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異形の明治 新保祐司(著/文) - 藤原書店
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異形の明治 (イギョウノメイジ)

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発行:藤原書店
四六判
定価 2,400円+税
ISBN
978-4-89434-983-4   COPY
ISBN 13
9784894349834   COPY
ISBN 10h
4-89434-983-3   COPY
ISBN 10
4894349833   COPY
出版者記号
89434   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2015年8月13日
最終更新日
2015年8月13日
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書評掲載情報

2021-11-21 読売新聞  朝刊
2018-08-05 東京新聞/中日新聞  朝刊
評者: 藤沢周(作家)
2014-11-16 産經新聞
評者: 富岡幸一郎(文芸評論家)
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紹介

「日本の近代」を問い直すための最良の鑑
「理想に」掴まれ、「絶対」に貫かれた、「化物」たちの時代――山田風太郎、服部之総、池辺三山、清沢洌、尾佐竹猛、吉野作造、福本日南らの「歴史の活眼」を導きとして、明治初年の精神に迫る。

「明治初年的異形」は、江戸の日本が西洋の文明とぶつかった衝撃から生まれたものであり、その坩堝のような激しい精神の劇は、まさに異形なるものといわざるをえないものであった。内村鑑三は、「武士道に接ぎ木されたる基督教」といういい方をよく使ったが、「明治の精神」とは、つまり「接ぎ木」である。江戸時代に醸成された武士道や儒教、あるいは国学的な教養といったものによって形成された「台木」としての日本人の精神に、西洋文明のさまざまなものが「接ぎ木」されたのであった。夏目漱石とか森鴎外といった漢文的な教養の深い青年に、英国文学や独逸文学といった西洋文学が「接ぎ木」された。岡倉天心には、西洋美術が、中江兆民には、仏蘭西の共和思想が、それぞれ「接ぎ木」された。彼らの「台木」と「接ぎ木」されたものは、強烈なまでに対比的なものであった。あえていえば、「異物」が突き刺さったのである。このような苛烈な「接ぎ木」の結果、育っていった樹木が、「異形」になるのは、ある意味で当然であろう。しかし、「明治初年的異形」は、単に変な「異形」ではなかった。実に豊かで深い精神的果実をその奇怪にのびた枝々にたわわに付けたのである。(本書より)

著者プロフィール

新保祐司  (シンポユウジ)  (著/文

1953年宮城県仙台市生。文芸批評家・都留文科大学教授。1977年、東京大学文学部仏文科卒業。著書に『島木健作 義に飢ゑ渇く者』(リブロポート)『内村鑑三』『文芸評論』『批評の測鉛』『日本思想史骨』『正統の垂直線 透谷・鑑三・近代』『批評の時』『国のさゝやき』『信時潔』『鈴二つ』(いずれも構想社)『フリードリヒ 崇高のアリア』(角川学芸出版)。2007年、それまでの言論活動が評価され、第八回正論新風賞を受賞。

上記内容は本書刊行時のものです。