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a:9:{s:12:"shoshi_title";s:28:"沖縄まぼろし映画館 ";s:11:"shoshi_isbn";s:17:"978-4-89982-265-3";s:16:"shoshi_publisher";N;s:11:"description";s:153:"貴重な写真多数!沖縄各地の映画館をめぐるルポルタージュと通史。「娯楽の殿堂」から見る沖縄の戦後復興史。";s:6:"author";s:31:"平良竜次(著/文)…他1名";s:10:"publishers";s:21:"ボーダーインク";s:9:"publisher";N;s:9:"productor";s:21:"ボーダーインク";s:12:"release_date";i:1417359600;}

沖縄まぼろし映画館

芸術 ラノベ

平良竜次(著/文), 當間早志(著/文)
発行:ボーダーインク

A5判   184頁  並製
定価 1,800円+税

ISBN 978-4-89982-265-3   C0074
在庫あり(出版社情報)

奥付の初版発行年月 2014年11月
書店発売日 2014年12月1日
登録日 2014年11月17日

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紹介

第二次世界大戦で大きな被害を受けた沖縄で、傷ついた人々の心をいやしたのが芝居や映画などの芸能文化であった。役者たちによる芝居公演は行く先々で熱烈な歓迎を受け、収容所を巡回して行われたフィルム上映は、苦しい捕虜生活を送る人々にひとときの娯楽を提供した。

やがて、芝居や映画のための露天劇場がつくられ、さらにテント屋根、瓦葺き、木造の館ができ、沖縄は映画の黄金期に向かって走りだす。宮城嗣吉・高良一・国場幸太郎・宜保俊夫ら、希代の〈映画人〉たちの活躍もあって、1960年のピーク時には館数が120に至ったという。

館のある周辺は多くが繁華街として賑わい、「国際通り」「沖映通り」などのように、通りの名称を映画館からちょうだいしたケースも多い。映画館は沖縄の復興を名実ともにリードしたと言えるだろう。

本書はそうした沖縄の映画興行史がよく分かる「通史」から始まる。本編では、映画館の跡地をめぐる旅や現存する映画館の取材、ならびに関係者への聞き取りによって書かれたルポルタージュが50編。当時の様子がわかる貴重な写真も数多く掲載されている。

さらにコラムとして、映画史を語るうえで欠くことのできない〈沖縄映画人〉らの逸話も収録した。

戦後オキナワの活気、映画人らのドラマティックな活躍、映画館の栄枯盛衰とノスタルジー。「娯楽の殿堂」をめぐる思いがたっぷり詰まった一冊。

目次

まえがき 
『沖縄まぼろし映画館』マップ 

『沖縄まぼろし映画館』通史 

【那覇・南部篇】
首里劇場/アーニーパイル国際劇場/平和館/国映館/桜坂シネコン琉映/オリオン座(桜坂オリオン座)/グランドオリオン/沖映本館/沖縄東宝劇場(大宝館)/南映劇場(南映館)/開南琉映館/大洋劇場(琉球映画劇場)/中央劇場/沖縄劇場(栄町琉映館)/あけぼの劇場/寄宮国映館/首里有楽座/安謝劇場/ペリー劇場/小禄劇場/糸満映画館通り/新世界館/馬天劇場/西原劇場 
  
【中部篇】
ピカデリー国映館/パルム座/島袋琉映館/ゴヤオリオン座/中部沖映館/コザ琉映館/第一セントラル琉映館/十字路オリオン座/「浦添琉映館」と「浦添沖映館」/浦添オリオン座/普天間琉映館/フォスターシアター/謝苅琉映館/ナポリ座/桃原劇場/嘉手納沖映館/嘉手納国映館/平良川琉映館/屋慶名琉映館/平安座劇場/石川琉映館

【北部篇】
金武琉映館/名護琉映館/本部沖映館/今帰仁沖映館/辺土名劇場
 
【コラム】映画人烈伝
1 宮城嗣吉/2 高良一/3 国場幸太郎/4 宜保俊夫 

あとがき 
取材協力/参考資料・文献/参考ウェブサイト
[補遺]簡易年表 

前書きなど

映画館は戦後復興のシンボルだった   當間早志(NPO法人シネマラボ突貫小僧)
まず、本書は、映画研究家・山里将人氏の尽力によってまとめられた沖縄映画興行史の研究がベースになっているということを宣言する。
山里氏は、僕が大学の映画研究会時代からお世話になっていた方だが、にわかに親交が深まったのはそれから十年以上経った二〇〇〇年からである。当時、僕はWEB用の沖縄映画データベースの監修を務めており、その仕事で山里氏に取材したことがキッカケであった。ちょうど山里氏は『アンヤタサ!戦後・沖縄の映画1945〜1955』(二〇〇一年、ニライ社)の執筆の時期で、それの元となる正確な映画史を作るための資料の照合・整理も、少しだけお手伝いさせていただいた。
その内容は興行史が中心で、作品にしか興味のない当時の僕にとっては、全くと言っていいほど食指が動かない分野だった。最初は仕事の一環として真面目に取り組んだだけであったが、この調査の奥深さに気づいていく内にジワジワと面白みが湧いてきた。そこを山里氏はお気に召したようで、『アンヤタサ!』の出版から数年後、「僕はもう高齢だから、あとは若いキミらに託す!」とおっしゃって、大量の資料を提供してくださったのだ。唯一無二の山里氏の貴重な研究を引き継いだ僕らは、使命感で心が引き締まる思いがした。


忘れがちな過去にあえて目を向けて  平良竜次(NPO法人シネマラボ突貫小僧)
かつて沖縄には、そこかしこに映画館が立ち、どの小屋も連日、大勢の観客で押すな押すなの盛況を博していたという。ピーク時の一九六〇年には、その数なんと百二十館に達した。
にわかには信じられない話である。
戦争、そして異民族統治の圧政で苦しんだ名も無き庶民の心を癒してくれた映画館の歴史を記録していくことで、ウチナーンチュの持つ力強さやしたたかさを次世代に受け継ぎたい。それこそが、この島に住む一映画ファンの務めだと思うのだ。
この島で生まれ、まぼろしのように消えた映画館を探す旅は始まったばかり。しばしお付き合いの程を。
                          (以上、まえがきより抜粋)

版元から一言

沖縄本島各地にあった映画館から、50カ所を探訪したルポルタージュ。貴重な写真も多数掲載されている。
沖縄に戦後はじめての映画館ができてからすでに70年近くが過ぎた。栄枯盛衰を経て、今は存在しない映画館がほとんどであり、詳細な記録も残されていない。著者らの調査は、古い写真や地図・書籍・新聞などに残された足跡と、実際の現場調査を照らし合わせる形で行われた。まだまだ調査は継続中だが、その膨大かつ緻密な作業のひとつの成果として誕生したのが本書である。映画館から見る沖縄戦後史として、あらたな視点を提供してくれるだろう。

著者プロフィール

平良竜次(タイラリュウジ)

「NPO法人シネマラボ突貫小僧」代表。1974(昭和49)年、「首里劇場」から約800メートル離れた首里金城町に生まれる。高校3年生で「映画サークル突貫小僧」に参加、映画評論や紹介文を書くようになる。その後、週刊レキオ社で原稿書きや写真、DTPを学ぶ。退社後はライターやカメラマンをしつつ、「シネマラボ突貫小僧」の活動を今に至るまで続ける。現在「首里劇場」から約400メートル離れた首里赤平町に暮らす。

當間早志(トウマハヤシ)

映画監督・映像作家。1966(昭和41)年生まれ、那覇市小禄出身。「映画サークル(現・シネマラボ)突貫小僧」創立メンバーで、映画に関しては批評、上映、製作…など、あらゆることをそれなりにこなせる器用貧乏。1999年に開催した「アメリカン・ショート・ショート映画祭」の第1回の実行委員長。監督作品に『はれ日和』(1988年)、『パイナップル・ツアーズ』(1992年)、『探偵事務所5・マクガフィン』(2006年)、『琉球カウボーイ、よろしくゴザイマス。』(2007年)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。