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クザーヌス 生きている中世
開かれた世界と閉じた世界
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年4月
- 書店発売日
- 2017年4月25日
- 登録日
- 2017年4月4日
- 最終更新日
- 2017年5月25日
紹介
■ 壮大な転換期に違いない現代の世界を、構造的にとらえ、新しい世界のヴィジョンを描くことは可能だろうか。グローバリズムとナショナリズムの台頭、
IT社会と格差社会、大きな物語の崩壊と断片化する知識……。
15世紀中世、旧世界の破局を目の当たりにしたニコラウス・クザーヌスの格闘を鏡として、今日のさまざまな破綻の様相を照らす。古い神学体系に抗い、近代への転回を促したとされるクザーヌスの思想の秘密はどこにあったのか。
■ 老子の道とクザーヌスの覚知的無知、西田の絶対矛盾的自己同一とクザーヌスの反対対立の合致──自己相対化を受け入れ、他者に開かれたあり方こそ、クザーヌスの創造性を保証するものであった。現在の世界規模の自閉と暴力とを超えて、平和と共存への新しい物語を紡ぐために。
目次
序章 中世から現代を読む
──グローバリゼーション、アイデンティティ、そして普遍的正義
I 破局の諸相
第1章 原発破局「フクシマ」の原因を探る
──哲学の視点からの一考察
第2章 現代日本におけるアイデンティティの分裂
第3章 日本社会における〈社会崩壊〉と企業活動
第4章 近代的思考様式の限界についての一試論
──「科学・技術」との関わりを中心にして
Ⅱ 他者の衝撃
第1章 『信仰の平和』におけるタタール人像
──〈破局〉のただ中での〈他者〉への眼差し
第2章 クザーヌスにおける理性の普遍性と哲学の複数性
──『信仰の平和』を中心にして
第3章 〈他者〉の豊饒性
Ⅲ 語りえぬものへの〈開かれ〉と〈閉ざされ〉
第1章 西田幾多郎におけるクザーヌスとの出会い
第2章 東アジアにおける〈知恵〉概念の伝統とクザーヌスの〈知恵〉概念
──〈知恵〉と〈道〉、〈無学者〉と〈愚人〉
第3章 西欧における「開かれた世界、開かれた書物」
Ⅳ 大きな物語の改訂
第1章 〈文明の衝突〉の時代の宗教的寛容論
第2章 〈文明の衝突〉を超える視点
終章 現代に生きる中世
前書きなど
中世を鏡として、現代の世界をトータルに捉え直す
──大きな物語の改訂に向けて
上記内容は本書刊行時のものです。