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妄犬日記
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2016年5月
- 書店発売日
- 2016年5月24日
- 登録日
- 2016年4月22日
- 最終更新日
- 2016年7月25日
書評掲載情報
2016-07-01 |
週刊読書人
評者: 日和聡子=詩人・作家 |
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紹介
■ 女と男の間を行き交い、流れてやまない情念の渦を、文と絵で描きとめる現
代の語り物、愛の絵草紙。
そのつぶやきは、恐ろしくも、底深いひととひとのかかわりの真実をあらわ
にし……。
■ 拷問の隠れた美学と従属のひそやかな快楽、この禁断の実が愛することの限
りない語りを紡いでゆく。犬こそ王様の支配者──サディズムとマゾヒズム、
支配と被支配の反転にこそ、生きてあるひとの存在のほんとうがひそんでいる。
目次
プロローグ
星の教え
そもそもの1 またの名を「漠たる王様」
そもそもの2 またの名を「呪われたるK」
犬
調教
指
考える
服従
呟き
読書
首輪
黒い歌1
ふたたび読書
におい
黒い歌2
手紙 〈拷問〉についていつも考えている女王様へ
ふたたび服従
秘密
女王様より一言
またもや読書
前書きなど
「王様」と〈犬〉、男と女の関係の底を掘っていく、あぶない愛の歌。
──プロローグより
この世は穴で満ち満ちているのだ、この世は穴でできているのだ、無数の穴に無数
の夢が潜んで蠢いているのだ、捕まえてやる、逃すものか、逃すものか、私の夢、
私の秘め事、私の噓、私の真実、私の恥ずかしくて忌まわしくて嬉しくてたまらな
いすべてのこと、それはつまり私そのものなのだ、私が穴に潜んでいるのだ、逃す
ものか、逃すものか、取り戻すのだと王様は果てしなくきりもなくこの世のこの虚
空を満たす無数の穴に向かって中指を差し込んでいくのである。
上記内容は本書刊行時のものです。