書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
サーモン ―人と鮭の物語―
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2023年1月27日
- 書店発売日
- 2023年1月27日
- 登録日
- 2022年12月26日
- 最終更新日
- 2023年3月15日
書評掲載情報
2023-04-02 |
北海道新聞
朝刊 評者: 小林照幸 |
2023-04-02 |
北海道新聞
朝刊 評者: 小林照幸 |
MORE | |
LESS |
紹介
『鱈ー世界を変えた魚の歴史』など、数多くの世界的ベストセラーを生んだマーク・カーランスキーの最新作。本書を読めば、サーモンという魚がどんな魚なのか、人は歴史的にこの魚とどう関わってきたのか、今、サーモンはどういった状況に置かれているのか、といったことが理解できる。まず著者はサーモンがどんな魚なのかを、冒頭のPART1で紹介するのだが、ここで読者はサーモンの意外な生態を知って驚くかもしれない。サーモンが「生まれた川へ戻る」回帰性について知らない人は少ないと思われるが、「生まれた川へ戻らない」サーモンが種を持続させるために重要な役割を担っていることを知っているだろうか? あるいは同じサーモンでもベニザケとピンクサーモン(カラフトマス)では回帰率が違い、それぞれの種ごとに独自に仕組まれた生存戦略があるといったこと、サーモンの中で最も古いと考えられているのがサクラマスで、新しい種がピンクサーモンであることなど、著者は科学的な事実をわかりやすい言葉で明らかにしてくれる。次のPART2で、著者はサーモンと人間の関わりについて筆を進める。ここで私たちが知ることになるのは、人の手によるサーモン殺戮の歴史である。乱暴に言ってしまうと、産業革命以降の人類の発展の歴史は、そっくりそのままサーモンが絶滅へ向かう歴史でもあるのだ。そうして自分たちで殺しておきながら、殺し過ぎて食べる分がなくなると、今度は無理にでも増やそうとして、孵化場を発明し、ほぼ同時期に養殖を始めるわけだが、このあたりがPART3で語られ、最後のPART4でサーモンの、あまり明るいとは思えない将来が語られる。
目次
序章 二人の漁師 7
パートⅠ ヒーロー 31
第1章 サケとマス 32
第2章 英雄の生涯 45
パートⅡ 人間という天敵 64
第3章 サーモンの起源 65
第4章 古風な新世界人 89
第5章 東洋にいる黄金の魚 110
第6章 新世界前夜 115
第7章 白人がやって来た 125
第8章 行き場のないサーモン 148
パートⅢ 解決しない解決策 158
第9章 絶滅危惧? じゃあ作ろうか 159
第10章 海の家畜 182
第11章 フライフィッシングに正義はあるか 200
パートⅣ 危険な未来 228
第12章 大西洋エレジー 229
第13章 太平洋バラード 254
第14章 旅立つ黄金の魚 276
エピローグ 私たちの責任 290
訳者あとがき 293
版元から一言
サーモンとトラウトのちがいを知っていますか?
未だわからないことだらけのサーモンについて、ベストセラー作家の著者が発表した最新ベストセラー『サーモン』の日本語訳が完成しました。サーモン全般に関する書籍ですが、フライフィッシャーに嬉しいことには、全14章中の1章が丸ごとフライフィッシングについて割かれています。
サーモンの意外な生態を知ってあなたは驚くかもしれません。釣り人なら、サーモンが生まれた川へ戻る回帰性について知らない人はいないでしょう。でも、じつは生まれた川へ戻らないサーモンこそが、種を持続させるために極めて重要な役割を果たしていることを知っている人は少ないのではないでしょうか。
本書はパタゴニア社が米国で企画出版し、ふらい人書房が日本語翻訳して発行する書籍です。
上記内容は本書刊行時のものです。