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おきなわ湧き水紀行 ぐしともこ(著) - ボーダーインク
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おきなわ湧き水紀行 (オキナワワキミズキコウ) 散策・樋川と井戸 (サンサク ヒージャートカー)

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四六判
192ページ
並製
価格 1,600円+税
ISBN
978-4-89982-310-0   COPY
ISBN 13
9784899823100   COPY
ISBN 10h
4-89982-310-X   COPY
ISBN 10
489982310X   COPY
出版者記号
89982   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2016年11月
書店発売日
登録日
2016年11月18日
最終更新日
2016年11月18日
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紹介

 沖縄の湧き水に親しみ、その生活文化、魅力を発信してきた著者が、えり抜きの湧き水を紹介。こんこんと湧きでる樋川・井戸は沖縄の人々の生活になくなてはならない、シマの宝ものといえる存在です。「沖縄湧き水FUN倶楽部」代表として、またラジオや講演会活動を通じて発信してきた著著が、その秘めた魅力をこつこつと書きためたエッセイ。豊富な写真と地図掲載。沖縄にある多くの湧き水に出会うきっかけとなって下されば幸いです。
 沖縄の小さな旅にでかけたくなる一冊です!

目次

はじめに 


   南部(沖縄島)の湧き水

垣花 樋川  万人に愛される名水 南城市玉城 

受水 走水  親田御願で春の訪れを感じる 南城市玉城

チチンガー  火と水のものがたり 南城市大里 

小谷の3つのカー  小谷まーい 南城市佐敷 

大名ヒージャー  釣瓶おとしの井戸 南風原町大名 

嘉手志川   古の伝説を今に伝える 糸満市大里 



   中部(沖縄島)の湧き水


仲間樋川  水も命も輝く季節 浦添市仲間 

澤岻樋川  お水取り行事への思い 浦添市沢岻と国頭村辺戸 

ヒャーカーガー  田芋を育む豊かな湧き水 宜野湾市大山 

安里ムラガー  人知れずひっそりとそこに湧く 中城村安里 

荻道・大城湧水群  湧き水もまちも変わる 北中城村荻道・大城 
ウェンダカリガー  井戸端会議とまどろむ猫 読谷村座喜味

高離りの井戸群  ついに見つけた「億」のカー うるま市宮城島 

犬名河  結婚、やめちゃおっかなぁ、イチハナリ恋の歌 うるま市伊計島 

   北部(沖縄島)の湧き水


金武大川、慶武田ガー  湧き水fun倶楽部とともに 金武町金武

潮平川  スイカを冷やした夏の思い出 名護市屋部 

手水川  「手水の縁」ゆかりの恋物語 名護市許田

本部大川  馬が見つけた井戸 本部町具志堅 

兼次ウィヌハー  ひとつなんて選べない郷土愛 今帰仁村兼次 


   那覇の湧き水

龍樋  水を司る龍の謎  那覇市首里 

佐司笠樋川  平和を繋ぐロイヤルデザイン 那覇市首里 

識名・上間・真地・繁多川のカー  水と共に歩んだ地域 

シグルガー  羽衣天女が舞い降りた井戸 那覇市銘刈 

湧田井  今はなき我が家の産井 那覇湧田 

落平樋川  海を越えて運ばれた水 那覇市垣花 7


   島じまの湧き水

上之井戸  泡盛造りにも使われる美味しい水 伊平屋村島尻 

阿嘉ウフガー  若水汲みの情景 座間味村阿嘉 

嘉手苅川  松明を灯し身を清めた水 渡嘉敷村渡嘉敷 

ムイガー  姉妹より聞く物語 宮古島市城辺 

ヌクの湧き水  日本最西端の湧き水たち 与那国町 


    おわりに 

前書きなど

 沖縄各地の村々を散策していると深く感じることがある。湧き水(井戸・樋川)は、沖縄の暮らしを、ずっと支え続けてきたのだなぁと。飲み水としてはもちろん、野菜を洗ったり、洗濯したり、農作業のあとに馬を浴びせたり。人々の信仰の対象となるような、古くからある見事な石造り井戸・樋川たちのたたずまいは時を超えた存在感がある。そして
実際訪ねてみてわかるのは、湧き水は、楽しい場所だということだ。

 私は、以前パーソナリティとして担当したラジオ番組「多良川うちなぁ湧き水紀行」の取材で県内の湧き水を訪ね、多くの方々にお話を伺った。10年間、北は伊平屋村から日本最西端の与那国島まで、水道がまだしかれていない頃の生活の様子や、地域の歴史や文化、自然の大切さ、環境問題、防災・減災のための水の重要性など様々な視点から見えてくることが多くあった。

 すっかり湧き水の魅力にとりつかれた私は、番組終了後、湧き水に関する情報収集と発信を目的に、初代パーソナリティのごやかずえさんと一緒に「湧き水fun倶楽部」を立ち上げた。意外なことに湧き水に関心がある人は多く、私の住んでいる浦添市の湧き水マップの作成、湧き水に関する歴史や文化、防災、環境等の情報をまとめた冊子作り、湧き水に関して学ぶ講座やイベントの開催、沖縄の湧き水をカルタにして次世代に伝える試みなど、現在も十数名の仲間達と活動を続けている。

 そんな私が、数ある沖縄の湧き水たちのなかからほんのごく一部だけど、お気に入りの井戸、大好きな樋川のことをエッセイとしてまとめたのが本書である。湧き水fun倶楽部の活動もふくめて、ピクニック気分で水遊びにいったり、季節の行事に合わせて訪れたりと、今回執筆するにあたって、あらめて湧き水に足を運び過去の取材テープを聞き資料を読み込んだ。字誌や文化財のパンフレットに記載されている情報も大事だが、実際に訪ねた中で、その土地の雰囲気や、話をしてくださった方が大切に思っていること、そして何より私がその場で感じたこと、他の資料には記されていないことをできるだけ残しておきたいと思った。この本を読んで下さった方が身近にこんなにたくさんの湧き水があることを知り、実際に足を運び、五感を通して様々なことに気づき、これからも沖縄の宝として湧き水を大切にし、いつまでも清き水がこんこんと湧く島であってほしい……そんな願いをこの本に込めた。

著者プロフィール

ぐしともこ  (グシトモコ)  (

那覇出身。浦添市在住。
1998年から2008年の10年間、ラジオ沖縄で放送された「多良川うちなぁ湧き水紀行」のパーソナリティとして、県内の約400カ所のカー(湧き水)を訪ねて取材。
番組終了後、2010年、湧き水に関する情報収集と発信を目的とした『湧き水fun倶楽部』を結成。代表として活動中。

上記内容は本書刊行時のものです。