書店員向け情報 HELP
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
ビートルズを知らない子どもたちへ
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2009年9月
- 書店発売日
- 2009年9月5日
- 登録日
- 2010年2月18日
- 最終更新日
- 2015年8月22日
書評掲載情報
2009-11-22 | 産經新聞 |
MORE | |
LESS |
紹介
作詞家にして精神科医のきたやまおさむが、みずからのマスコミでの活動もふまえながら、1960年代に吹き荒れた「ビートルズ旋風」「ビートルズ現象」の深層をみずみずしい感性で読み解く!
ビートルズとは誰だったのか、あの〈革命〉とはいったい何だったのか、そして21世紀にビートルズは生まれるだろうか──。
1987年に発表された名著『ビートルズ』(講談社現代新書)、待望の新装復刊!
目次
まえがき
I 不幸で小さなビートルたち
すでに伝説だった
不幸な不幸なジョン
●年譜(1940.7.7~1956.3)
天才児は問題児である
四人兄弟
ロックという自己慰安
エルヴィスのくれたプレゼント
愛されたかったテディ・ボーイ
〈おさまらなさ〉の開花
II 三分間芸術の時代に
なぜバンドだったのか
三分間の隙間
彼らの下積み時代
●年譜(1956.7.6~1962.10.5)
現場即応修業
小さなスピーカーから
手から手へ
「もうひとりのビートル」たちの手へ
III 画面の黄金分割
ビートルズの、あの
●年譜(1963.1~1963.12)
画面の機会均等主義
彼らのプレイイング・マネージメント
四角い愛のルール
フォークとロックの媒介者として
「電車ごっこ」の時代
電車から降りるとき
労働者階級の英雄
シンデレラ物語の行く先
IV アメリカン・ヒーローの凱旋
アメリカ上陸
●年譜(1963.8.28~1966.6)
時代の穴埋めとして
ギヴ・ピース・ア・チャンス
死というパワー・システム
殺意を引き受けるヒーローたち
V ながら族の青春
放たれた矢のように
スウィンギング・ロンドンの新植民地(ニュー・フロンティア)
見捨てられた子の愛の伝説
ポップスの波に舞い上がる集団錯覚
●年譜(1955~1966.6.29)
武道館のビートルズ
「あんたがビートルズ」
〈ながら〉族の自由
ビートルズが教えてくれた
VI プレイ・バックはできない
編集され切り売られる実人生
メディア内人生へ
〈祭り〉の出番が来て
●年譜(1966.7~1967.12)
スタジオから、見えない世界ヘ
サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド
アップル・プレイイング・マネージメント
●年譜(1968.2~1968.11)
遊びながらの自主管理
《イムジン河》事件
●年譜(1969.1.19~1971.8)
ホワイト・アルバム
屋根の上のモダンが終わる
ビートルズは教えなかった
〈七〇年〉の曲がり角
「オイラいちぬけた」
VII 見えない冗談
アルファベットがただ七つ
ゴキブリーズ
おニャン子社会のビートルズ再入門
ノンセンスのセンス
笑われたアメリカ
記者会見で生まれる伝説
つくるナイナイ計画は
世界に小便ひっかけ
虚実皮膜の曲芸
あれは〈プレイ〉だった
「糞くらえ」「糞ったれ」
ビートルズを信用するな
それは少女のような無邪気さで
少女から女への〈初潮音楽〉
少年も少女のように
マネージャーの愛情
〈卒業〉──少女篇・少年篇
サイケデリック・ビートルズ
彼らがマリファナだった
昔、サーカスがあってね
欲望仕掛けの自動人形
VIII 愛こそすべてだったのか
ラヴ・ストーリーの終章へ向けて
そして誰もいなくなった
●年譜(1966.11~1980.12.8)
ポールとジョン
彼らに何があったのか?
ドキュメント『レット・イット・ビー』
ジョン・オノ・レノンの登録
ヨーコと僕らの三角関係
似てないどうしの愛
ヨーコ、大洋の子が僕を呼ぶ
気がついたらなにもかもが
ベッド・イン
狂おしいAIDSの唄の可能性ヘ
ビートルズの子どもたちはいま
何が笑われていたのか
一九八〇年十二月八日
IX ビートルズを知らない子どもたちへ
それは若ければ……
「ビートルズが動いた」
テレビ・アニミズムの新製品
〈聖なる一回性〉の神話
からくり知らずの魔法の箱
やってみたら面白かった
それはあまりにビッグな
「世界」を議論させるブランド・アイテム
〈ビートルズ百貨店〉の独創(オリジナル)
「元気です」
メディア現実の展開
ポスト・テレビ族の登場
ビデオ・プレイイング・マネージメント
ウソとホントの自己管理
「オーディションに受かったかな」
受け継がれた〈見かけ〉の黄金分割
若きプレイイング・マネージャーたちへ
脱(ポスト)モラトリアムとその後
これで本当におしまいです。あとは、
旧版へのあとがき
あの〈ビートルズ革命〉をもう一度 二十二年後のあとがきにかえて
前書きなど
ビートルズを知っている世代はもちろんであるが、ビートルズを知らない世代に向けてもそろそろビートルズについて書いてみたいと思う。
懐古趣味ではなく、現代の文化状況をかなり強く意識して、われわれのこれからのことに向けて書いてみたい。
しかし、じっさいあのときビートルズに飛びついたのはおもに女の子であったのに、あまりに男の立場で書いたビートルズ論が多すぎる。だから、もう少し、あのとき若すぎた彼女らの気持ちを汲みとったビートルズの話を書けないものだろうか。
すでに山ほどあるジャーナリストや評論家たちの本のなかに、新たになにかをつけ加えられるのなら、ビートルズの知られざる部分を私の想像と創造で埋めることを試みてみたいと思う。
彼らの音楽についてはレコードやCDを聴いてもらえればいいのだから、彼らの音楽を聴きながら読めるような本であってほしい。
同じ英語を話す人間の目からではなく、日本人として書いてみたい。それも評論家としてではなく、普通の、自己中心的な一ファンとして。当時多くの誤解をしたように、こんども勘違いをしながら。
ここではビートルズは記録ではなく、象徴なのである。
版元から一言
1987年に発表された『ビートルズ』(講談社現代新書)の初版から22 年。
「ビートルズを知らない子どもたち」とともに、あのとき世界中を吹き荒れた革命とはいったい何だったのかを、もういちど考えてみたい──きたやまおさむの強い思いがこめられた待望の新装復刊です。
上記内容は本書刊行時のものです。