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戦後日本の麦政策と農協麦類共販
“もう一つの道”はありえたか
- 初版年月日
- 2012年6月
- 書店発売日
- 2012年7月1日
- 登録日
- 2012年6月6日
- 最終更新日
- 2015年9月7日
紹介
そもそも日本で栽培が不適とされていた小麦がなぜ振興されたのか。そして、大麦・裸麦を中心とした麦作再編の方向はありえたのか。本書は、その展開に重要な役割を果たした農協による共同販売に焦点を当て、「小麦中心主義」と「麦作安楽死」の過程とその背景を分析する。
目次
序章 課題と方法
第1節 本書の問題意識と課題 第2節 持田恵三の麦作研究と「日本麦作の宿命」 第3節 研究の視角-日本麦作・麦政策の「小麦中心主義」と農協麦類共販批判- 第4節 研究の方法 第5節 本書の構成
第1章 農協麦類共販の展開論理と日本麦作の特殊性
第1節 はじめに 第2節 麦類の間接統制移行と農協系統共販 第3節 麦類共販の展開構造-麦類の農協委託率と産地の関係- 第4章 小麦多収品種の全国的普及展開と国内産小麦劣位構造の固定化 第5節 小括
第2章 ビール麦契約栽培の展開過程
第1節 はじめに 第2節 ビール麦契約栽培の仕組み 第3節 高度経済成長下におけるビール消費量の増大とビール麦市場の拡大 第4節 ビール麦価格機構の仕組みとその性格 第5節 ビール麦生産地の展開構造 第6節 小括
第3章 ビール麦契約栽培における劣等地問題-主産地内劣等地における紛争の発生構造と稲敷郡ビール麦紛争-
第1節 ビール麦系統共販運動前史としての稲敷郡ビール麦紛争 第2節 ビール資本による原料独占の歴史的性格-原料地盤制度の成立過程- 第2節 稲敷郡ビール麦紛争の発生構造 第3節 小括
第4章 ビール麦系統共販の展開論理
第1節 ビール麦契約栽培の構造とビール麦系統共販運動参加県の動向 第2節 主産地における系統共販運動の展開過程-埼玉県を事例として- 第3節 小括
第5章 ビール麦系統共販運動の意義と限界 第1節 暫定協定の締結過程と協定締結における争点の浮上 第2節 荷見・山本協定の交渉過程 第3節 政府のビール麦国内完全自給方針と系統共販体制下におけるビール麦栽培の動向 第4節 小括
第6章 麦類の生産・流通・政策における農協系統共販論理の貫徹と日本麦作の崩壊
第1節 はじめに 第2節 麦類間接統制システム位置づけと農協麦類系統共販の依存関係 第3節 前-農業基本法期における麦政策構想の2つの潮流 第4節 「麦研究会」の麦作再編政策の史的可能性 第5節 振興局試案と戦後麦政策硬直化の論理-農協系統共販論理の貫徹- 第6節 戦後麦作史における“もう一つの道”の模索-食糧庁試案の可能性と精麦工業の過剰設備整理事業の意義と限界- 第7節 小括
終章 議論の総括
上記内容は本書刊行時のものです。