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絶対に解けない受験世界史2 稲田義智 - パブリブ
.
大学入試問題問題シリーズ2

絶対に解けない受験世界史2 悪問・難問・奇問・出題ミス集

発行:パブリブ
A5判
416ページ
並製
価格 2,300円+税
ISBN
978-4-908468-14-8
Cコード
C7022
学参II(高校) 単行本 外国歴史

出版社在庫情報
不明
初版年月
2017年8月
書店発売日
登録日
2017年7月24日
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紹介

入試問題製作者、戦々恐々!
前作の社会的反響からか一部の大学では悪問が激減!
受験業界を騒然とさせた話題作から
3年の月日を経てついに続編が刊行!

×地図でペロポネソス半島が島になっている(中央大 2016年)
×セゴビアの水道橋と見せかけて熊本県の通潤橋(上智大 2015年)
×指定字数が35字なのに指定語句3つで16字もある(慶應大 2017年)
×カリフォルニア州に本拠を置いていないIT企業を出題 (早稲田大 2017年)
×知ってる日本人数人レベルの検索結果11件のみの用語(青山学院大 2014年)
×リーバイス・沢田教一・サッカー戦争・ウォーホル・『母をたずねて三千里』は一般常識か?

……等などヘンな問題を徹底的に調査・検証・解説・糾弾!
「世界史用語の変化・2015 年補遺」「高校世界史の歴史」
「なぜ世界史・日本史は悪問・難問が多いのか」等のコラムも

目次

■ 序文
2
2017年度上智
12
2017年度早慶
22
2017年度その他(国公立)
47
■コラム1 世界史用語の変化・2015年補遺
66
2016年度上智
86
2016年度早慶
93
2016年度その他
140
■コラム2 高校世界史の歴史
215
2015年度上智
224
2015年度早慶
240
2015年度その他
278
2014年度その他(私立)
348
■コラム3 なぜ世界史・日本史は悪問・難問が多いのか
399
■終章
405
■あとがき
411

前書きなど

 前著『絶対に解けない受験世界史』を出版してから,約3年が過ぎた。幸いにも好評をいただき,こうして続刊を刊行するに至った。前巻からの読者には感謝申し上げたい。しかし,続刊が出たということはどういうことかといえば,不幸にも世の中の大学入試から世界史の悪問・難問・奇問・出題ミスがなくなっていないということである。その意味で,本書は本来であれば出ないほうが良かったものなのだ。では前著に効果がなかったかというと,自分で言うのもなんだが,一定の意味はあったように思う。2016年や 2017年は,上智大や早稲田大では明確に悪問が減少していて,もしかしたら前著の社会的な反響が影響したところもあったのかもしれない。ゆえに,他の大学の改善も期待して,継続して批判すべきものを批判していきたいと考えている。いつかこのシリーズを出さなくても済むようになるほど,大学入試から出題ミスや悪問が少なくなれば幸いである。 以下は前著にも書いた内容であるが,繰り返しておきたい。なぜ出題ミスや悪問が許されないかと言えば,端的に言って公正さを欠くからである。より具体的に言えば受験生の努力を無に帰す行為である。作題者の大学研究者からすると単なる厄介な年次行事でも,受験生からすると一生のかかった大事な試験だ。無論,「大学入試が人生の全てではない」のだが,それとこれとは別の命題であり,一生がかかっていることには違いない。問題を解くことに膨大な勉強時間を費やしてきたからこそ,どうがんばっても解けない問題を出すのは出題側の不始末であり,指定した範囲から逸脱するのも,ルール違反だ。範囲に関しては明確なルールが存在しないとはいえ,「高校生として必要な知識・教養を問う」というのが大学と受験生の間の紳士協定であろう。 また,多くの悪問は知的怠惰と傲慢さから生じているものであり,避けがたいケアレスミスではない。ここは非常に重要なところで,前者と後者には天と地ほど開きがある。作題者も人間であるから,どれだけ注意をしていてもミスを起こすことはある。そのためにクロスチェックをするであろうが,複数の人間が見落とすことも稀にある。そういった場合にはミスの存在を発表し,適切な措置をとれば,責任は相当に軽くなる話なのである。少なくとも私はなんら糾弾しないし,私自身しばしば誤字脱字を起こすのでむしろ同情したくなる。 しかし,実際に解いて分析してみると,出題ミスや悪問は,単純な怠惰と傲慢さから生まれたとしか思えないものがほとんどである。課すべき出題範囲を把握しておらず,歴史の問題ではあるが,明らかに高校世界史の範囲を逸脱した出題をする。結果,紳士協定は守られない。また,クロスチェックを通していないとしか思えないほど独りよがりな問題を作り,しかもミスを出したところで発表も訂正もしないで,スルーしようとする大学さえある。はっきりと言ってしまえば教育研究機関としてあるまじき態度であり,知的怠惰と傲慢と言われても仕方がない。その実態は案外と知られていないのではないか。センセーショナルに一部の弩級の悪問だけが騒がれ,それ以外は無視されているのではないか。むしろ問題は,センセーショナルではない程度の悪問が跋扈していることだ。こうした現状は,暴露されなければなるまい。





・本書の目的
 本書の目的はいくつかある。
1.入試世界史の一部大学に見られる,杜撰な作問を明らかにし,糾弾す
ること。特に,有名大学・難関大学にあぐらをかいている方々の知的怠
惰の暴露を最大の目的とする。2.真摯に作られた問題でも,出題ミスになることはある。そこで,出題
ミスを集めることで,出題ミスの出やすい傾向を分析する材料として世
の中に提供する。3.単純に,バカバカしい入試問題をエンターテイメントとして笑い飛ば
し,当時の受験生たちの無念を供養することにする。4.受験世界史範囲外の超難問を収録することで,受験生および一般の歴
史好きに対する挑戦状とする。なお,本書を参考書として用いた結果と
して落ちても著者は責任を取りません。 本書の目的として注記しておくこととして,現行の大学入試制度の批判は目的としていない。要するに「世界史という科目自体の存在意義」ひいては「知識を問う筆記試験という問題形式自体の存在意義」に関する議論は,本書ではしない。それは私の手に余る議論だ。本書はあくまで,「現行の世界史という試験として,糾弾されるべきもの・笑えるもの・特異なものを記録として収集し,分析する」ことだけに特化している。また,本書は調査範囲を近年に限っているため,遠い過去の伝説的な過去問はほぼ収録してない。この点はご了承いただければ著者として幸いである。





・収録の基準と分類

 悪問というものを考えるとき,反対に言って良問・標準的な問題とは何だろうか。私は以下のように定義する。そしてここから外れたものを悪問として扱う。
・世界史という科目の都合上,歴史的な事象ないしそれに関連する地名等を問うもの。
・大学入試という形式上,最低限どれかしらの高校生向け検定教科書に記載がある内容を範囲とするもの。これを逸脱するものは完全なルール違反である。
・また,現実的に考えて受験生が販路の限られた教科書の全種類に触れることは不可能であり他科目への圧迫となるため,可能な限り半分以上の教科書に記載がある内容を範囲とするもの。
・歴史的知識及び一般常識から,「明確に」判断を下せるもの。作題者の
心情を読み取らせるものは世界史の問題ではなく,現代文の試験としても悪問である。
 以上の条件から外れたものは,悪問として扱えるだろう。しかし,この緩い判定では,あまりにも多くの問題が引っかかってしまうのが現状である。よって,さらにここからさらに厳しい条件を課しつつ,以下のように分類してリストアップすることとした。
出題ミス:どこをどうあがいても言い訳できない問題。解答不能,もしくは複数正解が認められるもの。悪問:厳格に言えば出題ミスとみなしうる,国語的にしか解答が出せない問題。奇問:出題の意図が見えない,ないし意図は見えるが空回りしている問題。主に,歴史的知識及び一般常識から解答が導き出せないもの。





難問:一応歴史の問題ではあるが,受験世界史の範囲を大きく逸脱し,一般の受験生には根拠ある解答がおおよそ不可能な問題。
 補足説明として。出題ミスは「完全に解けないこと」が条件。少しでも解けそうならば悪問に分類した。難問・奇問の判定基準であるが,基本的に「山川出版社から刊行されている『世界史 (B)用語集』(以下カギカッコ無しに用語集と記載)に記載がないもの」は難問・奇問とした。もう少し説明すると,用語集とは高校世界史 Bとして検定を突破した教科書に記載されている歴史用語を網羅的に収録した辞書のようなものである。網羅的に収録しているため,この用語集に収録されていないということはどの教科書を見ても載っていないと言ってもまず問題ない。つまり,範囲外である。このうち,一応ジャンル的には歴史になりそうなものは難問,そもそもジャンルが歴史ではないものは奇問とした。 ……という運用で 2014年頃までは問題なかったのだが,用語集は 2014年 10月に新課程の版に改訂された際に,用語の大幅なリストラを行って約 20%をカットした(収録用語が約 7000語から約 5600語になった)。これは検定教科書の冊数が 11冊から7冊に減少した影響もあるが,「編者である全国歴史教育研究協議会が不要と判断した用語は教科書に記載されていても収録しない」という新たな方針を採用したという点も大きく影響しており,結果的に用語集の網羅性はかなり下がっている。ゆえに,2014年10月以降の版では「用語集には記載がないが,教科書のうちいずれかに記載がある」という現象がそれなりに見られるようになってしまい,以前より高校世界史範囲内・外の判定が困難になった。一応,用語集に記載がないがいずれかの教科書には記載があるという用語に遭遇した場合,掲載されている教科書のシェアや,常識的に考えて通常の受験勉強で覚える用語かどうか等の観点から総合的に検討して判定した。また,用語集に記載されていても,普通は覚えないもの・覚えようとは考えないものが出題されていた場合は,難問として収録した。そこは実際に解く上での難易度を勘案して柔軟に運用したつもりである。よって,本書には「そりゃ載ってはいるけどさぁ……」という類の超難問がいくつか収録されているので,腕に覚えのある方は範囲外の問題とともにチャレンジしてみてほしい。また,分類:難問については,用語集に載っていないものを完全に機械的に





収録したため,いくつか良問も含まれている。この種別については収録即悪質というわけではないことを注記しておく。 もう一つ,用語集の説明として。用語集では,収録された用語の横には丸数字がついており,これが検定教科書に載っていた数を示している。たとえば「シュメール人⑦」であれば,7冊の教科書に「シュメール人」という記載があることを示す。なお,7冊というのは最大数であり,シュメール人は全ての教科書に載っているということがわかる。逆に「フルリ人①」は7冊中1冊にしか記載がない。ここからシュメール人はメジャーな用語,フルリ人はマイナーということがわかる。以後,この丸数字は特に注記がない限り用語集頻度を示す数字として扱う。なお,これも 2014年に世界史の課程が変わった際に,検定教科書の冊数が 11冊から7冊に減ったことを受けて,用語集の丸数字の最大数も⑪から⑦に変わっている。本書での範囲内・外の判定に使う用語集を 2015年度入試から新課程のものに変えているので,ご注意願いたい。 その他,図版や地図を使った問題については,手持ちの何冊かの資料集を見て掲載があるかないか,また私の判断で知名度を勘案し,範囲内・外を判断した。一般的な認識とずれている可能性が無くはないので,この点もご了承いただきたい。 最後に,入試問題については,現物の入手が可能だったものについては現物を参照した。しかし,実際にはほとんど不可能だったので,ほぼ旺文社の『入試問題正解』といわゆる『赤本』,主要予備校の解答速報を参照した。難問・悪問になってくると各予備校・参考書の解答が割れているものもあって,おもしろい。そこも注目していただければと思う。これらの書誌情報については以下の通り。
[主要な参考文献一覧]通称『入試問題正解』(本文では『入試問題正解』と表記)『2015年受験用 全国大学入試問題正解 世界史』旺文社,2014年。『2016年受験用 全国大学入試問題正解 世界史』旺文社,2015年。『2017年受験用 全国大学入試問題正解 世界史』旺文社,2016年。通称『大学入試シリーズ』(本文では『赤本』と表記)『早稲田大学(法学部)(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016年。





『早稲田大学(政治経済学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(商学部)(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(社会科学部)(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(文学部)(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(文化構想学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(教育学部(文科系))(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(人間科学部)(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『早稲田大学(国際教養学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『慶應義塾大学(法学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『慶應義塾大学(経済学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『慶應義塾大学(文学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『慶應義塾大学(商学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『上智大学(神学部・総合人間科学部〈教育学科・心理学科・看護学科〉・経済学部〈経済学科〉・外国語学部〈英語学科〉)(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『上智大学(総合人間科学部〈社会学科・社会福祉学科〉・法学部〈法律学科・地球環境法学科〉・経済学部〈経営学科〉・外国語学部〈フランス語学科・イスパニア語学科・ロシア語学科〉)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。『上智大学(文学部・法学部〈国際関係法学科〉・外国語学部〈ドイツ語学科・ポルトガル語学科〉・総合グローバル学部)(2017年版大学入試シリーズ)』教学社,2016年。





『上智大学 TEAP利用型(2017年版 大学入試シリーズ)』教学社,2016
年。
以下,入試問題を収録した大学については,収録された巻を参照した。

解答速報各予備校 URL
河合塾 http://www.kawai-juku.ac.jp/
駿台予備学校 http://www.sundai.ac.jp/
代々木ゼミナール http://www.yozemi.ac.jp/
東進ハイスクール・衛星予備校 http://www.toshin.com/index.php
早稲田予備校 http://www.waseyobi.co.jp/index.html

※ このうち,全大学の入試解答を出しているのは東進のみ。ただし,早慶上智等の難関大学以外は「速報」ではなく,かなり遅れてから解答が発表される。しかも会員制であり,かつ解答の精度は正直に言って低い。三大予備校はさすがに解答の正確性がどこも高い。頼りになるのが代ゼミ・駿台で,分析がしっかりしている。河合塾は速報が出るのがやや遅い点と,分析があっさりしている点で,他社よりも力が入っていない印象。しかし,河合塾の大きな特徴として,他の予備校は1年分しか掲載していないのに対し,ここは過去二年分(東大・京大・センターに限れば 10年分!)掲載があり,この点ではとても重宝する。早稲田予備校は名前の通り,早稲田大のみ。
教科書『詳説世界史B』山川出版社,2016年。『新世界史B』山川出版社,2016年。『世界史B』東京書籍,2016年。『世界史B』実教出版,2016年。『新詳世界史B』帝国書院,2016年。 
参考書『改訂版 世界史 B用語集』全国歴史教育研究協議会編,山川出版社,2008年刊行,2013年版。
※ いわゆる旧課程版

『世界史用語集』全国歴史教育研究協議会編,山川出版社,2014年刊行,2014年・2015年・2016年各版。『山川 世界史総合図録』山川出版社,2014年刊行,2016年版。『詳説世界史研究』山川出版社,2008年刊行,2013年版。『日本史用語集 A・B共用』全国歴史教育研究協議会編,山川出版社,2014年刊行,2015年版。『最新世界史図説タペストリー』帝国書院,2013年。




その他使用した参考文献は,本文中使用したページにて書誌情報を記載。

著者プロフィール

稲田義智  (イナダ ヨシトモ

受験世界史研究家。東京大学文学部歴史文化学科卒。世界史への入り口はコーエーの『ヨーロッパ戦線』と『チンギスハーン・蒼き狼と白き牝鹿IV』だったが,実は『ファイナルファンタジータクティクス』と『サガフロンティア2』の影響も大きい気がする。一番時間を費やしたゲームは『Victoria(Revolution)』。ゲームしかしてなかった人生だったが,奇縁にてこういう本を出すことになった。楽しい執筆作業だったが,ちょっと当分入試問題は見たくない。

上記内容は本書刊行時のものです。