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弔いにみる世界の死生観
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年11月27日
- 書店発売日
- 2019年11月29日
- 登録日
- 2019年11月5日
- 最終更新日
- 2019年11月29日
書評掲載情報
2020-02-01 | 月刊住職 2020年2月号/547号 |
2020-01-25 | 月刊フューネラルビジネス 2月号/no.279 |
2020-01-19 |
J-CAST BOOKウオッチ
評者: BOOKウオッチ編集部 |
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紹介
死と死後の世界をどう認識し、いかなる葬送儀礼を執り行って送り出すのか。
死者と生者との関わりをいかに取り結び、どんな供養をいつまで続けるのか。
そもそも死とは恐れるべきものか、喜ぶべきものなのか──。
死に対する考え方は、世界の各民族・宗教によってさまざまです。
輪廻転生の考えに基づいて遺体を「器」としか捉えていない人びともいれば
火葬など遺体が損壊されることは許されないと考える社会も存在します。
「あの世」の存在を認め、死後はそこに行き
特定の時期に「この世」に戻ると考える社会もあれば
来世での復活までは死者はお墓で待機していると考える民族もいます。
こうした死に対する多様な考え方とそれに基づく弔いの方法はすべて、
個人では受け止めきれない人の「死」という社会的喪失を
いかに受け止めて乗り越えてゆくか
その知恵と方法論が蓄積され結晶化されたものだと考えることができます。
本書では、日本、ヨーロッパ、アフリカ、インド、中央アジア、東南アジア、
ミクロネシア、極北地域などの各地について
仏教、イスラーム、キリスト教等の教義に基づく弔いのありようと
死生観・来世観を比較して観察し
世界の各地に暮らす人びとが、全生物に共通して訪れる「死」をいかに受け容れ
乗り越えているのかを学びます。
目次
刊行にあたって
◆座談会Ⅰ
「『死』と『死者』と『死後』のとらえ方──死は悪であり、死者は畏怖の対象なのか」
小河久志+川村義治+川本智史+桑野萌+小磯千尋+小西賢吾+坂井紀公子+アヒム・バイヤー+藤本透子+本康宏史+山田孝子
◆論考
「人はなぜ弔うのか──『弔い』の宗教的・社会的意味の比較文化」
山田孝子
◆座談会Ⅱ
「イスラームとキリスト教の弔いと死生観──葬送、追悼、供養の儀礼にみるその特徴」
小河久志+川本智史+小西賢吾+坂井紀公子+桑野萌+藤本透子+本康宏史+山田孝子
◆論考
「キリスト教における弔いと死者との交わり」
桑野萌
◆座談会Ⅲ
「日本における弔いの現状と未来──『死』との断絶を克服する必要性」
小河久志+川村義治+川本智史+桑野萌+小磯千尋+小西賢吾+坂井紀公子+藤本透子+本康宏史+山田孝子
◆論考
「金沢における戦死者の『弔い』──招魂祭の空間の変遷と祝祭性に着目して」
本康 宏史
◆論考
「『あの世』が照らし出す『この世』──弔いの比較文化からみえるもの」
小西 賢吾
版元から一言
世界のどの地域に出かけても同じような「もの」があふれ、文化の違いがなくなりつつあると感じる一方で、文化による差異を思い知らされ、異文化理解に当惑することも少なくありません。
比較文化学は、文化人類学のみならず、地域研究、宗教学、社会学、文学、言語学など、さまざまな視点からの比較によって、文化の相違と共通性とを明らかにする学際的な学問領域です。比較文化学を学ぶことは、文化を相対化するまなざしを身につけ、他者(異文化)理解を深めることにつながります。
シリーズ「比較文化学への誘い」は、比較文化学の可能性を考え、その学びの世界へと誘う入門書です。
本書は、比較文化学の総論を示した1巻、食をテーマとした2巻、祭りをテーマとした第3巻、装いをテーマとした第4巻に続く第5巻です。
上記内容は本書刊行時のものです。