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ハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編 梅ヶ谷雄太(著/文) - パブリブ
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ハードコア・テクノ・ガイドブック インダストリアル編 (ハードコアテクノガイドブックインダストリアルヘン)

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発行:パブリブ
A5判
304ページ
並製
価格 2,700円+税
ISBN
978-4-908468-54-4   COPY
ISBN 13
9784908468544   COPY
ISBN 10h
4-908468-54-0   COPY
ISBN 10
4908468540   COPY
出版者記号
908468   COPY
Cコード
C0073  
0:一般 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2021年11月10日
書店発売日
登録日
2021年10月14日
最終更新日
2021年12月2日
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紹介

ディストーション・無機質な機械音
技術力とセンスが必要とされ、進化し続ける
インダストリアル・ハードコア・テクノ!
クロスブリード/エクストリーム/エクスペリメンタル

■Ophidian 美メロとノイズで芸術性の高いインダストリアル・ハードコア
■DJ Promo メインストリームとアンダーグラウンドの架け橋的レーベルのボス
■The Outside Agency クロスブリードを生み出しトレンドを作ってきた最強ユニット
■[KRTM] 視覚的なハードコア・スタイルでテクノ界隈でも人気
■The Panacea New Framesとして活動するハードコア・ドラムンベースのパイオニア
■Disciples of Annihilation UVCとしてもスピードコアのクラシックを作った元祖
■Nasenbluten 壮絶な怒りと皮肉を込めたブレイクコアの源流でもあるユニット
■他N-Vitral、Igneon System、Dither、DJ Hidden、Tymonなど
●「日本ハードコア・テクノ史」「ハードコア・テクノとドラッグ」「DTM講座」等の充実したコラムも
OphidianやEye-D(The Outside Agency)などのシーンのトップで活躍する大御所からKilbourneやSomniac Oneなど期待の若手のインタビューも収録

目次

目次

002 まえがき
004 目次

007 Chapter 1 Industrial Hardcore
008 インダストリアル・ハードコア解説
022 美メロとノイズで芸術性の高いインダストリアル・ハードコア Ophidian
026 Ophidian インタビュー
032 メインストリームとアンダーグラウンドの架け橋的レーベルのボス DJ Promo
036 クロスブリードを生み出しトレンドを作ってきた最強ユニット The Outside Agency
040 Eye-D(The Outside Agency) インタビュー
056 メインストリームのトップでも活躍するインダストリアルの鬼才 N-Vitral
060 視覚的なハードコア・スタイルでテクノ界隈でも人気 [KRTM]
064 [KRTM] インタビュー
067 インダストリアル、テラーコア、テクノまでクリエイトする玄人殺し Tripped
071 Tripped インタビュー
077 ストイックにダンスミュージックとしてのハードコアを追求 Tymon
080 ブレイクコア、メタルのブルータリティをハードコア・テクノに DJIPE
084 DJIPE インタビュー
087 インダストリアル・ハードコアからメインストリームに仲間入り Dither
090 オルタナティブ・ハードコアを牽引する注目のUSアーティスト Kilbourne
093 Kilbourne インタビュー
100 複雑で攻撃的なビートを駆使したメカニカルなハードコア Igneon System
103 伝統的なインダストリアル・ハードコアの美学をアップデート Somniac One
105 Somniac One インタビュー

113 Chapter 2 Crossbreed/Hardcore Drum'n'bass
114 クロスブリード/ ハードコア・ドラムンベース解説
135 New Framesとして活動するハードコア・ドラムンベースのパイオニア The Panacea
139 音響仙人といえるマスタリング/ミックス技術を持つパイオニア DJ Hidden
143 ドラムンベースを落とし込んだパンクメンタリティのレーベルボス Thrasher
146 Thrasher インタビュー
153 Crossbreed/Hardcore Drum'n'bass Disc Review
153 The DJ Producer / Throttler / eRRe & Dr. Chekill / Cooh / Dr. Chekill & eRRe
154 Mystification / Unabomber / Broken Note / Cooh / V.A.
155 Donny & Current Value / B-Soul & Dextems / Propaganda / V.A. / I:Gor
156 Of God & Itzokor / Dub Elements / DJ Hidden & Switch Technique / The Outside Agency / SPL / Cooh
157 The Outside Agency / Counterstrike / Donny / The Outside Agency / Current Value / Switch Technique / Noize Punishment / Switch Technique & Forbidden Society / V.A.
158 Igneon System vs Lowroller / Current Value / Switch Technique / Machine Code / Katharsys & Forbidden Society
159 Gancher & Ruin Feat. Triamer / Cooh & Counterstrike / I:Gor / Forbidden Society
160 Zardonic / Current Value / Bryan Fury / Dub Elements / C-Netik
161 Human Resource / The Hard Way / C-Netik & eRRe / Fragz / Fragz
162 Hardlogik & eRRe / eRRe & Hardlogik / Noizeskill / Lowroller + AK-Industry
163 AK-Industry / V.A. / Sinister Souls / Sinister Souls
164 Gancher & Ruin / Thrasher & Limewax / Cooh / Cooh & Counterstrike / Memtrix & Mathizm
165 Bong-Ra / Goldberg Variations & Gancher & Ruin / Endymion & the Viper Featuring FERAL is KINKY / Bratkilla
166 Micromakine / N3AR / YmB / The Clamps
167 DKaos / Dr Mathlovsky / eRRe / Hardlogik / High Rankin
168 Noizeskill / Lowroller / Ruffneck / Gancher & Ruin
169 Counterstrike / Micromakine & Sei2ure / Switch Technique & Cooh / Gore Tech / BSA
170 Lucy Furr / Acid Diaper / Bratkilla / Hallucinator
171 Hallucinator / C-Netik & Switch Technique / Sa†an / Limewax
172 Detest / Fragz & Erre / eRRe / Triamer & Nagato
173 Freqax & Ogonek / Sinister Souls / Sinister Souls / Gancher & Ruin
174 Counterstrike / Bong-Ra / V.A. / Hallucinator
175 Sa†an / Sa†an / Dr Mathlovsky / eRRe
176 Switch Technique / Sinister Souls / BSA / Deformer
177 Hallucinator / eDUB / Goldberg Variations / Triamer & Nagato
178 Cooh / Bratkilla / Katharsys / Fragz
179 High Rankin / Switch Technique / End.User / The Sa†an
180 Ulcerium / Lowroller / Brainpain / Gancher & Ruin
181 Gein, Synthakt & East Kingdom / Rogue / Broken Note / Razat

182 番外編 ハードコア・テクノ/Rave ミュージックとドラッグ

201 Chapter 3 Extreme Hardcore Techno
202 エクストリーム・ハードコア・テクノ解説
210 日本国内におけるガバからスピードコアに至るまでのミッシングリンクの考察 DJ C-TYPE( 殺人ヨットスクール)
212 UVCとしてもスピードコアのクラシックを作った元祖 Disciples of Annihilation
215 壮絶な怒りと皮肉を込めたブレイクコアの源流でもあるユニットNasenbluten
218 オランダのハードコア・フェスティバルには欠かせない職人DJ Akira
221 Akira インタビュー
226 Extreme Hardcore Techno Disc Review
226 DJ Skinhead / Stickhead / V.A. / Temper Tantrum
227 Amiga Shock Force / Auto-Psy / DJ Tron / V.A.
228 V.A. / Jack Lucifer / No Name / Syndicate
229 DJ Freak vs Noize Creator / Bazooka / Erase Head / Sonic Overkill
230 V.A. / Fraughman / The Goatblower Makes the Aquaintance of Anal Intelligence / Aftermath
231 Template / The Berzerker / Passenger of Shit / Nihil Fist
232 DJ Floorclearer / Acid Enema / Master Mind vs. D.O.M. / Save
233 DJ Balli / Ralph Brown / Sa†an / Fragment: / Mouse
234 The Kotzaak Klan Feat. DJ Skinhead / Drokz / Noisekick / DJ Narotic

235 Japanese Hardcore Techno
236 日本ハードコア史
245 日本とオランダのハードコア・シーン RoughSketch
249 アシッド対談
254 OZIGIRI インタビュー
258 DJ Myosuke & RedOgre対談
266 Hardcore Top3
269 Japanese Hardcore Techno Disc Review
269 V.A. / Yam Yam / DJ Ishii Ver.10.25 & Crystalboy / Sieste
270 Absolute Terror Field / DJ Buzz Master & the Hellscreamers / DieTRAX / The Raverz Project
271 谷町65535 丁目 / Sonic Dragolgo / m1dy / DJ Sharpnel
272 Warst / V.A. / DJ Technorch / RoughSketch and 臨界モスキー党
273 Unuramenura / OZIGIRI / DJ Chucky / V.A.
274 Dustboxxxx / RedOgre / DJ Myosuke / M-Project

275 Chapter 4 Experimental Hardcore Techno
276 エクスペリメンタル・ハードコア解説
286 アシッドサウンドが特徴的でブレイクコア・シーンで尊敬をされる Somatic Responses
290 Somatic Responses インタビュー
294 Scaremonger / Metatron / The Caustic Window / Rat of Doom
295 Zenith / Xylocaine / Memetic / DJ Torgull
296 EPC / Kid606 / Senical / Biochip C
297 Unibomber / Doormouse / Venetian Snares vs Stunt Rock / Noize Creator / Aphasia
298 Y.Dub / The Wirebug / Low Entropy / Pure
299 De-Koder / Le Talium / Toecutter / Fifth Era / ▲ NGST
300 Diagnostic / Gabber Eleganza / Gabber Modus Operandi / E-Saggila
301 Slave to Society / La Peste / Lizzitsky / Neurocore

302 あとがき

前書きなど

Thunderdome、Dominator、Masters of Hardcore、Hardshock、Ground Zero、Defqon.1など、国際的に有名なハードコア・フェスティバルには複数のエリアがジャンルごとに用意されている。オールドスクール、テラー、アップテンポ、ハードスタイル、メインストリーム、テクノなどがあり、その中でインダストリアル・ハードコアのエリアは大抵のハードコア・フェスティバルに用意されており、ハードコア・シーンにおいてインダストリアル・ハードコアは商業的にも欠かせない要因の一つである。ここ日本でも、インダストリアル・ハードコアをサポートするDJやファンがおり、海外からインダストリアル・ハードコアのアーティストを招いたイベントも開催されている。
ハードコア・フェスティバルでのインダストリアル・ハードコアのエリアは、他のエリアと比べるとラインナップの幅が広く、一見すると別のジャンルと思えるようなDJ も出演しているが、インダストリアル・ハードコアというジャンル自体がハードコア・テクノのサブジャンルの中でも自由度が高く、その定義づけが難しい。アーティストとレーベルごとにインダストリアル・ハードコアの定義がある訳だが、ある程度一環したものも存在する。ビートだけではなく、シンセやサンプリングされた素材にディストーションを掛けたノイジーなサウンドが特徴的で、ハードコア・テクノのサブジャンルの中でも特に歪みを重要視している。BPM は120-160 前後のミドルテンポのタイプと、170-220 前後の高速なタイプの二つにざっくりと分けられる。メロディに関しても、キックを潰して作ったフレーズやシンセを変調させたフレーズを駆使したダークなメロディやノイジーなフレーズがメインであり、無機質な機械音を軸とした音の世界観が好まれる。
ある一定のテンプレート的なものがあっても、インダストリアル・ハードコアの音作りは簡単ではなく、技術力とセンスが必要とされ、職人的な部分とアーティスティックな世界観が望まれるので、自身のシグネチャー・サウンドを持っているアーティストが生き残れる実力主義的な世界といえる。ゆえに、無駄を省き計算され尽くしたトラックがリリースされ、クラブやRave、フェスティバルの空間には最適であるが、それに反応する事が出来る人も限られている。
本書を執筆するにあたって、ハードコア・テクノを長年に渡って追い続けているマニア達や、実際にインダストリアル・ハードコアを製作しているアーティストとそれらのトラックをプレイしているDJ達に話を聞いたが、それぞれが微妙に違った意見を持っており、国や時代で別々のインダスリアル・ハードコアが存在していた。本書では、OphidianやThe Outside Agencyといったシーンの重鎮達がインダストリアル・ハードコアの起源や定義について話してくれているが、彼等の意見も多くの中の一つの解釈として捉えるのがいいだろう。

まず、インダストリアル・ハードコアの起源はいつだったのかというと、世界で最初のハードコア・テクノとされているMarc AcardipaneによるMescalinum United 名義の「We Have Arrived」には既にインダストリアル・ハードコアといえる部分があり、とても長い歴史がある。『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』でMarc Acardipaneが自身のルーツについて語っているのだが、Einstürzende Neubauten、Klinik、Front 242などのバンドの名を挙げ、80年代のインダスリアル・ミュージックからの影響を認めている。Marc AcardipaneはMescalinum Unitedだけではなく、彼の多くの別名義で自身のルーツを反映させた実験的な作品をPlanet Core Productions、Cold Rush Records、Acardipane Recordsなどに残している。
Marc Acardipane以外にも、フランスのハードコア・シーンを代表するレーベルEpitethのオーナーであり、Ingler名義でも活躍していたLaurent Hôはエレクトロニック・ミュージック以前に、リズムやメロディの無いノイズやインダストリアル・ミュージックを聴いていたと発言しており、90年代にLaurent Hôがリリースしたレコードにはインダストリアル・ミュージックからの影響を強く感じさせるハードコア・トラックがある。さらに、Liza 'N' EliazやTechnoheadなど、最初期ハードコア・テクノに関わったアーティストにはインダストリアル・ミュージックと強い繋がりがあり、インダストリアル・ミュージックの要素は、その文脈的にも出生の段階からハードコア・テクノに流れ込んでいた。ハードコア・テクノの先駆者達の音楽的ルーツや表現方法にインダストリアル・ミュージックの影響が深く入り込んでいた為、その後展開されるスピードコア、フレンチコア、UKハードコアといったジャンルにも自ずとインダスリアル的な要素は引き継がれていった。
だが、現在インダストリアル・ハードコアをクリエイトするアーティスト達で実際に、「インダストリアル」の文脈を意識したアーティストやDJ は少ない。今日我々がインダストリアル・ハードコアと認識するものは、2000年代初頭のオランダのハードコア・シーンを拠点に作られていったものであり、そこには直接的なインダストリアル・ミュージックとの繋がりはほとんど無いと思われる。2000年代以降のインダストリアル・ハードコアには、その元となったインダストリアル・ミュージックなどの音楽的背景は反映されていないが、それが悪い訳ではまったくなく、それによって的を絞った研究が進んで技術力が向上し、時代や環境によって不必要になった部分が切り離され、インダストリアル・ハードコアは進化し、アンダーグラウンドなジャンルであるが、一部は商業的にも成功している。本書では、サブジャンルとしてカテゴライズされてからのインダストリアル・ハードコアを軸として、その源流も辿っていく構成としている。
ここ数年、興味深い現象が起きており、それはインダストリアル・ハードコアとインダストリアル・テクノの関係が密接になったのもあり、最近のハードコア・シーンのアーティスト/リスナーの一部が純粋なインダストリアル・ミュージックに引き寄せられているらしい。このタイミングで、ハードコア・テクノとインダストリアル・ミュージックの関係性について振り返るのは良いタイミングかもしれない。可能な範囲で広義的に分析し、その根本にある歪みの美学を皆さんと共有したい。

そして、本書はインダストリアル・ハードコアと密接に関係しているクロスブリードにもフォーカスしている。クロスブリードを通して、ハードコア・テクノとドラムンベースの関係性を掘り下げており、クロスブリードの生みの親であるThe Outside Agencyにはその誕生の背景を語って貰った。フランスやオーストラリアで巻き起こっていた異端なハードコア・シーンを中心に、スピードコアを筆頭としたハードコア・テクノの中でもエクストリームなものや、IDMやブロークン・ビーツといったジャンルと交配していったエクスペリメンタル・ハードコアもピックアップしている。国内でのハードコア・テクノの発展に迫った日本ハードコア史や、ドラッグとハードコア・テクノ/Raveミュージックの関係について踏み込んだコラムもあり、海外メディアでも中々語られる事のない貴重な話が今回も多く載せられた。ゲストコラムにはC-TYPE氏とRoughSketch氏をお招きし、『ハードコア・テクノ・ガイドブック オールドスクール編』よりも更に濃いハードコア・テクノの魅力をお届けする。

著者プロフィール

梅ヶ谷雄太  (ウメガタニ ユウタ)  (著/文

1985年生まれ、東京都出身。2002年頃から都内でDJを始め、2004年に自身主宰イベント「Murder Channel」をスタート。恵比寿Milk や中野heavysick ZERO、吉祥寺Star Pine's Cafe、渋谷Lounge Neo、難波Rockets、名古屋Cafe Domina、金沢Manier 等、様々なクラブで回を重ね、2017 年にはブリストル(UK) のThe Black Swan にてMurder Channel のイベントも開催。2005 年から海外アーティストも積極的にブッキングし、多くのアーティストの初来日を成功させた。
2007 年からはMurder Channelをレーベルとしてスタートさせ、現在までに40タイトル以上の作品を発表。PS3 のゲームソフト『Savage Moon』のサウンド・トラックのリミックス・コンピレーションや、日本の漫画『ドロへドロ』のオフィシャル・サウンドトラックの監修も務める。
その他にも、極端な音楽をメインに紹介するGHz Blogにて不定期にインタビューや特集記事を公開中。

上記内容は本書刊行時のものです。