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箱館戦争再考 若林 滋(著) - 中西出版
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箱館戦争再考 (ハコダテセンソウサイコウ)

歴史・地理
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発行:中西出版
四六判
縦188mm 横128mm 厚さ17mm
重さ 368g
325ページ
並製
価格 2,000円+税
ISBN
978-4-89115-319-9   COPY
ISBN 13
9784891153199   COPY
ISBN 10h
4-89115-319-9   COPY
ISBN 10
4891153199   COPY
出版者記号
89115   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
絶版
初版年月日
2016年3月
書店発売日
登録日
2016年3月14日
最終更新日
2024年2月28日
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紹介

今から150年前の明治のはじめ、北海道・松前地方で明治維新を締めくくる大きな戦いがあった。

黒船来航以来、変貌する時代の中で度重なる苦難を抱えた松前藩と箱館・松前の民衆たちに、箱館戦争は更なる混乱として降りかかる。
未だ世に名を残す旧幕府脱走軍と政府軍最後の一戦は、その地に暮らす人々にどのような傷痕を残したのか。

箱館戦争以前、そして以後の顛末を北海道人の視座で振り返り、維新の大波に翻弄された箱館・松前にとっての箱館戦争を描き出す。

目次

まえがき 箱館戦争の実相

箱館戦争主要地名図(箱館付近図)
明治元年脱走軍進攻コース

第一章 黒船箱館に来る―榎本の蝦夷地来航の呼び水
第二章 民衆の領地回復運動―三万石昇格と六藩分領
第三章 新城建設で火の車―民衆奉仕の裏で
第四章 藩主入閣で経費増の悩み―民衆は負担に耐えた
第五章 クーデターと館城建設―藩主移転中に脱走軍上陸
第六章 脱走軍箱館占領―知府事、府兵は退避
第七章 松前城、館城陥落―藩主、青森避難後急逝
第八章 開陽江差沖で沈没―幻の蝦夷共和国
第九章 政府軍反攻近し―宮古湾奇襲に失敗
第十章 政府軍意表つく乙部上陸―松前城を奪還す
第十一章 脱走海軍消滅す―「鬼の回天穴だらけ」
第十二章 土方歳三箱館に散華す―誠と誇り貫き
第十三章 五稜郭陥落の裏で―政府軍汚点残す
第十四章 自決した者、出世した者―脱走軍将兵のその後
第十五章 箱館戦争後遺症―城の銅瓦売って手当払う
第十六章 館(松前)藩消滅す―開拓使編入を拒否され弘前と併合
終章 松前屏風の繁栄取り戻そう―北海道新幹線生かし

箱館戦争関連年表
参考文献一覧

あとがき もう一つの戦後

前書きなど

まえがき 箱館戦争の実相

 平成二十八年(二〇一六)三月、北海道新幹線の新青森~新函館北斗が開通、北海道が本州と新幹線でつながる時代がようやく到来した。
 今からおよそ百五十年前の明治一、二年(一八六八、九)、旧幕府脱走軍と松前藩兵など政府軍が箱館、松前地方で命を懸けて戦い大勢が死傷した。数あるその戦跡にも、新幹線で来られる本州の方々の新鮮な視線が向けられるようになった。この機会に箱館戦争とその前後について北海道人の視座で振り返った。
 脱走、政府両軍は明治元年十月から翌年五月までの八ヵ月の間に、国内初の洋式城郭の箱館五稜郭、最北の旧式築城松前城をめぐり二度干戈(かんか)を交え、脱走軍の降伏で最後の戊辰戦争は終わった。
(中略)
 戦争が終わると、松前藩改め館藩(たてはん)は廃藩置県で館県となり消滅した。政府は黒田開拓長官に館県の北海道編入を命じたが、黒田は拒否、政府はやむなく館県を海峡を隔てた青森県に併合した。
 翌年、館県地区の北海道編入が叶ったものの民衆の不信感は消えず、長州藩奇兵隊出身の開拓使福山出張所長が強行しようとした水産物増税に反発して騒擾(そうじょう)を起こし、黒田が乗り出して漸く鎮めた。黒田は不満分子の拠点になることを恐れて松前城を破脚させた。有力商人たちは、松前を見限って小樽や函館に移転して城下は寂れた。
 さらに旧松前藩領は二つの郡に分割され、明治開拓の恩恵は全く受けなかった。最近は消滅都市などという有り難くないレッテルを貼られている。北前船の出船入り船で栄えた繁栄は松前屏風に残すだけとなった。箱館戦争に翻弄され、負の遺産を抱えてきた松前地方の人々は北海道新幹線に地域再生の夢を託している。
 新幹線で訪れる本州の方々に函館、松前地方の戦跡をたどってもらい、箱館戦争とその後に思いを巡らしていただければ有り難い。
筆者

著者プロフィール

若林 滋  (ワカバヤシ シゲル)  (

ノンフィクション作家。
1934年北海道生まれ。士別高校、東北大学教育学部卒。
読売新聞記者、関連会社役員を経て、現在、北海道屯田兵制度研究会代表、北海道屯田倶楽部常任理事、北海道史研究協議会員。
著書に「北の礎~屯田兵開拓の真相」「昭和天皇の親代わり~鈴木貫太郎とたか夫人」「海峡の十字架~松前の百六人殉教」(いずれも中西出版)ほか、北海道の近代を題材にした作品多数。

上記内容は本書刊行時のものです。