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新生児マス・スクリーニングの歴史 笹谷 絵里(著) - 洛北出版
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新生児マス・スクリーニングの歴史 (シンセイジマススクリーニングノレキシ)

社会一般
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発行:洛北出版
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ23mm
重さ 372g
368ページ
並製
定価 2,600円+税
ISBN
978-4-903127-28-6   COPY
ISBN 13
9784903127286   COPY
ISBN 10h
4-903127-28-1   COPY
ISBN 10
4903127281   COPY
出版者記号
903127   COPY
Cコード
C0036  
0:一般 0:単行本 36:社会
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2019年9月19日
書店発売日
登録日
2019年8月9日
最終更新日
2021年9月1日
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紹介

自分の、相手の、遺伝情報を知ったとき……、
子どもを、産んでほしい? 産みたい?
 「新生児マス・スクリーニングとは、子どもを対象とした、その疾患の早期発見・早期治療を目的とする医療事業・制度であると、ひとまずはいえるかもしれません。また、新生児マス・スクリーニングについての従来からの一般的認識も、これと大きく違ったものではないでしょう。
 しかし、この本では、この一般的認識に対して、疾患の遺伝子情報をもつ保因者である親を検出し特定する検査(遺伝学的検査)という視点から、新生児マス・スクリーニングの内実をあらためて考察します。
 この遺伝学的検査という、いわば今までは影であった部分に照明をあてることによって、別の現実を、ほんのわずかかもしれませんが、追体験することができるのではないかと思っています――つまり、検査で子どもに疾患があると分かった場合、その親は、疾患の遺伝情報の保因者として、疾患をもつ子どもをふたたび産む「恐れ(リスク)のある」存在とみなされるという現実です。
 新生児マス・スクリーニングの進展と普及は、子どもの検査とされながらも、同時に、親の遺伝情報の検査としても機能してきた歴史でもあります。その歩みの一端を、本書において、遺伝学的検査としての新生児マス・スクリーニングという視点から、少しでも明らかにできればと、そう強く思っています。」―― 本書の「序章」より。

目次

序 章 この本について、背景について
 ・なぜこの研究をするのか
 ・先行研究について
 ・本書の構成
 ・日本の母子政策の歴史

第1章 新生児マス・スクリーニングはどのように始まったのか
 ・先天性代謝異常症への視線
 ・出生前診断の対象となるまで
 ・新生児マス・スクリーニングと医学
 ・新生児マス・スクリーニングの導入へ

第2章 新生児マス・スクリーニングと特殊ミルク
 ・特殊ミルク開発の前史
 ・追跡調査は何を明らかにしたのか
 ・特殊ミルクは「医薬品」か「食品」か?
 ・なぜ「医薬品」になったのか――糖原病の特殊ミルク
 ・フェニルケトン尿症の治療とは

第3章 新生児マス・スクリーニング、出生前診断、そしてDNA診断へ
 ・優生保護法と保因者の出生予防
 ・出生前診断の展開
 ・フェニルケトン尿症の出生前診断の実用へ
 ・フェニルケトン尿症とDNA診断の模索

第4章 新生児マス・スクリーニングへの抗議
 ・運動の始まり――母子保健法改正反対運動と「大阪連絡会」の成立
 ・大阪連絡会の疑義
 ・厚生省との交渉――研究班の動向
 ・大阪府との交渉――大阪連絡会の応答
 ・大阪府への公開質問状――研究班の最後

第5章 タンデムマス法はどのように導入されたのか
 ・タンデムマス質量分析計の開発
 ・新生児突然死症候群との関連
 ・なぜ候補から消えたのか――ガスクロマトグラフィー質量分析計
 ・試験研究で何がわかったのか――タンデムマス質量分析計
 ・遺伝子診断の導入
 ・タンデムマス法、未解決の課題
 ・導入の問題点――二〇一四年のタンデムマス法

終 章 親の遺伝情報の検査

あとがき/ 註/ 参考文献/ 索引

前書きなど

 新生児マス・スクリーニングとは、子どもを対象とした、その疾患の早期発見・早期治療を目的とする医療事業・制度であると、ひとまずはいえるかもしれません。また、新生児マス・スクリーニングについての従来からの一般的認識も、これと大きく違ったものではないでしょう。
 しかし、この本では、この一般的認識に対して、疾患の遺伝子情報をもつ保因者である親を検出し特定する検査(遺伝学的検査)という視点から、新生児マス・スクリーニングの内実をあらためて考察します。
 この遺伝学的検査という、いわば今までは影であった部分に照明をあてることによって、別の現実を、ほんのわずかかもしれませんが、追体験することができるのではないかと思っています――つまり、検査で子どもに疾患があると分かった場合、その親は、疾患の遺伝情報の保因者として、疾患をもつ子どもをふたたび産む「恐れ(リスク)のある」存在とみなされるという現実です。
 新生児マス・スクリーニングの進展と普及は、子どもの検査とされながらも、同時に、親の遺伝情報の検査としても機能してきた歴史でもあります。その歩みの一端を、本書において、遺伝学的検査としての新生児マス・スクリーニングという視点から、少しでも明らかにできればと、そう強く思っています。(本書の「序文」より転載)

版元から一言

 新生児マス・スクリーニングとは、赤ちゃんに先天的な疾患があるかどうかを検査し、治療する医療事業のことです。
 現在、ほとんどの新生児が、この検査を受けています。
 しかし、もし子どもに疾患があった場合、その親は、疾患の遺伝情報の保因者として、疾患をもつ子を再び産むリスクのある人だと見なされる現実もあるのです。
 この本は、子どもの検査とされながらも、親の遺伝情報の管理=出生防止としても機能してきた「新生児マス・スクリーニングの歴史」を、くわしくえがいています。

著者プロフィール

笹谷 絵里  (ササタニ エリ)  (

1982年生まれ。博士(学術)。現在、花園大学社会福祉学部専任講師。専門は、小児保健、医療史、生命倫理。論文(単著)として、「新生児マス・スクリーニングに対する意識――出産女性の遺伝情報に対する語りから」(『Core Ethics』vol.14、2018年)、「都道府県及び指定都市の新生児マス・マススクリーニングの認識――タンデムマス質量分析計の導入と検出疾患の拡大に着目して」(『保健医療者社会学論集』、第30巻・第1号、2019年)ほか。

上記内容は本書刊行時のものです。