書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
カンカラ鳴らして、政治を「演歌」する
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2021年7月12日
- 書店発売日
- 2021年7月15日
- 登録日
- 2021年5月21日
- 最終更新日
- 2021年9月16日
書評掲載情報
2021-08-14 | 東京新聞/中日新聞 朝刊 |
MORE | |
LESS |
紹介
「オッペケペッポー ペッポッポー」
「ア、ノンキだね」
「ヨワッタネ 生活戦線異状あり」
「演歌」とは、明治・大正期に流行した「演説歌」のこと。面白おかしい詞を織り交ぜながら、時の権力や世相を風刺する。
政府批判・演説が弾圧された時代、「それならば歌で」と、街頭で高らかに歌いあげる演歌師が現れた。
その草分けである添田啞蟬坊(そえだ・あぜんぼう)の流れをくむ、現代唯一の演歌師・岡大介20年の記録。
1978年生まれの岡は、寄席で、ホールで、「流し」として居酒屋で、そして山谷や西成などの労働者の街で歌い続けている。
目次
第一章:政治や社会をチクリと刺す「演歌」――尊敬する添田啞蟬坊・知道のこと
第二章:「無翼」の歌、「庶民翼」の歌――カンカラ三線を持ってどこへでも
第三章:同世代の流行り歌にこころ動かず――ぼくが「演歌」にたどりつくまで
第四章:歌ってつながる人の縁――歌と酒と、厳しさと人情と
第五章:政治の過ちを風刺に変えてまっすぐに――松元ヒロさんに学んだ芸の姿勢
付 録:岡大介カンカラ演歌集/岡大介自作曲集
前書きなど
庶民の生活の苦しさ、うわっついた世相への反発、勝手をする政治への怒り――演歌にはさまざまな人間模様を織り込むことができます。
明治も中期のころ、演歌はアカペラ(楽器を使わずに声だけ)で、しかも街頭で歌ったそうです。ぼくはカンカラで作った三線(さんしん・沖縄の三弦楽器)を抱え、ビールケースをひっくり返してその上に立ち、酒場で歌っています。なるべく元に近いかたちで歌いたいと思っているうちに、このスタイルにたどりつき、早二十年。気づけば、日本でただ一人の演歌師。
昭和からこれまで正調演歌を継ぐ者がいなかったのが不思議です。こんなに豊かな世界なのに、とぼくは残念でなりません。――「まえがき」より
上記内容は本書刊行時のものです。