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暴力階級とは何か 廣瀬 純(著) - 航思社
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暴力階級とは何か (ボウリョクカイキュウトハナニカ) 情勢下の政治哲学2011-2015 (センザイカノセイジテツガク)

哲学・宗教
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発行:航思社
四六判
312ページ
天アンカット(スピン有)
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-906738-11-3   COPY
ISBN 13
9784906738113   COPY
ISBN 10h
4-906738-11-7   COPY
ISBN 10
4906738117   COPY
出版者記号
906738   COPY
Cコード
C0010  
0:一般 0:単行本 10:哲学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2015年5月
書店発売日
登録日
2015年4月8日
最終更新日
2015年5月29日
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紹介

「暴力が支配するところ、暴力だけが助けとなる」――

『アントニオ・ネグリ 革命の哲学』『絶望論』などで注目を集める気鋭の思想家が、
2011年から15年までの日本および世界各地で起きた出来事のなかで/について思考する、
暴力と生、闘争と蜂起、その全面的萌芽。

日本における反原発デモ、明仁のリベラル発言、ヘイトスピーチ、
極右・安倍政権による貧者・弱者切捨て政策や、
ギリシャ&スペインにおける左翼運動・左派政党の躍進、
イスラム国の台頭、「シャルリ・エブド」襲撃事件、ドイツ旅客機自殺までの出来事を取り上げる。

目次

Ⅰ 暴力階級、その肉と身体
 搾取の終焉、勇気の時代
 我々はいったいどうしたら自殺できるのか  「シャルリ・エブド」襲撃事件

Ⅱ 怒りから恥辱へ、恥辱から勇気へ
すべてのうちにすべてがある  柄谷行人/ジャック・ランシエール
画一化か、荒涼か  篠原雅武/空族
社会保障からローンへ  マウリツィオ・ラッザラート/浅田彰
運動と政党、その齟齬と連動  フェリックス・グァタリ/NPA
安全か、自由か  原発事故とその思想的効果
倒錯と自由  イーストウッド『J・エドガー』/ドゥルーズ『意味の論理学』
現代思想、ハードコア―「怒り」から「自由」へ  市田良彦/マトロン/ネグリ
明解な映像に曖昧な理念を対峙させよ  ゴダール/毛沢東/アルチュセール
処置なしの愚か者たちと生きる  原発再稼働/官邸前デモ/緒方正人
「革命的になる」ということ  ロベスピエール/官邸前デモ/ドゥルーズ
出来事を到来させるために  ルソー/アルチュセール
混濁する緑から反復する赤へ  ランシエール/バディウ/ジジェク
資本・ネイション・ステイト
暴力階級とは何か  大島渚/マルグリット・デュラス
怒りか、恥辱か。参院選を前にして  『絶望論』『コモンウェルス』
亀裂はつねにすでに生じている  F・スコット・フィッツジェラルド/鈴木了二
地球は「企業」なのか  ミシェル・フーコー/ジャン=ポール・フィトゥシ
闘争はその継続を爆音でささやく  樋口泰人/マイケル・チミノ『天国の門』
歴史の展開につねに遅れる者たち  青山真治『共喰い』『Helpless』
「肉の壁」から「別の生」へ  丹生谷貴志/フーコー/箱田徹
「左からの反原発」とは何か  平井玄/ブランキ/ベンヤミン
情勢の下で思考すること  宇野邦一/リゾーム/ドゥルーズ
アントニオ・ネグリと現代思想
「国家のイデオロギー装置」から「国家の記号装備」へ  グァタリ『人はなぜ記号に従属するのか』
アベノミクスと叛乱
イスラーム国と「真理への勇気」  ミシェル・フーコー/キュニコス派
マルチチュードのレーニン  ネグリ/レーニン
現代スペインのボリシェヴィキ  怒れる者たち/Podemos
「新開発主義」とは何か  ラテンアメリカ/進歩派政権/新採掘主義
「そして沈黙は恐ろしい」  ブレッソン『やさしい女』/ドイツ旅客機墜落事故

Ⅲ 「暴力が支配するところ、暴力だけが助けとなる。」
鼎談 ライフ・イズ・ア・スキャンダル――レント資本主義に対する階級闘争  中山智香子×平井玄×廣瀬純
情勢下の政治哲学  ディエゴ・ストゥルバルクとの対話

前書きなど

個人間の触発による暴力発動の継起を止めることはもはや誰にもできない。
死に曝された者たちによる決死の覚悟でのおのれの生の奪還をいったい誰が止められるというのか。
生への勇気。資本と国家とに対する闘いはすでに始まっている。〔…〕
金融資本時代の革命理論は、いかにして暴力階級を全面的に現勢化させるのか、
いかにして暴力階級を組織化するのか、
貧者/富者を問わず我々が皆すでにおのれの肉として生きているこの階級をいかにして身体として組織するのか、
暴力階級の党はいかなるものかといったことを問うものとなるはずだ。〔…〕
生きるためには勇気をもって死(資本と国家)と闘わなければならないという理性は
その単純さにおいてすでに皆に共有されている。
たとえ意志については多少なりとも悲観的であらざるを得なくとも、
理性については迷うことなく楽観的でいられる理由を我々はすでに手にしている。
今日の革命実践は、この「理性の楽観主義」を原動力にして賽を投じ続けるという史的唯物論のそれとなるはずだ。

――「搾取の終焉、勇気の時代」より

著者プロフィール

廣瀬 純  (ヒロセ ジュン)  (

龍谷大学経営学部教授(映画論、現代思想)。1971年生まれ。
著書に『アントニオ・ネグリ 革命の哲学』(青土社)、『絶望論』『闘争のアサンブレア』(共著、ともに月曜社)、『蜂起とともに愛がはじまる』『美味しい料理の哲学』(ともに河出書房新社)、『闘争の最小回路』(人文書院)、『シネキャピタル』(洛北出版)、訳書にアントニオ・ネグリ『未来派左翼』(NHK出版)、『芸術とマルチチュード』(共訳、月曜社)、フランコ・ベラルディ(ビフォ)『NO FUTURE』(共訳、洛北出版)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。