、各地方紙がこぞって報じ、小学生向け月刊かがく絵本「たくさんのふしぎ」も完売した、あの「歩く家」の真相が、いま明らかになる!

目次

春 2014年4月5日~6月13 日
あなたは僕であり、僕はあなたである/あの閉じきった生活からの脱出/自分を笑えない人が他人のことを笑う/いつも「すでに出発している」/北上開始/車輪などつけてはいけなかった/体を公共に消失させる/風がもろに直撃する/「いますでに美術家です」/向かい合う家が一緒につくったカレー/下市交流会/「そこ」に近づいている/「家の絵を描かなきゃ」/海岸線が通れない/自分の居場所を定めてはいけない/スピードの落差/これで食えない世界がどうかしてる/ハーレーのサイドカーでツーリング/銭湯が減っている/家がちゃんとあること/自分で歌えばトラックに勝てる/「それじゃ世の中まわんねえよ」/「どこでもドア」はいらない/飛んだ瓦

夏 2014年6月14日~8月31日
気にかけてくれる人がいる/安静にしすぎてはいけない/日常に回収されていく/基礎しか残っていない家/「歩く家がいるらしい」という発想/なんで歩道がないところがあるのだ/毎日誰かになにかをもらっている/住んでいた土地を土に埋めるということ/装置と現場の断絶/切実さの塊みたいなビニールハウス/
公共の人/越喜来南地区復旧拠点/釜石ラーメン/体が大黒柱になる/「情報もってる?」/移動を常態化する/灯籠とダンプカー/景色はきれいだけど、蚊がたくさんいる/温泉巡り/歩くことは土地と踊ること/一人でも賑やか/駅をつくるという暴力/十和田湖の交差点/一周回って楽しいと感じる瞬間/ここはホテル鹿角/日本の未来/土地のもつ歌は、タイトルとは別のところにある/ババ
ヘラが先か、熊が先か/「旅のお方、食べてくれ」/遊園地みたいな家/知らないまま通り過ぎる無数の街/招かれざる客/道の駅の住人/「ここに蛇が死んでます!」/まずは動きはじめないと/自分から数えて三番目の物語が見たい/日常を終わらせるために/盆休み/歩く日々に戻る/「麦」と書いたペットボトル/「日本十周です」/全部「フリ」に過ぎない/毎日違う家に生きている/雨が
ずーっと降っている/敷地は持ち歩くことができない/「ちょっと失礼だけど」/速く行ける乗り物ほど安くするべきだ

秋 2014年9月1日~11月30日
おこわ事件/風呂までの冒険/「私はもう終わった人だから」/雨が降っている。もう服がない。/話が止まらん彼女/深刻になるのは死んでからでいい/会う人にはまた会うのだ/編集された世界の住人/あの夜に感謝/「まつしろ現代美術フェスティバル」/被災地はどこか遠くじゃなくて/「なんかスピード感が足りないんですよね」/それぞれの日常がはじまる/迷うことへの迷いを消したい/「個人的には応援したいんですが」/「だってみんな家は持ってるじゃない」/状況の中でいかに遊ぶか/敵を攻撃するつもりで家の絵を描く/ハエになればいい/規則にはかなわない/親不知の洞門/台風十九号/「ワタリやっとるのか」/責任者に出会えない日/神輿を担ぐ/美術が好きだと言える人間で良かった/国って僕たちのことじゃないのか/日本が冬に入る準備をしてる/理解から逃れつづける/二つの川に挟まれた町/アップデートされる身体感覚/歯を磨きながら国道を歩く/「君は面白いけど、まだまだやれる」/越前市のファニチャーホリック/高雲寺の離れの一室で/切実な居場所/「お寺ってそういう場所やからな」/山の上で自給自足生活しとる夫婦/怒りの矛先がわからない/最低限の明かりの下で/「福島からなにを学んだんだ」/峠を越えたら都に入る/「植木鉢を運んでもらえる?」/日本全体が自分の体になる/寒いですけど生きてます

冬 2014年12月1日~2015年4月8日
すべては無事に冬を越すために/システムを回す/たこパ/ミカンはおいしくて食べやすい最高の食べ物だ/集団の小学生/過去を清算しにいく/「手荷物ってことで別料金なしで載せます」/大分は神戸よりも寒い/身体が年末モード/「いいんですよ、人間なら」/時給バイト/なにがなんだかさっぱりわからないから、とにかく歩く/一点の交差点/湧き上がる怒りを、忘れちゃいけない/フ
ンドーキンマンションの中で寝た/うずうずする/奇跡が起きた/敷地はジョイフルの駐車場/土地の話が聞けるのがうれしい/旧道を行くか、バイパスを行くか/「ホワイトハウスならまだあります」/ミカンとセメントの町/「社会と距離を取る」の意味/一週間寝込む/「おふなでのゆ」/春が近い/告知/嘘でもまた聞きでもない日々/なりゆきに任せる/芸術のテクネーとしての側面/遅いものが速いものに対して鳴らすクラクションがない/なんか知らないけどめっちゃ死にそうなんですけど状態/「世界を再編していくことが生きることだ」/希望をもちつつ、力を抜く/自分の生活を制作する

移住を生活する1~182 2015年4月17日~4月29日

あとがき

著者プロフィール

村上慧  (ムラカミサトシ)  (著/文

1988年東京都生まれ。2011年、武蔵野美術大学造形学部建築学科卒業。美術家。友人と借りたアトリエの鍵を受け取った日に東日本大震災が発生。2014年4月より発泡スチロール製の家に住む。
著書に『家をせおって歩く』(「たくさんのふしぎ」372号、福音館書店)がある。主な個展に「移住を生活する 1~182」(2015)、グループ展に「瀬戸内国際芸術祭」(2016)、「吉原芸術大サービス」(2015)、「六本木アートナイト2013」(2013)など。第19回岡本太郎現代芸術賞(TARO賞)入選。
satoshimurakami.net

上記内容は本書刊行時のものです。