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川端康成ー生涯と文学の軌跡ー 山中正樹(著/文) - 鼎書房
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川端康成ー生涯と文学の軌跡ー (カワバタヤスナリ ショウガイトブンガクノキセキ)

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発行:鼎書房
A5判
214ページ
定価 2,200円+税
ISBN
978-4-907282-76-9   COPY
ISBN 13
9784907282769   COPY
ISBN 10h
4-907282-76-1   COPY
ISBN 10
4907282761   COPY
出版者記号
907282   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
品切れ・重版未定
書店発売日
登録日
2023年1月26日
最終更新日
2023年1月26日
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紹介

 川端康成の文学を、死に彩られた幼少時から戦争期を通しての体験や、晩年に至る川端の生涯を辿りつつ、〈時空間〉の問題、芥川龍之介の影響や三島由紀夫との関係なども含めて考察した。それらを基底として「伊豆の踊子」「反橋」「千羽鶴」「みづうみ」「眠れる美女」「片腕」の作品分析を行い、川端康成の生涯と文学の軌跡を論じた。 なお、本書は著者近刊予定の川端康成研究論考の内容を、大学講義用に取捨選択し、編集した。

目次

第一部 川端康成 ─その生涯と文学の特徴
第一章 川端康成の生涯をめぐって
川端康成の五十年 ─〈死〉に彩られた生涯/敗戦と川端康成/川端康成と古典文学/「葬式の名人」/「弔辞の名人」

第二章 川端文学の構造 ─時空間の分析を中心に
戦前の作品世界における〈空間〉/戦後の作品世界における〈空間〉/二つの時間/川端文学における〈時間〉

第三章 川端康成と古典文学 ─敗戦と「源氏物語」
川端康成と古典文学との関係 ─評家の発言から川端康成の古典への親炙/戦争によって知ったこと/川端康成の〈古典(伝統)回帰宣言〉をめぐって/川端作品と「源氏物語」─「千羽鶴」を例として

第四章 川端康成の言語観─言語の到達(表現)不可能性
川端康成の〈リアリズム〉批判/芥川龍之介における言語の到達(表現)不可能性/川端康成における言語の到達(表現)不可能性/三島由紀夫と川端康成

第二部 川端康成作品の分析
第一章 「伊豆の踊子」における〈時間〉と〈語り〉
「伊豆の踊子」の評価/〈私〉の時間意識/「伊豆の踊子」の時間構造/「孤児根性」からの脱却/「〈私〉の救済の物語」の実像

第二章 「反橋」連作における〈冒瀆〉と〈憧憬〉
〈魔界〉論の終焉/〈魔界〉の源流/「反橋」連作における〈時間〉 /「汚辱と悪逆と傷枯の生涯」─行平の存在基盤/〈救済〉の断念─「隅田川」の世界

第三章 「千羽鶴」における〈美〉と〈醜〉との相克
「千羽鶴」への誤解/「千羽鶴」が描き出すもの─繰り返される「あざ」の記憶/「二人の女」の内的時間/〈美〉と〈醜〉との相克

第四章 「みづうみ」における〈時間〉と〈空間〉
〈追跡者〉銀平/銀平の「みにくい足」/銀平の美女追跡/銀平の変容

第五章 「眠れる美女」における〈密室〉の機能
従来の評価/「眠れる美女の家」の仕掛け/江口の人生/「眠れる美女」における時空間/江口の救済/〈密室〉の機能

第六章 「片腕」における「〈自己〉拒絶の物語
川端文学における「片腕」の意義/〈私〉の孤独/〈片腕〉という心象/処女の純潔による救済/「片腕」における処女懐胎のモチーフ/片腕との交合─〈私〉の胎内回帰/「魔の発作の殺人」─〈私〉の救済の失敗

ま と め
参考文献
あとがき

上記内容は本書刊行時のものです。