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発達障害の子の子育て相談

思いを育てる、自立を助ける

教育 ラノベ

明石洋子(著)
発行:本の種出版

A5判   176頁  並製
価格 1,800円+税

ISBN 978-4-907582-06-7   C0036
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2017年10月
書店発売日 2017年10月23日
登録日 2016年9月29日

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紹介

「障害者権利条約」や「障害者差別解消法」で知られるようになった「合理的配慮」や「意思決定支援」。40年も前から、これを実践してきた人がいます。自身の息子がASD(自閉スペクトラム症)と診断されてから、本人の思いがどこにあるかを常に探り、育て、できることより幸せになることを目標にして、自立へとつなげてきました。息子は今、川崎市職員として日々仕事に励み、趣味を楽む大人です。そこで、「先輩、相談です」。どうしたらそんな子育てができるのか、障害児を育てる保護者からの相談に応えて教えます。

目次

はじめに
先輩、相談です。 ありのままに地域で生きる
1 障害があるのに、実り多い人生をと願っていいのでしょうか
2 夫と子どもの祖父母が障害と認めず、受診に反対します
3 子どものためには自分の人生をあきらめるべき?
4 ご近所に迷惑をかけてばかり。いっそ家に閉じ込めてしまいたい…
5 知的障害が重いのですが、施設に入れるしかないのでしょうか
6 本当に地域で幸せになれる? 何かよりどころとなるものが欲しい…
7 親亡きあとの生活、たとえば住まいをどのように考えたらいいのでしょう
8 強がりでなく「ありのままでいい」と言える日が来るのでしょうか
9 親も障害のことを熱心に学ぶべきでしょうね
10 障害のある子と一緒だと、きょうだいが不利益を被らないかと心配です
11 仲間が欲しい、悩みを聞いてほしい…
12 よりよい人生を送らせるため、何を身につけさせればいい?
13 地域で多くの人の理解を望むのは間違いでしょうか
コラム
医学モデルから社会モデルへ
「僕は明石徹之。どうぞよろしく」
ICF(国際生活機能分類)
「障害者の権利宣言」がさせてくれた決心
先輩、相談です。
14 自分から人の輪に入ろうとはしないけど、人とかかわる心地よさを教えたい
15 せめて、何が欲しいのか言わせたい…
16 パニックは障害のせいで仕方ないのでしょうか
17 ほめて育てろとよくいわれますが、できないところばかり目につきます
18 どんなに誘ってもトイレで排泄ができません
19 将来もさまざまに支援を受けていくし、トイレのしつけはそこそこでいい?
20 「自分の体を清潔に保つ」を教えるにはどうしたら?
21 性のしつけの一つ「人前で裸にならない」を教えるには?
22 偏食がひどくなりました!
23 食べられるものがごく少なく、給食が苦痛なようです
24 「食事中は席を立たない」を教えたい
25 毎日同じ服を着ています。将来TPOに合った服装ができるようにさせるには?
26 お手伝いをさせるのは面倒だし、かわいそうにも思います…
27 独り言など、その場にふさわしくない行動をやめさせるには?
28 「なぜ」「どうして」がなかなか言えません
29 父親を避けるので、子育てにかかわってもらうことができません
30 下の子を物のように扱うのではないかと心配です
31 つい、障害のあるこの子を優先してしまいます
32 お金の価値がわからず、破いたり捨てたりしてしまいます
33 一人で外出させることができる?
34 どうしたらお金が得られるか、働くということを教えるには?
コラム
料理が算数の勉強にも!?
食べる量をどう考えるか
最初は怒鳴り込んできた店主が支援者に
おわりに

前書きなど

はじめに  ― 障害者で公務員の息子を育てて ―

 現在44歳になる、知的障害のあるASD(自閉スペクトラム症)の長男、明石徹之の母です。障害があるといわれた当時は、将来働けるなんてあり得ない、働かせるなんてかわいそう、また障害者が安心して生きる場(幸せの青い鳥がいる場)は入所施設しかないと思っていました。しかし、そんなことはありません。幼児期も学齢期にもまったく想像もしませんでしたが、今、彼は川崎市の職員として働いています。公務員になってもう24年です。就労が継続できているのも信じられないくらいです。
 公務員になったからといって、障害が治ったわけではありません。知的障害のあるASDのままです。今も、首を振り振り独り言を言いながら飛ぶように歩いています。それが彼です。たまに黙っていると、近所の方は「今日の徹之さんは黙って歩いているけど、どこか体の調子が悪いの?」と心配されるくらいです。奇異な行動をして皆と違っていても、まわりが「違いを認め、違いを楽しむ」環境になれば、障害があろうと自分らしくあたりまえに生きることができると思います。日本中が「ASDでオーケー」の世の中になってほしいですね。
 今の徹之があるのは、本人をいちばん知っている(と思っている)私が地域とのパイプ役になって、彼を「知って、理解して、支援する人を、一人でも多く」と、地域の中に支援の輪を広げることができたからだと思います。多くの支援者のおかげで、彼は、自分の人生を自分で選んで(自己決定して)、前例のなかった高校生にも公務員にもなれました。「働いて楽しむ」ことができ、個性豊かな楽しい人生を今も歩んでいます。そして親の私は、「ハプニングは感動の源」と、「ハプニングがトラブルにならないように」かかわり方を工夫しながら(これが今でいう「合理的配慮」ですね)、日々変化に富んだ人生ではありますが、「人という財産」をたくさんもらい、充実した人生を送っています。微々たる成長にも、健常児であったら味わえなかったであろう感動を実感して生きています。かかわってくださった多くの方々に心より感謝して……。
 障害児のままでも、障害者の親のままでも、笑顔いっぱいの有意義な幸せな人生を送ることができますよ。障害児と診断されて「不幸な子をもつ不幸な親」と絶望した昔の私がまったく嘘のようです。今、「不幸な人生」と思い悩んでいるあなたも、心のあり方次第。きっと幸せな人生がやってきます。
 この本では、「前例がない」と拒否されながらも、当時の療育や教育の基本的な方針と違った逆転の発想をして(たとえば「こだわりを取り除きなさい」といわれ取り除けず、「こだわりを利用しよう」へと発想の転換をして。今はそれが主流・基本的方針となりうれしく思います)、試行錯誤しながらの子育ての実践や、ボランティアで立ち上げた「あおぞら共生会」(現在は社会福祉法人)の運営を通じて、私が学んできたことを基礎に、Q&A形式でお話ししたいと思います。
 「障害者の権利に関する条約」を批准して、今は福祉のキーワードになっている「合理的配慮」や「意思決定支援」ですが、これらの言葉が法律になる前から、この考えを実践してきていたように思います。それがこの本のタイトルにもなっている「思いを育み、思いに寄り添う」ことや、「自己決定を尊重して自立を助ける」ことですね。「意思決定支援」という用語を知らなくとも、本人を知り、「何に困っているか」を探り、理解し、「困らないためにどう支援すればいいか」を考えると、おのずと合理的配慮や意思決定支援をするようになります。
 「思いを育て、思いに寄り添う」を子育て方針に据え、「地域」と「本人主体」を基礎に、「できることより幸せになること」を目標にしてきたことで、今の徹之がいます。障害があるままでも自分らしく生きていけるよう、「違いを認め、違いを楽しむ」環境に日本全体がなるよう、ともにがんばりましょう。
 2017年8月                 明石洋子

著者プロフィール

明石洋子(アカシ ヨウコ)

明石洋子(あかし ようこ)
社会福祉法人あおぞら共生会副理事長、一般社団法人川崎市自閉症協会代表理事(川崎市自閉症児親の会会長)、NPOかわさき障がい者権利擁護センター理事長。そのほか、社会福祉法人やNPO法人等の理事・評議員、川崎市の障害者施策審議会委員等も務める。1946年埼玉県生まれ。九州大学薬学部卒業。製薬会社、医薬品卸会社等勤務を経て現職。薬剤師・社会福祉士。
二児の母。長男徹之氏は知的障害のあるASD(自閉スペクトラム症)で川崎市職員。
おもな著書に『ありのままの子育て―自閉症の息子と共に①』(ぶどう社、2002年)、『自立への子育て―自閉症の息子と共に②』(ぶどう社、2003年)、『お仕事がんばります―自閉症の息子と共に③』(ぶどう社、2005年)などがある。

関連リンク

http://honnotane.com/

『糸賀一雄記念賞』受賞!
「この子らを世の光に」で知られる障害者福祉先駆者の名を冠した賞の2017年度の受賞者に、明石洋子さんと長男の徹之さんが選ばれました!

上記内容は本書刊行時のものです。