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サンタになった魔法使い~ドクター・カナイと仲間たち~
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2011年10月
- 書店発売日
- 2011年10月20日
- 登録日
- 2011年9月27日
- 最終更新日
- 2011年10月20日
紹介
美しいイラストがたくさんちりばめられているこの絵本には、とてもユニークな物語が書かれています。この本を読むと、幼い読者も、もっと良い世界を作っていきたいと願わずにはいられなくなるでしょう。この本は、私たち一人ひとりの積極的な行動が、いかに多くの人々を助けることができるかを描いているのです。
(ヨハン・セルス 国連難民高等弁務官事務所(UNHCR) 駐日代表)
前書きなど
「サンタになった魔法使い~ドクター・カナイと仲間たち」をお読みいただき、ありがとうございます。どんな感想をお持ちでしょうか。
この絵本は日本のメガネ店、富士メガネ(本社・札幌市)の会長、金井昭雄さんがモデルです。金井さんは1983年から毎年、世界の難民キャンプを訪れています。難民たちの視力や目の働き具合を検査して一人ひとりにぴったりのメガネをプレゼントしています。タイ、ネパール、アルメニアとアゼルバイジャンを訪れ、プレゼントした新しいメガネは約12万7,000個となりました。
世界の難民を助けて30年近く。きっかけはアメリカへの留学です。金井さんは「ドクター・オブ・オプトメトリー」の学位を受けました。視力や目の働き具合を検査する専門家となりました。アメリカで先住民の視力を検査するボランティアに加わり、やがて難民キャンプを訪れるようになりました。
住み慣れた国を逃れる途中でメガネを失った難民。メガネを手に入れたくともメガネ店がありません。メガネを買い求めるお金もないのです。文字が読めなければ、勉強も仕事もできません。金井さんは、多くの難民に生きる希望を与えました。難民キャンプには「見える喜び」があふれました。絵本に登場するのは金井さんが難民キャンプで出会った子供たちばかりです。
絵本の主人公は金井さんだけではありません。「仲間たち」を思い起こしてください。いっしょに難民キャンプを訪れた富士メガネで働く社員はのべ150人になりました。UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)も大切な仲間です。多くのスタッフが金井さんを助けています。金井さんは「自分ひとりでできる活動ではない」と話します。ともに手を携える大切さを語りかけています。
UNHCRは2006年、金井さんの功績をたたえ、「ナンセン難民賞」を贈りました。金井さんはスイスで開かれた授賞式で「夢は、メガネで難民らの人生を変えること」と話しました。夢はしっかりと現実となっています。 この絵本が出来上がるころ、日本で大きな地震が起きました。「東日本大震災」です。たくさんの命が失われ、人々は住み慣れた家を追われました。世界の人々が被災した人を助けようと動き出しました。金井さんと富士メガネで働く仲間たちも同じです。被災した人たちに生活を支える資金とメガネを贈りました。難民たちに注いできた「希望の灯」をここでもともしたのです。
この絵本を手に優しい気持ちになれた子供たちにはドクター・カナイと仲間たちの声が聞こえるはずです。
「皆が手を携えれば、夢と希望、生きる勇気を多くの人に届けられる」 綱島洋一
上記内容は本書刊行時のものです。