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生き物と幼児 石塚 百合子(著) - ななみ書房
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生き物と幼児 (イキモノトヨウジ)

教育
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発行:ななみ書房
B5判
88ページ
並製
定価 2,500円+税
ISBN
978-4-903355-71-9   COPY
ISBN 13
9784903355719   COPY
ISBN 10h
4-903355-71-3   COPY
ISBN 10
4903355713   COPY
出版者記号
903355   COPY
Cコード
C3037  
3:専門 0:単行本 37:教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2018年3月12日
書店発売日
登録日
2017年12月14日
最終更新日
2021年1月20日
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紹介

かつてあった自然環境は、生き物との関わり合いをそれほど考えなくてもいいぐらい豊富にあった物であった。
しかしその時代から子どもを取り巻く人的物的環境が大きく変化していく中で、今まで豊富にあった生き物との関わり合いの現象に危機感を覚え、勤務先の保育園で生き物と子どもの関わり合いを、カメラで撮りためはじめた。幼い子ども達が過ごす場所に生き物の存在は不可欠であると同時に、命のあり方を一緒に考える大人も必須であることを、保育園の事例を通じてまとめている。

目次

第1章 幼児と植物
 1 園庭で出会う植物
   1 ムクロジの木
   2 野草と遊ぶ
   3 植物と生き物は密接にかかわっている
   4 子どもは季節の変化を体験的に知っている
   5 畑のお助けマン
   6 七夕に向けて-古来の伝統行事と植物
   7 植物とのかかわりの素晴らしさを保護者に伝える
   8 どんぐり,柿の実
   9 冬の自然と子ども
    命の根っこを張るために
 2 遊びと労働
   1 芭蕉の林 
   2 雪のあとに
   3 寒さに負けずに
   4 地面再生プロジェクト! ―子どもたちと一緒に環境を創る
   5 ビオトープ池ができた!
   6 水たまり
第2章 幼児と生き物
 1 様々な生き物と関わる子ども達―あおい第一幼稚園の場合
   1 カメと3歳児
   2 ウサギと4歳児
   3 カイコと5歳児
   4 環境は生き物が影響しあい成り立っている
   5 アリと出会った5歳児
   6 アヒルとアイガモ
   7 二ワトリ
   8 モルモット
   9 ウサギのサマーハウス
 2 犬と幼児
   1 3頭の犬を飼育して学んだこと-コロとプーさんとアイビー
   2 犬が園児に与えたもの
   3 アイビーの死
     ◦子ども達の反応

     ◦卒園児・保護者の反応
   4 絵本「アイビー」の製作
第3章 幼稚園、保育園における生き物飼育 ー子ども達は生き物に出会っているのかー
 1 調査の目的と方法
 2 調査の結果
   1 飼育の有無
   2 飼育生き物の種類
   3 子どもの生き物へのかかわり方
   4 生き物の世話
   5 飼育以外の生き物との出会い
   6 生き物飼育で育つもの
   7 生き物飼育の困難性
 3 飼育調査から見えてきたもの
   1 幼稚園,保育園の生き物飼育についての意識の差
   2 昆虫飼育の長所と限界
   3 生き物の種類・地域の差によるかかわりの工夫
   4 子どもが命を感じる体験をするために
第4章 共に生きるために
 1 自然は美しいことばかりではない
 2 保護者はどう考えているか
   1 あおい第一幼稚園保護者の感想
   2 新潟市の幼稚園保護者の意識
   3 幼稚園保護者の意識調査から見えてきたもの
 3 共に生きる
   1 ハグの勧め
   2 冬を楽しむ
   3 草木塔
   4 緑のバトン運動
   5 多摩川の達人
   6 池のザリガニ
   7 保護者,地域との協力

前書きなど

私が子どもの頃,地域には保育園•幼稚園がありませんでした。でも里山を駆け回り季節の変化を全身で感じながら育ったことは,今の私の精神構造を形作っているといってもいいほど強い影響を受け,生きる力を与えられたと思っています。

 気持ちが落ち込んだ時など幼少時のそうした記憶が浮かび,再び力が湧いてくるのです。この記憶は生涯生きる力として私を支えてくれるに違いありません。高校生の時,授業で保育の仕事の素晴らしさを知り,専門学校で資格を取り保育園に就職しました。十年後,仕事の傍ら明星大学通信教育学部で1種免許を取りました。副園長を経て程なく幼稚園の園長になりましたが,その頃から子どもを取り巻く人的物的環境が大きく変化していく時代の様子に危機感を覚え,もっと学びたいと,白梅学園大学の大学
院に入りました。

 本書は,私が勤務するあおい第一幼稚園の幼児達が日々生き物や植物といかに深くかかわってきたか,それが子どものどういう育ちにつながっているか,また大人は,今何を考えなければいけないのかを,事例を通して保護者に伝えようと園便りにしたためていた保育の記録です。写真は園長の私と担任が,日常園庭や保育室で心が動いた時にカメラを向け撮りためたものの一部です。また3章は,大学院で修土論文(2014年度提出)に取り組んだものがベースになっており,他の地域の子ども達が,どのように生き物と出会い保育者や保護者はどの ように考えているのか調査したものです。幼稚園の敷地は,決して広くはありませんし周りの環境も自然に恵まれているとは言えません。その中で私達は一生懸命子どもが自然に触れることが出来る遊び場作りを心がけ,それは今も続いています。

 幼い子ども達が過ごす場所に生きものの存在は不可欠と考えていますが,同時に命の在り方を一緒に考える大人の存在も大切です。私たちは毎月1回,職員全員で子どもが育つ環境を考える会に参加し,実践した保育記録を持ち寄る勉強を40年間続けております。(保育と表現研究会代表:熊沢依子)若い保育者達も,子どもが見つめる先に小さな命の営みがあることに気づき,子どもの姿と共に見守ります。そして子どもの姿からたくさんのことを教わり保育者として成長していきます。保育者が切り取るスナップには子ども達の驚きと感動に共感する温かさがあふれています。私達人間が他の命をどう扱ったらいいのか答えはなかなか見つかりません。しかし子ども達が生き物に夢中になり,目を輝かせて見つめる姿を見る度に,同じ地球に生きる仲間が与えてくれる恩恵に感謝の気持ちでいっぱいになり,私達がなすべきことを考え続けています。

 今回の保育記録の上梓にあたり,子どもに寄り添い,共に見守ってくれた歴代のあおい第一幼稚園の職員の皆さまに限りない感謝を伝えたいと思います。また,白梅学園大学名誉教授の松本園子先生には大学院でご指導いただいて以来,本書についても励ましとご教示をいただきました。近藤幹生先生,福丸由佳先生には修士論文の副査としてご指導いただきました。ななみ書房・長渡晃氏には編集にあたりたくさんの助言を,そして白梅学園大学大学院の仲間からも多くの示唆を戴きました。最後に家族,今は亡き父と年老いた母に尊敬と感謝をささげたいと思います。

版元から一言

帯より

さまざまないのちと出会うと,子どもたちのいのちが輝き出すことを見事に示した本です。自然についての事典のような豊富な知恵は保育にたずさわる人たちに保育の面白さを示唆してくれています。(塩見稔幸)

著者プロフィール

石塚 百合子  (イシヅカ ユリコ)  (

白梅学園大学大学院修士課程修了
あおい第一幼稚園園長

上記内容は本書刊行時のものです。