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懐かしの北海道鉄道の旅
明治・大正・昭和期
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年11月
- 書店発売日
- 2012年11月23日
- 登録日
- 2012年12月6日
- 最終更新日
- 2012年12月6日
紹介
“旅”と“歴史”と“鉄道” その懐かしき姿…
生活文化研究の視点から、駅舎や汽車旅行、駅構内販売など北海道の鉄道の歴史をまとめた一冊。
目次
第Ⅰ章 駅は時代とともに
1 鉄道の発達と駅舎
2 旅行中の接客サービス
第Ⅱ章 汽車に旅情が漂う
1 汽車の運行
2 寝台車と食堂車・車内販売
3 列車暖房(タコストーブからスチーム暖房へ)
第Ⅲ章 汽車旅行全盛の頃
1 時間表(時刻表)と鉄道記号表記の変遷
2 鉄道による北海道旅行計画と観光地の変遷
第Ⅳ章 鉄道が街を、食をつくる
1 駅構内販売〈1〉郷土銘菓、みやげ、名産品
2 駅構内販売〈2〉駅弁の立売り
3 鉄道の発達と旅籠・旅館の変遷
前書きなど
はじめに
明治初期に、日本各地で鉄道建設が進められたが日本各地と北海道では、建設の目的に大きな異なりがあったといえる。北海道の鉄道建設は開拓を進めるための手段であり開拓に関わる物資輸送や日本近代化のための石炭輸送をすることに主眼があった。
一方日本各地の鉄道建設は、物資輸送も重要な事業であったが乗客の輸送を目的として建設された。従って他の鉄道と競合する場合集客のための方法として乗客サービス、派手な広告、乗車割引きなどが生まれている。例えば明治21年に創業した山陽鉄道は官設鉄道の東海道線や瀬戸内海航路と客が競合するため客の争奪戦から新しい乗客サービスをはじめている。急行列車や寝台車、食堂車を日本で最初に取り入れたのもこの会社であった。
この点で言えば、北海道の鉄道は、開通後一般乗客にも利用を許したが乗客サービスはほとんどなく駅員の態度も不遜なものであったといわれている。
それでも明治39年鉄道国有法、函館線開通、青函航路国有化によって北海道線も全国的な営業に組み入れられる。それは同時に北海道の鉄道が乗客輸送を重視しそれ以降乗客サービスを取り入れていった。従ってこの時代以降の北海道にも本州と同様の乗客サービスが行われ、大正から昭和の初期にかけて急行列車はもとより寝台車、食堂車も導入されるようになり全国的な鉄道経営の中に組み込まれていった。
北海道の鉄道の歴史はそのまま北海道の近代史として重要な部分であったといえる。だが、これまで北海道の鉄道旅行を道民の側から考察したものはいたって少ない。全国的な鉄道ブームの時代にこの本を出版できることは、大きな喜びである。
上記内容は本書刊行時のものです。