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日本の作曲2000-2009  - サントリー芸術財団
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日本の作曲2000-2009 (ニホンノサッキョク ニセンカラニセンク)

芸術
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B5判
120ページ
並製
定価 1,800円+税
ISBN
978-4-903951-42-3   COPY
ISBN 13
9784903951423   COPY
ISBN 10h
4-903951-42-1   COPY
ISBN 10
4903951421   COPY
出版者記号
903951   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2011年3月
書店発売日
登録日
2011年4月20日
最終更新日
2011年5月22日
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紹介

ゼロ年代の作曲界を回顧する──
片山杜秀、白石美雪、楢崎洋子、沼野雄司が、今世紀最初の10年間に作曲・発表された作品の中から、83人の作曲家による147曲を座談会形式で論評。巻末には作品の詳細なデータを掲載した。

目次

[座談会]日本の作曲2000-2009(片山杜秀・白石美雪・楢崎洋子・沼野雄司)
  2000
  2001
  2002
  2003
  2004
  2005
  2006
  2007
  2008
  2009
  総括
  座談会を終えて(楢崎洋子)
[資料]作品一覧

前書きなど

座談会を終えて(あとがき)

 この座談会は、2010年7月30日と8月12日の2日間にわたっておこなわれました。2000年から2009年までの1年ごとに、4人の座談会参加者が各自評価する作品を原則として5作品ずつ挙げて、評価すべき点を語り、最後に、この10年間の日本の作曲界はどのようであったかについて総括をおこないました。作曲界に主流とよべる動向がなくなったといわれるようになって久しいですが、座談会参加者が語る作品評は、その作品が濃密な個性と問題意識から成り立っていることを示唆するもので、どの作品が主流となってもいいような印象を受けるほどです。
 主流が支配する時代でなく、多様化の時代というときの多様化の語は、ともすると、主流となるほどの際立った個性よりも、対等な個性が複数ある、といった状況をさすきらいがありますが、2000年代は、さまざまな際立った個性の作品が多く存在する状況のように見受けられます。最近10年間というあまりに近い年代が俯瞰的に見渡すことを妨げ、個々の作品を大写しにしているということもあるでしょう。しかし、主流の不在、という語が先行して、実際には主流となる動向があったかもしれない1990年代に対し、2000年代は、主流の不在が現実になった年代といえるかもしれません。2000年代にデビューする若手作曲家たちにとってモデルとなる作曲家がいるとすれば、それは各自で選んだ結果であって、趨勢がそうさせたわけではないと思われます。モデルにするとしても、時代を先取りしているから、といった理由ではなく、自身の感覚に合う、といった理由からと思われます。
 2000年代は、ポスト・モダンのモダンの語がさす新しさとは違う新しさが擡頭する時代のように思われます。時代を先取りするという意味での新しさではなく、あくまで各自の方法であって、それ以上の支配力を必ずしもめざしていないという新しさです。そのような新しさは自由であって、他の方法と鼓舞し合ったり、あるいはせめぎ合ったりする契機からも解放されているかもしれません。各作品の作品間における意義を聴き取ることが聴き手に開かれているように思います。
 「日本の作曲」と銘打ちながらも、座談会では「日本」についてほとんど論及がありませんでした。日本伝統音楽の直接的な反映のみられる作品は確実に減っていますが、海外作品とは違うと感じさせる日本的要素を探し、創ることも必要だろうと思います。

楢崎洋子

上記内容は本書刊行時のものです。