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安岡正篤先生と禅
- 初版年月日
- 2017年3月15日
- 書店発売日
- 2017年3月15日
- 登録日
- 2017年3月14日
- 最終更新日
- 2017年3月18日
紹介
安岡正篤先生は禅にも造形が深かった。 僧籍にあり、 安岡先生の著作を愛読する著者が自らの体験をもとに先生が親しく語った儒学者や禅僧の生き方や思想を分かりやすく解説。
目次
推薦の言葉……………………………………………………………………………(荒井 桂) 1
まえがき 4
第一章 禅的工夫 27
1 『経世瑣言』に見る仏典 27
2 『東洋の心―被教育者の回想』― 中学時代に遡る禅的体験 30
3 『童心残筆』雲水―行脚に挑戦 33
(1)安岡青年、心の葛藤 33
(2)『維摩経』舎利弗―真の坐禅とは 35
(3)『碧巖録』雪峯盡大地 37
(4)六日間の雲水行脚 39
4 『漢詩讀本』序―石上に坐る 42
5 『養心養生をたのしむ』足利尊氏と「一座の工夫」 45
6 『養心養生をたのしむ』日用心法―日常の工夫 49
(1)日用心法―四惜 50
(2)日用心法―五医 53
(3)日用心法―六知 55
(4)日用心法―六中観 57
7 『王陽明研究』新序―生命・情熱・霊魂を揺り動かす書 59
第二章 『百朝集』を仏語・禅語から観る 65
1 『旧百朝集』と『新編百朝集』 65
2 我 67
3 腹を立てぬ呪文 72
4 一樹の下 74
5 決定力 77
6 信心 80
7 この二佛 83
8 死は是の如く(一) 89
9 死は是の如く(二) 92
第三章『日本精神の研究』日本精神と道元禅師の禅風 95
1 “魂”の記録 95
2 日本精神に共鳴した二人の人物:八代海軍大将と大川周明 97
3 人物論の最上位に 100
4 生涯と人格の展開 102
(1)禅僧の自由への憧景 102
(2)個人の自由と国家の自由 104
(3)栄西禅師VS道元禅師 106
(4)阿育王山の一老僧に会う 110
(5)如浄禅師の膝下で身心脱落・脱落身心 114
(6)僧堂建立を決意 117
(7)大仏寺竣工 120
(8)執権北条時頼の寺院建立を断る 122
(9)箇の跨跳を打して、大千を觸破す 127
5 悟道と戒法 131
(1)崇嚴なる努力 131
(2)道元禅師の戒法からの引用 135
(3)崇高自由なる戒律 141
6 道元禅師年譜 143
第四章 『光明藏』を仏典・仏教思想から観る 147
1 無尽蔵の智慧 147
2 開巻語 149
3 道友 154
4 愛語 157
5 憤 160
6 一心 162
7 覺悟 165
8 生死 167
9 易簀 169
10 三省語 172
第五章 『東洋倫理概論』生涯用力工夫の教典 175
1 参学者に魂を入れる 175
2 師友に対する敬愛 178
(1)感恩の情 178
(2)懐奘と道元 182
(3)白隠と正受老人 184
(4)香嚴と大潙 188
(5)耶律楚材と澄和尚と萬松老師 193
3 中年いかに生くべきか 196
4 晩年いかに生くべきか 197
(1)立命 197
(2)境遇の自得 199
①人の晩年 199
②邯鄲の夢 200
(3)生死の覚悟 203
①一大事因縁 203
②名僧善知識の臨終 204
③ゆかしい臨終 205
④死の平生 207
⑤武士道の生死の覚悟 209
⑥芭蕉の覚悟 210
(4)報謝の生活 213
第六章 『禅と陽明学』上巻 217
第一節 諸教帰一≲すべての教えは一つに帰する≳ 217
1 東洋思想を統一的に把握する 217
2 生きた人間に徹する 219
3 お釈迦さまから百丈懐海まで 221
第二節 禅の起源 223
1 古代インドの精神史 223
2 アーリア人の文学 225
①リグ・ヴェーダ 225
②梵書 226
③ウパニシャッド 227
④ヨーガの実践 227
3 梵神の象徴≲唵≳ 228
4 師資相承 230
5 玄牝 232
第三節 釈迦が徹見したダルマ≲法≳ 234
1 お釈迦さまの悟り 234
2 お釈迦さまによる階級否定 237
3 釈迦仏教の大眼目 240
第四節 大乗と小乗 241
1 拈華微笑 241
2 大乗と小乗の比較 243
3 『大学』と『小学』 246
4 即身成仏 247
5 小乗の悟力 249
6 湛海和尚―即身成佛―小乗の悟力―禅 250
7 一乗妙法 251
第五節 禅と老荘 253
1 治乱興亡と思想・宗教 253
2 仏教の伝来と道教の台頭 254
3 禅と老荘 255
第六節 東洋文化の本源、「天」の思想 258
1 天人合一、万法帰一 258
2 佛教・老荘・儒教の合流 260
3 諸教帰一 261
第七節 達磨正伝の禅風≲Ⅰ≳ 262
1 中国の三大帝王 262
2 仏教界に人材輩出 264
3 禅門の人材―弘忍と慧能 265
4 臨済宗の系譜 266
5 達磨から慧能まで 270
第八節 達磨正伝の禅風≲Ⅱ≳ 279
1 教外別伝・不立文字の真意 279
2 楞伽経 281
第九節 六祖慧能の禅 283
1 『六祖壇経』 283
2 佛は人間を超越した存在ではない 286
3 無相と無住 287
4 無念と一行三昧 288
5 神秀―禅界の通説に対する安岡先生の批判 289
6 安岡先生による棒・喝批判 292
第十節 禅の真髄―百丈懐海 293
1 馬祖道一≲即身即仏≳ 293
2 独坐大雄峯 295
3 一日作かなければ一日食わず 298
第七章 『禅と陽明学』下巻 299
第一節 「致良知」は禅に通じる 299
1 人間学を追求 299
2 人間の意識は秘密の蔵 301
3 良知 303
4 主客合一 307
5 致良知は禅に通じる≲一摑一掌血≳ 308
6 致良知は禅に通じる≲蘇軾と王陽明と禅≳ 310
7 五家七宗から抜本塞源論まで 318
第二節 五家七宗 319
1 五家七宗とは 319
2 禅の公案と安岡先生(その1) 321
(1)但惜身命、不惜身命 321
(2)百丈懐海―独座大雄峯 324
(3)安岡先生による公案・見性批判 326
(4)臨済の「四料揀」 327
(5)臨済の「六通」 329
(6)洞山の「三滲漏」 331
(7)洞山の「三路」 333
(8)洞山の「五位」 335
(9)曹山本寂 336
(10)その他 337
第三節 宋学の勃興 337
1 宗教と道徳 337
2 宗教の本質 339
3 儒佛の交流 340
第四節 易の哲学―周茂叔と太極図説 343
1 周茂叔 343
2 『太極図説』 345
3 易の思想―陰陽相対の原理 346
4 儒教は「陽」が建前、老荘は「陰」が建前 348
5 禅に通じる 350
第五節 碧巖録 351
1 『碧巖録』とは 351
2 説得・教化手段の発展 352
3 儒教の影響 354
4 碧巖録の歪曲 356
5 禅の公案と安岡先生(その2) 358
(1)達磨廓然無聖 358
(2)独坐大雄峯 362
(3)野孤の公案―百丈野孤 363
(4)洞山麻三斥 364
6 悟道の詩的表現 365
(1)大龍堅固法身 366
(2)長沙一日遊山 367
7 儒・佛・道の混融 368
第六節 華厳と円覚―禅の哲学 371
1 達磨禅の淵源と伝燈 371
2 『華厳経』『円覚経』 373
3 『華厳経』の哲学 375
第七節 王陽明の悟り 377
1 王陽明の五溺 377
2 科挙及第・官僚の道・投獄 378
3 命懸けの思索 380
4 悟道・開眼 381
5 一点滴骨血 383
第八節 天地萬物一体論 385
1 気韻溢るる書 385
2 天地萬物と吾は一体 387
3 天地萬物一体の仁 391
4 良知の学を知らしめる 391
第九節 抜本塞源論 393
1 「顧東橋に答うる書」 393
2 心体の同然に復る 394
3 唐虞三代の世 396
4 天下の人、熙熙暭暭 399
5 聖人の学は至易至簡 401
6 聖学の衰え・功利主義の漫延 404
7 出でよ!! 猶興の人物 406
あとがき 409
参考文献 411
上記内容は本書刊行時のものです。