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考える衣服 眞田 岳彦(著) - スタイルノート
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考える衣服 (カンガエルイフク) Conceptual Clothing (コンセプチュアル クロージング)

芸術
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A5変形判
160ページ
並製
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-903238-32-6   COPY
ISBN 13
9784903238326   COPY
ISBN 10h
4-903238-32-6   COPY
ISBN 10
4903238326   COPY
出版者記号
903238   COPY
Cコード
C0070  
0:一般 0:単行本 70:芸術総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2009年3月
書店発売日
登録日
2010年2月18日
最終更新日
2017年8月4日
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紹介

「ファッション」と「衣服」は同じでありながら異なるもの。「衣服」と「造形」を合わせ持つことで、多くのデザイナーが二十世紀のファッションとして進めてきた「人々のより豊かな暮らしのための衣服」を、どのように推し進めて行けるのか。「衣服×造形」とは、衣服を作る時に何かを考えてみること、もしくは、何かを考えて衣服を作ってみることを言う。すなわち「考える衣服」。類人猿がある日突然なにかを思い、手で物を作った。その時から類人猿は人間という動物に変化したと言われているが、さて、衣服は「考える」ことで、人々の暮らしをより豊かに変化させてゆけるのか?

イッセイ・ミヤケでファッションデザインを、英国で現代アートを学んだ著者が、繊維、色、技術、衣服を着る心理など、様々な側面から衣服とは何かを問いかけます。21世紀が必要とする衣服、アートとデザインの「際(キワ)」にある「考える衣服」とは……。

目次

序章
 衣服とは?
 「服の形」と、考える衣服

第1章 繊維
 繊維のイメージ
 繊維について
 毛並みの違いは育ちの違い
 獣羊毛をつかう

第2章 糸と布 yarn and fabric
 糸のことば
 紡ぎだす
 一本の糸が布になる
 水と摩擦がつくる布
第3章 色と光 color and light
 白が意味するもの
 黒と光
 命を染める
 捨て色

第4章 人と衣服 man and clothes
 なぜ人には体毛が無くなったのか?
 人はなぜ衣服を着たくなるのか?
 衣服の役割
 アクセサリーとバランス感覚
 箪笥(たんす)と衣服
 服で包むのか、服が包むのか

寄稿 藤森和美 臨床心理士   

第5章 プレファブ・コート prefab coat

寄稿 柏木博 デザイン評論家

 「衣服─概念の開放」造形作品からのデザインへの越境
 身体と生命のキワ/際
 コンセプトノート 身体と生命のキワ/際
 素材が織り成す、アートとデザインの交差
 産業デザインとしての活動
 Prefab coat 組み立てるように準備された衣服
 〈1〉哲学者とつくったコート 「D.I.S 2005 Prefab Coat」
    コンセプトノート D.I.S 2005 Prefab Coat
    「D.I.S 2005 Prefab Coat」プレファブ・コートへの展開ベース 2005 年
 〈2〉精神科医との勉強会を参考にしたコート 「T.M 2005」Prefab Coat
 〈3〉子どもの心のための展開 「C.P.P 2005」Prefab Coat
 〈4〉デザインプロダクト 「A.X 2005」Prefab Coat
 プレファブ・コートで実現させたかったこと

寄稿 信原幸弘 東京大学総合文化研究科・教授
  
第6章 フィールドプロジェクト  eld project

寄稿 財団法人せたがや文化財団 世田谷文化生活情報センター館長  高辻ひろみ

 フィールド・プロジェクト アイデンティティをさがして
 心が動く、心をつなぐ
 ウール・イン・ウール 岩手県 羊毛
 アンギン・プロジェクト 新潟県 苧麻
 フィールド・プロジェクトから拡がる交流  越後アンギン学習会
 日本人と稲穂
 丸の内(稲穂)デザイン・プロジェクト  都会と棚田を結ぶ~
 こころを継ぐデザイン   衣食と場を装う

寄稿 岡副真吾 日本料理 金田中 若主人

 セタガヤーンプロジェクト
 コンセプトノート 「生活工房」から始まること “豊かなこころ”
 なぜ木綿なのか

第7章 エデュケーション education

 次世代の育成とは
 学校ではない場所で教える
 紡いでみせると学生たちは黙る
 眞田塾と私

第8章  生命を感覚する sense of life

寄稿 片岡真実 森美術館シニア・キュレーター/ヘイワード・ギャラリー インターナショナル・キュレーター

 感覚するアートから感覚するデザインへ
 制作の先には
 遷移 「あの生まれ出るような感覚」
 「生命とはなにか」幾つかの側面から考察を重ねる

1 身体の内側から生命を探る
   「遷移」のためのコンセプト1「生命(いのち)を移す」
   「遷移」のためのコンセプト2「手」
   連感 想像が生命を与える
   衝/動 

2
 身体の外側から生命を探る
   人光 309±10
   上から下
   紫から赤

第9章 考える衣服 衣服×造形 clothing × concept

 衣服を考えると?
 アートとデザインのゆるい関係 
 気候風土と衣服の造形
 考える衣服

あとがき
活動年表

前書きなど

「ファッション」と「衣服」は同じでありながら異なるもの。二十代の頃そう考えた私は、今「衣服造形家」として仕事をしています。では、「衣服」と「造形」を合わせ持つことで、多くのデザイナーが二十世紀のファッションとして進めてきた「人々のより豊かな暮らしのための衣服」を、どのように推し進めて行けるのでしょうか。「造形」とは、人が手で物を生み、伝えることを言います。ラスコー洞窟などを見ますと、約二万五千年前の人はすでに絵を描くことで何かを伝えようとしていました。そして今日では、「造形」は、単に物を作るという意味にとどまらず、何をどう作りたいかを考えて物を作ることを指すようになりつつあると思います。つまり「衣服×造形」とは、衣服を作る時に何かを考えてみること、もしくは、何かを考えて衣服を作ってみることを言うのだと思っています。「考える衣服」……何やら難しく感じるかもしれませんが、例えば「今日は何を食べようかな」と毎日考えることと同じです。意識的に考えたことに限らず、ふと感じたこと知りたいと思ったことなど、何かを考えたその先に私の衣服や造形作品も生まれています。自然界から食物を得るだけの生活をしていた類人猿がある日突然なにかを思い、手で物を作った。その時から類人猿は人間という動物に変化したと言われていますが、さて、衣服は「考える」ことで、人々の暮らしをより豊かに変化させてゆけるのでしょうか?この本では、そんなことを皆さんと一緒に考えてゆきたいと思っています。

版元から一言

本書のカバーは非常に珍しい作りになっています。_トーメイ新局紙_という特殊な透ける紙を使用。バーコードや社名は紙の表から刷られていますが、裏側から逆さまに刷られている文字、折り返された部分に刷られている文字などがお互いに透けて見え合って構成されています。

目にしたお客さまが「何これ?どうなってるの?」と思うに違いありません。様々な種類の_白_がかけあわされた、見る者をひきつけるカバーです。ぜひご覧ください。

著者プロフィール

眞田 岳彦  (サナダ タケヒコ)  (

衣服造形家  Clothing designer / Artist

眞田造形研究所代表、女子美術大学特任教授、眞田塾主宰

愛知県立芸術大学彫刻専攻、東北芸術工科大学美術科、武蔵野美術大学空間演出デザイン学科、

桑沢デザイン研究所総合デザイン科等の非常勤講師

1962 東京都生まれ

1985-92 ISSEY MIYAKE INC. 勤務

1992-95 英国滞在、美術、造形技術を学ぶ(93 年 北極圏グリーンランド滞在)

1993-95 ロンドンにスタジオを持つ  

1994 英国人彫刻家Richard DEACON の助手

1995 東京にスタジオを設立し独立

2001- 女子美術大学特任教授

2002- 眞田造形研究所有限会社設立

2003- 眞田塾設立

上記内容は本書刊行時のものです。