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就学前教育の計画を学ぶ 松村 和子(著) - ななみ書房
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就学前教育の計画を学ぶ (シュウガクマエノケイカクヲマナブ)

教育
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発行:ななみ書房
B5判
並製
定価 2,000円+税
ISBN
978-4-903355-74-0   COPY
ISBN 13
9784903355740   COPY
ISBN 10h
4-903355-74-8   COPY
ISBN 10
4903355748   COPY
出版者記号
903355   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年12月21日
書店発売日
登録日
2017年11月17日
最終更新日
2021年9月30日
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紹介

新しい幼保連携型認定こども園制度では、多様な社会に合わせた保育形態を取入れ実践するために、従来の幼稚園教育要領および保育所保育指針を改訂する共に、保育課程を改め「教育及び保育に関する全体的な計画の作成」を行わねばならない。今までの保育所では、子どもたちの在園時間や日数は画一的に設定されていたが、これらの異なる子どもたちが同じ園で活動をするときに、整合性を確保させるにはどうしたらいいか、子どもたちだけでなく、子育て支援のあり方も同時に策定していくため、新たな法令に即した1冊。

目次

第1部 理論編
第1章 教育課程とは
  1 教育課程・全体的な計画(保育課程)および指導計画はなぜ必要か
  2 乳幼児期における教育課程・全体的な計画(保育課程)とはどのようなものか
    1 保育の基盤となる理想の子ども像(教育・保育目標)は
    2 理想の子ども像(教育・保育目標)に達成するための道筋
    3 保護者や地域の人達へ園のアピールをしよう
    4 教育・保育実践の評価をするときに /カリキュラム・マネジメント/
    5 教育課程・全体的な計画(保育課程)を編成する要件
      1 保護者の願い,地域の実情
      2 社会の変化 /社会に開かれた教育課程/
    6 教育課程の実際
  3 教育課程の歴史的な変化
    1 学校教育における教育課程とは
    2 教育課程,カリキュラムとは
    3 教育課程の歴史的背景
    4 新しいカリキュラムの考え方
  4 乳幼児期の教育・保育では
第2章 さまざまな教育課程
       /幼稚園教育課程・保育所保育課程の歴史を学ぶ/
  1 幼稚園教育課程・保育所保育課程の変遷
    1 戦前の幼稚園教育の考え方
      1 幼稚園教育の始まり
      2 幼稚園保育及設備規程(1899[明治32]年)
      3 幼稚園令(1926[大正15]年)
      4 託児所・保育施設の始まり
    2 戦後の幼稚園教育課程,保育所保育課程
      1 保育要領(1948[昭和23]年)
      2 幼稚園教育要領(1956[昭和31]年)
      3 幼稚園教育要領(1964[昭和39年)と
         保育所保育指針(1965[昭和40]年)
      4 幼稚園教育要領(1989[平成元]年)
      5 幼稚園教育要領(1998[平成10]年)
    3 幼稚園教育要領,保育所保育指針(2008[平成20]年)
      1 幼稚園教育要領の改訂
      2 保育所保育指針改定の歩み
    4 幼保連携型認定こども園教育・保育要領(2014[平成26]年)
    5 現在の幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型
       認定こども園教育・保育要領(2017[平成29]年告示)
  2 さまざまな教育課程・全体的な計画(保育課程)
      /保育実践の理論化,構造的把握について/
第3章 幼稚園の教育課程とは
  1 法律に示されている幼稚園教育の目的
  2 法律に示されている幼稚園教育の目標
  3 新幼稚園教育要領にみる新たな幼稚園教育の考え方
  4 教育課程の編成の例 /同じ教育目標を持つ同一学園の二つの園の場合/

  5 教育・保育実践の振り返りと教育課程の見直し /カリキュラムマネジメント/
  6 全教職員の共通理解及び保護者への公約
第4章 保育所の全体的な計画(保育課程)とは
  1 全体的な計画(保育課程)の作成
  2 全体的な計画(保育課程)を理解する法律的要件
    1 憲法,児童福祉法,児童憲章,児童の権利に関する条約
        (子どもの権利条約)などの基本的理解
  3 全体的な計画(保育課程)と指導計画
    1 保育における計画の持つ意味
    2 全体的な計画(保育課程)の基本的内容
    3 全体的な計画(保育課程)と指導計画との関係
    4 指導計画の内容(要素)
  4 全体的な計画(保育課程)の実例 /園全体の考え方=理念,方針,目標/
      実例 D保育園の全体的な計画(保育課程
         E保育園の全体的な計画(保育課程
  5 保育実践の評価と記録
    1 評価の意味
    2 全体的な計画(保育課程)から指導計画への循環性
    3 指導計画は仮説でもある
    4 保育実践における記録の意味
  6 保育所としての自己評価と地域・保護者への情報開示
    1 保育所としての自己評価
    2 地域・保護者への情報開示
第5章 幼稚園・保育所の生活と乳幼児の理解
  1 乳幼児期の生活
  2 保育の場での発達と一人一人の乳幼児の理解
  3 環境を通しての教育
  4 遊びを通しての教育 /その中の保育者の意図は?/
  5 主体的・対話的で深い学びのために
  6 幼児期の学びと小学校の学び /学びの連続性/
第6章 教育課程・全体的な計画(保育課程),指導計画を考える上で共通に必要なこと
  1 幼稚園教育要領における5つの領域/2018年施行に盛り込まれた点/
    1 健康の領域
    2 人間関係の領域
    3 環境の領域
    4 言葉の領域
    5 表現の領域
  2 小学校との連携 /幼児期の終わりまでに育ってほしい姿/
  3 延長保育,預かり保育
  4 保護者・地域との連携,子育て支援
第7章 全体的な計画(保育課程),指導計画を考える上で必要なこと
  1 乳児保育(0歳児保育)に関わるねらい及び内容
    1 基本的事項と新たに示された3つの視点
    2 ねらい及び内容
  2 1歳以上3歳未満児(1歳児,2歳児)の保育に関わるねらい及び内容
    1 基本的事項

    2 ねらい及び内容
  3 全体的な計画(保育課程)・指導計画の具体化をめざすために
      /保育内容・方法を考える/
    1 保育所の役割としての「養護と教育の一体性」ということ
    2 乳児保育(0歳児,1歳児保育)について配慮すること
    3 3歳未満児保育および健康・安全面での配慮
    4 子どもの主体性を尊重する保育
        /0,1,2歳児保育においてこそ大事にしたい視点/
 第2部 編成・作成編
第8章 教育課程の編成から長期の指導計画へ
  1 教育目標を設定する
    1 現在の状況を分析する /今の保育で良いのか/
    2 理想の子ども像は
    3 子どもの実際の育ちはどうなっているだろうか
    4 地域や社会の変化,保護者の願いについて考えてみる
    5 教育目標の再設定
  2 教育課程を編成する /長期の指導計画の作成へ/
    1 教育課程の編成
    2 長期の指導計画の作成
  3 教育課程・全体的な計画(保育課程)と指導計画の関係
  4 指導計画の指導とは
  5 長期の指導計画 /行事予定表を超えて/
第9章 短期の指導計画の作成
  1 短期の指導計画 /毎日の保育をデザインする/
      1 B幼稚園の週日案と日案(3歳入園当初)
      2 C幼稚園の週日案と日案
  2 指導計画の作成の手順と実践・評価
  3 振り返り /モニタリングとアセスメント/
  4 記録のとり方と評価(振り返り)についての新しい動向
第10章 全体的な計画(保育課程)を編成し,指導計画を作成する
  1 全体的な計画(保育課程)(0歳児~2歳児)を作成する
  2 全体的な計画(保育課程)の具体化=指導計画の作成
    1 0歳児~2歳児,指導計画の作成に向けて
    2 年,月,週,日課などの指導計画(0歳児~2歳児)
      年間保育計画例(0歳児 F保育園)
      月ごとの指導計画例(0歳児 G保育園)
      日課例(0歳児 H保育園 月齢別の生活,睡眠を中心に)
      2歳児の指導計画例 (J保育園 月の指導計画,週の指導計画)
 第3部 実践・評価
第11章 指導計画の実践
  1 指導計画を実践する
    1 保育者の動き,言葉かけを具体化する
    2 子どもたちの動きを予測し対応を考える
    3 環境の再構成
  2 保育を振り返る
    1 指導計画との関連で振り返る意味
    2 幼児理解を深める

    3 適切な教材選択をする
    4 環境構成を検討する
    5 援助を見直す
第12章 教育課程・指導計画のPDCAサイクル
  1 教育課程・全体的な計画(保育課程)の見直し
    1 幼稚園教育要領,保育所保育指針,幼保連携型認定こども園
        教育・保育要領との関連で
    2 園の方針との関連で
    3 地域の環境,園の環境との関連で
    4 子どもや保護者の実態との関連で
    5 職員研修との関連で
    6 学校評価との関連で
  2 指導計画のPDCAサイクル
    1 保育実践の充実を図るために
    2 記録の意味とその活用
    3 短期・長期の見通しの中で
    4 指導要録・児童要録
  資 料
   教育基本法   学校教育法(抄)   児童福祉法(抄)
   幼稚園設置基準   児童福祉施設の設備及び運営に関する基準(抄) 
   幼稚園教育要領   保育所保育指針(抄)   幼児期の終わりまでに
   育ってほしい姿   幼保連携型認定こども園教育・保育要領

前書きなど

4月始まってすぐに,私たち3人の中でこんな話がありました。
M:「今日,初めての『幼児教育課程総論』の授業で,この科目のイメージは?」
  って聞いたら
  「なんか,難しそう」「だって,漢字ばっかりだもん」「いっぱい勉強する
  ことあるらしいから…」って,学生が言うんですよ。
Ka:そうか,確かに漢字ばっかりね,「幼児教育課程総論」って(笑)
Ko:でも,教育課程・全体的な計画(保育課程)って,それぞれの園の個性
  が出ていて,面白いもんだがね。
Ka:それに,現場に立ったら,長期的な見通しがないといつもせっぱつまっ
  てたいへんですよ。
M:そうね,確かに子どもたちはかわいいし,毎日楽しい保育はできるかもし
  れないけど,この幼児期の教育がこの子たちのこれからの長い人生の基礎
  になるって考えたら,楽しいばかりじゃ済まないわよね。世の中どんどん
  変わっているし,AI(人工知能)の出現やコンピュータの進化で,この 
  10 年でなくなる職業があると聞くと,どんな幼児教育が必要なのかって,
  切実な問題ですよね。
Ko:農村と都市部とか,商業地域と住宅街とか地域によっても保護者の幼児
  教育に対する期待が違うだろうし,歴史的にも,20 年前の今の学生が幼
  児期だったころと今求められている幼児教育も違うだろうし。身の廻りに
  もグローバル化が押し寄せてきて,幼稚園や保育所の中にも外国籍の子ど
  もたちがふえましたよね。発達障がいって言葉もよく聞くし。
M:特に私立の場合は,その園の創立者の理念がそれぞれだから,園の特色が
  違いますよね。だから,その園その園で,教育課程・全体的な計画(保育
  課程)を作って「うちの園の教育はこんなふうにしますよ」ということを
  地域にアピールしないとね。その教育課程自体を幼稚園教育要領などの改
  訂の時にはしっかり見直さないと,社会から置いて行かれますね。
Ka:園の先生たちには,教育課程で自分の園がどのような子どもを育てたい
  かがわかっていると,目の前のクラスの子どもたちがどのように育ってい
  るか,照らし合わせることができますね。教育課程・全体的な計画(保育
  課程)に照らし合わせてみると子どもの育ちの様子がどうなっているか分
  かると思う。あ,先生たちにはGPS みたいなものね,教育課程って。
M:で,学生の立場から言えば,実習に行くときや就職のために見学するとき
  に,教育課程や全体的な計画(保育課程)を見せていただくと,その園の
  保育の特色がより分かるかもね。
Ko:そうそう,だから教育課程・全体的な計画(保育課程)を学ぶってこと
  は実際の保育をどうすすめるかについても,核心に迫ることなんだね。
M:オー,素晴らしい!核心ねぇ。音楽や造形,運動遊びやけんかの仲裁とい
  った保育技術や援助など直接子どもに関わることは,この教育課程・全体
  的な計画(保育課程)があってこそ適切な時期に生かして使うことができ
  るんですね。この教科は,保育技術の時間のような派手な楽しさ?はない
  けど,自分で園を創るって想像して勉強すると面白いかもね。

ということで,この教科書が生まれました。さあ,皆さんも自分の幼稚園,保育所を設立するつもりで,ご一緒に勉強いたしましょう。
 この本を作るに当たり,資料の提供や写真撮影に協力いただいた幼稚園・保育園,そして常に暖かく支えてくださり,写真も撮ってくださったななみ書房・長渡晃氏に心から御礼申し上げます。                  

著者プロフィール

松村 和子  (マツムラ カズコ)  (

1952 年生
お茶の水女子大学大学院家政学研究科修了・修士(家政学)
文京学院大学 教授

[著書等]
『4歳児の保育カリキュラム』チャイルド本社 2009(編著)
『記録を活かした幼稚園幼児指導要録の書き方』チャイルド本社 2009(共著)
『家庭支援論』建帛社 2010(編著)

[ひとこと]
教育課程・全体的な計画(保育課程)に基づいて指導計画を練る。そして子どもたちと日々新しく出会う。予想(仮説)が成り立つかどうか,スリルとサスペンスの毎日。だから面白くやめられないのかも。

近藤 幹生  (コンドウ ミキオ)  (

1953 年生
聖徳大学大学院博士後期課程修了・博士(児童学)
白梅学園大学 教授

[著書等]
『保育の哲学1,2,3』(ななみブックレットシリーズ)ななみ書房 2015 ~ 2017
『子どもと社会の未来を拓く 保育内容総論』青踏社 2017(編著)
『改訂 実践につなぐことばと保育』ひとなる書房 2016(共著)

[ひとこと]
子ども,職員,父母,地域とともに教育課程,全体的な計画(保育課程)を創りましょう。

椛島 香代  (カバシマ カヨ)  (

1961 年生
東京学芸大学大学院教育研究科修了・修士(教育学)
文京学院大学 教授

[著書等]
『実践で語る幼稚園教諭への道』大学図書出版 2010(共著)
『演習・人間関係』建帛社 2009(共著)
『保育記録を生かした幼稚園幼児指導要録の書き方』チャイルド本社 2009(共著)

[ひとこと]
子どもの理解を深め保育の充実を図るために,教育課程,全体的な計画(保育課程)を生かしましょう。

追記

保育所保育指針に基づき教育内容に沿った再編を行いました。

上記内容は本書刊行時のものです。