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愛のまなざし
三浦綾子の舞台を旅する
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2019年9月12日
- 書店発売日
- 2019年9月13日
- 登録日
- 2019年9月10日
- 最終更新日
- 2019年9月14日
紹介
三浦綾子の作品の一節と舞台となった風景の写真を
コラボレーションした前作『小さなロバ』から10年。
作品の舞台を追う写真家の“聖地巡礼”の旅の続きを、
三浦綾子没後20年を期して著者の写真と筆から構成する。
*
石井さんの仕事を見ると、写真というものの力を感じる。
時間と共に風化し、消えてしまう物を写真に収めてくれ、
想像でしか理解できていなかったものを見えるものにしてくれる。
――森下 辰衛(三浦綾子記念文学館特別研究員・全国三浦綾子読書会代表)
目次
魂のつぶやきを聴く 轡田 隆史
氷点
病めるときも
裁きの家
この土の器をも
続 氷点
天北原野
逃亡
短編集・毒麦の季
尾灯
貝殻
毒麦の季
果て遠き丘
岩に立つ
千利休とその妻たち
青い棘
水なき雲
北国日記
ナナカマドの街から
嵐吹く時も
草のうた
雪のアルバム
夕あり朝あり
われ弱ければ
あのポプラの上が空
母
ちいろば先生物語
銃口
したきりすずめのクリスマス(絵本)
「小さなロバ」より抜粋
“不純な動機の人” 森下 辰衛
あとがき
前書きなど
あとがき
十年前、三浦綾子没後十年で『小さなロバ』を出版し、あっという間に、また十年が経ってしまった。その間に夫光世さんも天に召された。でも、三浦綾子の作品は世に生き続け、なお多くの読者に感銘を与えている。二〇一三年、北海道総合研究調査会が発行する雑誌「しゃりばり」の裏表紙で、当時の編集長・大沼芳徳さんから連載する機会を与えられた。『小さなロバ』は三浦綾子の作品の文章そのものの抜粋と私の写真で構成したが、この連載では私の文章で書いた。慣れない文章で、編集者の濱市淑恵さん、柳本学恵さんには、多大なお世話をかけた。連載が五十回を数え、三浦綾子没後二十年を期し『愛のまなざし』のタイトルで一冊にまとめた。
自分で書くのは難しかったけれど、三浦綾子の作品の中に私が朝日新聞のカメラマンとして現役時代に経験したことや行ったことがある場所など、いろいろ重なる部分があった。例えば、利尻島の夕焼けは本を読む前に撮っていたしアイヌ墓地も取材していた。三浦夫妻が網走で泊まった宿に私たち夫婦も新婚旅行で泊まっていた。そういった諸々を、文章にしていく面白さに気づかされもした。
巻頭の言葉は「しゃりばり」でコラムを担当している朝日新聞時代の先輩で、私が尊敬する轡田隆史さん、解説は『小さなロバ』の時と同じ、三浦綾子記念文学館特別研究員で全国三浦綾子読書会代表の森下辰衛さんに書いていただいた。
中国東北部やサハリンの取材の機会を作っていただいた読書会前代表で顧問の長谷川与志充さん、旅に同行していただいた全国の読書会の皆さんに感謝します。また、中西出版の林下英二社長、河西博嗣さん、十年の間に二児の母となり『小さなロバ』に引き続いて、編集をして下さった青柳早苗さんに敬意を表します。
そして、取材では撮影助手やナビゲーターとして、文章では第一読者として応援してくれた妻・美雪と、東京で健気に頑張る娘・千花にこの冊子を捧げます。
二〇一九年八月吉日 石井 一弘
上記内容は本書刊行時のものです。