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三島由紀夫の方法
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2022年5月7日
- 書店発売日
- 2022年4月25日
- 登録日
- 2022年4月26日
- 最終更新日
- 2023年1月25日
紹介
三島由紀夫の生誕八十年、没後三十五年に当たり、さまざまな行事が行われているが、三島研究に従事するわれわれは、研究誌「三島由紀夫研究」(当面、年二回刊行)を創刊することにした。
三島由紀夫の存在がいまやいかに大きくなっているか、言うまでもなかろう。今後、ますます大きくなり、昭和文学ばかりでなく、明治、大正の文学、今日およびこれからの文学を考える上でも、重要さを増すに違いない。それとともに、日本の古典、その底に横たわる思想、海外の文芸との係わりを考察する上でも、欠くべからざる存在となっている。このような三島の文学と取り組むことは文学がひどく疎かにされている今日、とくに重要な意味を持つと信ずる。
ただし、そうであればあるほど、さらに視野をひろげ、多角的、柔軟に、恣意に陥ることなく、考究することが必要である。一定の立場に囚われず、いわゆる作家研究の枠からも自由に、各国の言語、文化の違いを深く認識したうえで、その障壁を越え、推し進めなくてはなるまい。
また、同時代を生きた人々が年々少なくなり、貴重な証言、生きた記憶が失われつつあり、それらを可能な限り記録し、新たに掘り起こしておくことも、研究の基礎固めのための緊急課題となっている。その一方では、年々研究論考の数が増え、それらを把握、見渡し、活用するのが難しい状況になっている。
こうした今日のさまざまな問題に応えるためには、継続的に努めることが必要と考えた。微力なわれわれであるが、出来る限りのことをして行きたいと思っている。その意図するところをご推察の上、ご協力、ご支援を広くお願いする。
目次
特集 三島由紀夫の方法
『夜の車』考「大日本帝国の崩壊」の渦中で- 松本 徹
三島由紀夫の方法としての写真と映画-山﨑義光
三島由紀夫と石原慎太郎の文学と政治-久保田裕子
映画『憂国』の方法-山内由紀人
三島由紀夫論-木村 修
「見かけ」=「ドグマ」から「戦後文学」へ
三島由紀夫とラカンをめぐる研究動向に関する-考察柳瀬善治
〈意識と無意識との卍がため〉という方法-三輪太郎
●資 料
三島由紀夫写真集「憂国」-犬塚 潔
●断 想
『三島由紀夫VS音楽』補遺-宇神幸男
小さな文学館の日乗-杉田欣次
●資料紹介
「豆自傳-斎藤理生
蓮田善明と三島由紀夫「蓮田善明と『文藝文化』」展を開催して-片桐まい
●書 評
福田大輔著『筋肉のメランコリー ──ラカンとともに読む三島由紀夫』-柴田勝二
日比野 啓著『三島の子どもたち 三島由紀夫の「革命」と日本の戦後演劇』-嶋田直哉
藤田三男著『三島由紀夫点綴』-佐藤秀明
井上隆史・田尻芳樹 他編著『三島由紀夫小百科』-宮西忠正
三島由紀夫・篠山紀信・横尾忠則『OTOKO NO SHI』-佐藤秀明
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ミシマ万華鏡-山中剛史/有元伸子/久保田裕子
編集後記-佐藤秀明
上記内容は本書刊行時のものです。