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島原半島の信仰と歴史 野藤 妙(編集) - 西南学院大学博物館
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島原半島の信仰と歴史 (シマバラハントウノシンコウトレキシ) 一揆とその後の松平氏治世 (イッキトソノゴノマツファイラシチセイ)

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B5変形判
80ページ
価格 1,000円+税
ISBN
978-4-905327-75-2   COPY
ISBN 13
9784905327752   COPY
ISBN 10h
4-905327-75-X   COPY
ISBN 10
490532775X   COPY
出版者記号
905327   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年6月
書店発売日
登録日
2017年6月6日
最終更新日
2017年6月16日
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紹介

日本史上に刻まれる島原・天草一揆の舞台であり,1792年雲仙普賢の大噴火「島原大変」の大災害を蒙った地・島原半島。これまで注目されていなかった一揆後の松平氏の治世についても焦点をあて,前近代から明治期の口之津港の繁栄まで,島原半島の歴史を文書・絵図を中心とする史料で概観する。
九州のキリスト教シリーズⅤ【2017年春季特別展図録/西南学院大学博物館・年2回刊】
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 戦国時代,島原半島を領有していた有馬氏は,南蛮貿易を行った。そのなかで領主有馬晴信がキリスト教に改宗し,半島にキリスト教が広まる。しかし,禁教の世になると,有馬氏後に島原へ入封した松倉氏はキリスト教弾圧を行った。その弾圧や苛烈な年貢の取り立てなどに対して領民が蜂起し,その後の日本の政治体制に大きな影響を与えることになる,島原・天草一揆が勃発する。
 一揆鎮圧後,江戸幕府は領民の大半がいなくなった島原半島へ様々な藩から移民を募り,統治者として高力氏,松平氏,戸田氏といった譜代大名を入封させる。領地の安寧に向けて政策を行った松平氏であったが,その治世には数々の苦難があった。特に,普賢岳の噴火は未曾有の事態であり,多くの人命が失われ藩の財政は困難を極めた。
 幕末になると,異国船来航の増加により国内外が騒然とする。島原藩をとりまく情勢も変化し,「開国」,そして大政奉還を迎える。明治時代になると,島原は長崎県に併合され,口之津は海外に開かれた港として再び繁栄した。
 本書では,主として前近代の島原を取り上げ,第1部では日本キリスト教史において重要な島原・天草一揆を,第2部では島原藩で最も長く続いた深溝松平氏を中心に,島原半島の信仰と歴史を概観する。

目次

 ご挨拶 西南学院大学博物館長 後藤新治/ 南島原市長 松本政博
Ⅰ 島原半島とキリスト教
 第1章 有馬氏の海外交流
 【コラム】キリシタン墓碑の保存整備(糸島市教育委員会文化課主事 秋田雄也)
 第2章 島原・天草一揆の顛末
Ⅱ 島原藩深溝松平氏の治世
 第1章 深溝松平氏について
 第2章 島原藩の禁教政策
 第3章 島原藩と災害─島原大変
 【コラム】寛政4年島原大変とその後の復興(西南学院大学博物館学芸研究員 野藤 妙)
 第4章 島原藩の終焉
 【コラム】第一次・第二次長州征討と島原藩(下関市立歴史博物館学芸員 稲益あゆみ)
 島原・キリスト教関係年表
論考
 熊本藩軍功意識と創造された天草四郎像
  (熊本大学大学院人文社会科学研究部准教授 安高啓明)
 島原・天草一揆後の復興と移住政策
  (長崎県南島原市教育委員会文化財課文化財調査員 南浦利早)
 日本キリスト教史における文化財の保護と活用─南島原市との連携事業をとおして
  (西南学院大学博物館学芸員 内島美奈子,西南学院大学博物館学芸研究員 野藤 妙・山尾彩香)
出品目録

前書きなど

ご挨拶
 当館では,開館以来,キリスト教文化に関する調査研究を行っております。2009年からは九州のキリスト教に焦点を当てた展覧会をシリーズとして開催してまいりました。また,南島原市(長崎県)との相互の企画展示を行い,当館を会場に南島原市の貴重な資料をもとにした企画展示を常時,開催しております。このような日本のキリスト教の歴史を紹介する取り組みは,当館の特色のひとつとなっており,周囲からも高い評価をいただいております。また,本学学生,関係者はもとより,地域住民の方のご来館も年々増えてきており,大学博物館の取り組みも着実に浸透してきているように感じております。
 今回の展覧会は,九州のキリスト教シリーズの第5弾として,長崎県の島原半島を舞台として取り上げております。同地は,日本キリスト教史の転換点である島原・天草一揆が起こった場所です。日本におけるキリスト教の禁教が一層強化されるひとつのきっかけとなった出来事でした。今回の展覧会では,一揆に関する資料を多く展示しており,これまで以上にこの重要な出来事についてスポットを当てております。そして,一揆の後,同地はどうなったのか。これまであまり注目されてこなかった,その後の治世についても紹介しております。
 現在,南島原市は一揆の舞台となった原城跡を「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界遺産への登録を目指した活動を行っております。それに伴い,キリシタン,一揆,原城という言葉もよく耳にするようになりました。ぜひ本展覧会にて,その実像について理解を深めていただければ幸いです。
 本特別展にあたって,南島原市の全面的なご協力を賜り,また,他の機関からの多大なご支援により開催することができました。末筆ではございますが,ご協力を賜りました関係各位に対しまして衷心より御礼申し上げます。
  西南学院大学博物館長 後藤新治     

上記内容は本書刊行時のものです。