書店員向け情報 HELP
出版者情報
書店注文情報
在庫ステータス
取引情報
現代の経済社会と福祉社会の展望
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2013年5月
- 書店発売日
- 2013年6月15日
- 登録日
- 2016年5月27日
- 最終更新日
- 2018年3月1日
目次
はしがき
第1章 近代社会と経済社会問題
1節 近代社会の特徴
2節 自由主義の構想
3節 自由主義の限界
4節 労働者問題
第2章 経済社会政策の展開と福祉国家の成立
1節 干渉主義の経済社会政策
2節 社会保険の拡大と普及
3節 進展する国家介入と社会保障の構想化
4節 福祉国家体制の確立に向けて
第3章 福祉国家体制とその政策体系
1節 二元秩序としての福祉国家と経済政策
2節 成長と分配の総合政策
3節 雇用・経済安定化政策
4節 社会保障政策
第4章 経済社会体制と政策思想の諸系譜
1節 新自由主義の政策思想
2節 新社会主義の政策思想
3節 福祉国家体制の理念と現実
4節 福祉国家批判の展開
第5章 福祉国家の挫折から福祉社会へ
1節 福祉国家の経済的諸問題
2節 社会保障の困難の増大
3節 新しい社会問題
4節 福祉社会にむけて
第6章 福祉社会と労働生活
1節 労働社会と福祉国家
2節 転換する労働社会と福祉国家の危機
3節 労働生活の新たな形成
4節 福祉社会の創造と働くことの未来
第7章 NPO・家族・コミュニティと福祉社会
1節 共助領域における中間組織
2節 NPOの現状と活動を支える仕組み
3節 家族の機能と支援策
4節 自治会と地域コミュニティ形成
第8章 福祉社会の経済倫理的基盤
1節 近代社会と経済倫理
2節 市場経済の経済倫理的諸問題
3節 福祉国家の経済倫理的諸問題
4節 福祉社会の経済倫理的基盤
前書きなど
神戸大学大学院経済学研究科と縁の深い研究者を中心にして、われわれが類似した表題をもった書物を刊行するのはこれで三冊目となる。その間にほぼ四半世紀が経過し、経済社会は大きく変貌するとともに、福祉国家をめぐる環境は激変してきた。
最初の書物である『福祉国家の歴史と展望』(法律文化社、1988年)を出した当時は、福祉国家の諸問題が顕在化し従来の路線を踏襲することが困難になり始めてはいたものの、未だその転換の方向はそれほど明確ではなかった。福祉国家の危機のみが声高に叫ばれる状況であったといってよい。とくにわが国においてはこうした問題意識はまだまだ希薄であった。二冊目の『福祉国家の転換と福祉社会の展望』(高菅出版、2001年)においては、その方向性が「福祉社会」とならざるを得ないことが次第に明瞭となったけれども、その具体的な姿は未だ見極めがたく、多くの曖昧さが残されていた。そして本書をだす現在においては、転換の方向性がいっそうはっきりとしただけではない。本書の内容が示しているように社会の至る所でその具体化の試みが実践されるようになっているのである。この意味で福祉社会はすでに部分的に現実となっている。
上記内容は本書刊行時のものです。