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日本語の起源と我らが祖語 鳴海 日出志(著) - 中西出版
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日本語の起源と我らが祖語 (ニホンゴノキゲントワレラガソゴ)

語学・辞事典
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発行:中西出版
A5判
縦210mm 横149mm 厚さ23mm
重さ 595g
528ページ
並製
定価 3,900円+税
ISBN
978-4-89115-282-6   COPY
ISBN 13
9784891152826   COPY
ISBN 10h
4-89115-282-6   COPY
ISBN 10
4891152826   COPY
出版者記号
89115   COPY
Cコード
C3080  
3:専門 0:単行本 80:語学総記
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2014年5月
書店発売日
登録日
2014年5月27日
最終更新日
2014年5月27日
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目次

英文序
はじめに
凡例

第1章 序説
第2章 我らが祖語と和語の音韻組織
第3章 「我らが祖語」と和語の比較語彙

参考文献について
和語索引
英語索引
あとがき

前書きなど

はじめに
 著者は,この20年ほど「日本語の起源」をテーマに何冊か本を書いてきましたが,今回は調査研究のための仮定を全く新しく設定し,紙数を大幅にとって一般の方々にも判るように書くよう努力しました。
 しかし,水準は落とさないようにして比較言語の分野に詳しい方々にも役立つように工夫をしたつもりです。
 今まで,日本語の起源については色々な著作が出されましたが定説はありませんでした。日本語の基層には少数の南方起源の語が,上層には多数のアルタイ・北方起源語が積み重なっていると言われています。
 本書では,古代日本語(和語)の大部分が北方起源であり更に「我らが祖語PN(Proto-Nostratic)」と言われる再構(築)された太古話されていたと推定される言葉と密接な関係にあることを示しました。このPNからはユーラシア大陸,北アフリカの様々な言語(英独仏などの印欧語も含む)も派生しております[BomhardとKernsの説]。
 扱った和語は,主に動詞です[BomhardとKernsの主張に従った]。
 [従って,名詞,形容詞はほとんど採用していない]。
 Proto-Nostratic(我らが祖語)を曾祖父(母)とすれば,和語と,例えば英語は,互いに曾孫(ひまご)の関係にあたるでしょう。[英語との関連まであえて本文で取上げたのは,日本人が最も親しんでいる言語だからである]。
 空間的なたとえ(譬)をするのなら次のようになるでしょう。祖語の山を登るのに,琉球語を含む現代日本語のふもとから出発して,1合目は古代日本語(和語),更に,2合目の(和語,朝鮮語,アイヌ語の祖形からなる)極東アジア語を通りアルタイ祖語の草原を横目で見て更に登行,頂上「我らが祖語PN」に登りつめます。[アルタイ祖語については疑いをはさむ学者もいる]。この頂上から多数方向に下山道があり,例えば英語村に行きつくためには,頂上から4合目のユーラシアテク(Eurasiatic)(比較言語学のGreenbergグリーンバーグによる呼称)に降り,ここから3合目の印欧(インドヨーロッパ)祖語を通り,更に2合目のゲルマン祖語に降り,そこから1合目の古英語を通ってふもとの英語村にたどりつきます。頂上から英語村への道筋はかなり整備されていて和語から頂上に行くほど迷いはありません。和語とNostratic祖語の対応が正しく,Nostratic(我らが)祖語(PN)と英語の対応が正しいならば,和語と英語を対応させるのは奇異に見えるけれど論理的には問題はありません。但し,本書の本文に見るように和語とPN,PNと英語の間の「意味論上の大海」を渡る必要があります。[「大海」は別の比喩であって上の「山」とは関係がない]。
(中略)
 以上のように本書は,系統論に立って和語の起源を説明していますが,言語接触論者にとっても役に立つ資料となるでしょう。[R.M.W.ディクソン「言語の興亡」岩波新書2001参照]。
[なお,アイヌ語と日本語(和語)の関係については,拙著「日本語とアイヌ語の起源」,中西出版,2007を参照されたい]。

著者プロフィール

鳴海 日出志  (ナルミ ヒデシ)  (

北海道札幌市生まれ
1995年 理学博士 Doctor of Natural Scences(クロアチア・ザクレブ大学)
1997年 博士(地球環境科学)(北海道大学)
現在、アイヌ語地名研究会(札幌)会員、国際日韓比較言語学会(福岡市・九州大学内)会員、日本語語源研究会(京都)会員、日本歴史言語学会会員。
近著に『日本語とアイヌ語の起源』(中西出版・札幌2007)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。