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増訂 新版 武四郎碑に刻まれたアイヌ民族
民族の復権をめざして
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2020年2月10日
- 書店発売日
- 2020年2月21日
- 登録日
- 2020年2月7日
- 最終更新日
- 2020年2月21日
紹介
“北海道の名づけ親”松浦武四郎。
幕末に活躍したこの探検家は、6度にわたり蝦夷地の探査を行い、当時の実情を今に伝える詳細な記録を残した。
その道程を追うように建てられた碑を求め、北海道各地とサハリンへ赴き、碑や碑文全文を記録。
後世の人々が碑に刻んだ松浦武四郎の旅には、調査を支えたアイヌ民族の人々の姿があった。
2003年刊行の初版を、松浦武四郎碑に焦点を合わせスリム化、補筆・訂正した[新版]出版から3年。
北海道命名150年を契機に建てられた、新たな碑の記録などを加筆した[増訂]最新版。
目次
はじめに
序章 三〇を越える武四郎碑
第一章 七つの碑をもつ空知地方
北村[現・岩見沢市]/砂川市/芦別市/新十津川町/長沼町
第二章 北海道各地の碑を訪ねる
厚真町/釧路市/上富良野町/仁木町/下川町/士別市
平取町/京極町/江差町/千歳市/浜中町/音更町
清水町/新得町/天塩町/音威子府村/美深町/小平町
留萌市/増毛町/倶知安町/(ニセコ町)/神恵内村
雨竜町/大成町/八雲町/中札内村/富良野市/北見市
女満別町[現・大空町]/美幌町/斜里町/羅臼町/弟子屈町
阿寒町[現・釧路市]/中川町/音威子府村/名寄市/士別市
中川町・音威子府村・名寄市・中川町/浦臼町/北見市
弟子屈町/(音威子府村)/静内町[現・新ひだか町]/(音威子府村)
猿払村/稚内市/白老町/由仁町/恵庭市/芦別市
(札幌市)/留寿都村/浜頓別町/中川町
第三章 サハリンの碑を訪ねる
第四章 碑以外の「碑」
洞爺村[現・洞爺湖町]/上川町/厚真町/仁木町/砂川市/釧路市
(福島町)/音威子府村/生田原町[現・遠軽町]
第五章 碑・「碑」の分析
分布図/建立年代/探検路と碑の建立/分類
終章 アイヌ民族の功績を称(たた)える
記さ(刻ま)れたアイヌ民族の行動・人名/武四郎が記録したアイヌ民族
民族の復権をめざして
あとがき
前書きなど
はじめに
二〇一七年二月八日(水)付の北海道新聞朝刊を読んでいて、ある記事に目が止まった。「「道みんの日」盛大/7・17行事の全容判明」の見出しで、冒頭次のように書かれていた。
道議会が今年制定する7月17日の「北海道みんなの日」を巡り、道が検討している記念行事の全容が分かった。…
そして最後の段落の冒頭は次のとおりである。
7月17日は、幕末の探検家・松浦武四郎が1869年(明治2年)に「北加伊道」の名称を提案した日付。…
「7・17」は「松浦武四郎が…「北加伊道」の名称を提案した」日という。
三ヵ月後の同新聞夕刊(五月二二日付・月)に、「「北海道150年」どこへ/アイヌ史軽視批判も」の見出しで、記事が載った。その中で「北海道150年事業で想定される主なイベント」の一つに「北海道博物館での松浦武四郎に関する特別展」が催されるという。
これらの記事からして、〈“松浦武四郎ブーム”が起こり、武四郎碑の建立があるかも知れない〉と思い始めた。
ここに収録した自治体は、白老町・由仁町・恵庭市・芦別市・(札幌市)・留寿都村・浜頓別町(二碑)・中川町の二市四町一村で、このうち碑に「北海道一五〇年」と刻んだのは、恵庭市・芦別市である。
また、文章を付け加えたところが一ヵ所ある(中札内村)。
私もささやかな体験をした。中西出版社が拙著『新版』を刊行した四ヵ月後、札幌市の大手書店のインナーガーデンで講演会を開くと宣伝したところ、補助椅子を出しても足りないほど人が集まった(ただし入場無料)。担当者に伺うと、集まった人数はわからない、という。私はビックリし、脚の震えが止まらなかったのである。
上記内容は本書刊行時のものです。