書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
私たちは何を悩んできたか
高校生が語った子どものころの悩み
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2021年12月9日
- 登録日
- 2021年11月12日
- 最終更新日
- 2021年12月14日
紹介
あなたは子どもの頃の「悩み」覚えていますか?
あなたに子どもは「悩み」を打ち明けますか?
高校生になった「私」が、過去に「私」が抱えていた「悩み」について考えてみる――。
高校生の「回想」を通して、子どもがどんなことで悩んでいたのかを知る初めての試み。
目次
まえがき
この本を読まれる方へ
第一章 カラダの悩み
〈作文①〉やめられない指シャブリ
〈作文②〉だんだんホクロがふえてくる
〈作文③〉階段が私の食卓だった
〈作文④〉とまらないオネショ
〔補足と解説〕◎身体の悩みあれこれ
第二章 疑問と悩み
〈作文⑤〉なぜヒトは死ぬのか
〈作文⑥〉「宇宙を創ったもの」を創ったものは?
〈作文⑦〉私以外はみんなロボット
〈作文⑧〉私の母はオナラをしない
〔補足と解説〕◎子どもは小さな哲学者だ/◎ニセ家族という疑惑
第三章 コダワリと悩み
〈作文⑨〉メンソレータムの少女の名前
〈作文⑩〉マンホールの誘惑
〈作文⑪〉消しゴムの使い方にこだわる
〈作文⑫〉命と同じくらい大切な布きれ
〔補足と解説〕◎子どもと強迫性障害
第四章 不安と悩み
〈作文⑬〉愛犬ヒミコよ死なないで
〈作文⑭〉母の浮気はワタシが防ぐ
〈作文⑮〉霊にとりつかれてしまう
〈作文⑯〉私は親の死に目に会えない
〔補足と解説〕◎死の不安と哲学的疑問/◎子どもの思想的開き直り
第五章 罪悪感と悩み
〈作文⑰〉ウソをつくと地獄に行く
〈作文⑱〉気がつくと大ウソつきになっていた
〈作文⑲〉私が殺した生き物たち
〈作文⑳〉なくした委員バッチ
〔補足と解説〕◎ウソとサトラレの関係
第六章 家族の悩み
〈作文㉑〉家族の笑い顔も今のうち
〈作文㉒〉私はエビトリ川で拾われた
〈作文㉓〉なぜ私にはお父さんがいないの?
〈作文㉔〉ベンツ・豪邸・キュウリサンド
〔補足と解説〕◎「捨て児宣告」という民俗/◎「貧富の差」と序列主義
第七章 イジメの悩み
〈作文㉕〉ついに相手をタコなぐり
〈作文㉖〉いじめられっ子のウラミは深い
〈作文㉗〉いじめていた子からの手紙
〈作文㉘〉学校でウンコをしただけで
〔補足と解説〕◎いじめた側からの証言/◎学校と排便をめぐる問題
第八章 成長と悩み
〈作文㉙〉どうしてもウサギになりたい
〈作文㉚〉私の背はもう伸びないの?
〈作文㉛〉昔の僕はヒーローだった
〈作文㉜〉土曜深夜に受けた性教育
〔補足と解説〕◎子どもを演ずる子どもたち
あとがき
前書きなど
〈多くのおとなたちは、子どもには「悩み」など存在しないと考えています。しかし、実際のところは違います。多くの子どもが、いろいろなことで真剣に悩んでいます。
この本は、子ども(おもに幼児や小学生)がどんなことで悩んでいるかについて紹介し、解説した本です。
このような本は、おそらく今まで無かったと思います。その理由は、第一に、おとなたちが、子どもには「悩み」などあるはずがない、と思いこんでいるからです。第二に、ほとんどの子どもたちが、自分の「悩み」を他人(特におとな)に打ち明けたりしないからです。ふつう子どもは、悩みをひとりでかかえこみ、誰にも相談などしないものです。
このあと、この本で紹介してゆく悩みは、実は、「子ども」に打ち明けてもらったものではありません。高校生の諸君が、「思い出」として語ってくれたものです。
かつて私は、都立高校の教員をしていました。あるとき、生徒たちに、「今だから言える昔の悩み」というタイトルで作文を書いてもらいました。生徒たちは、このタイトルが気に入ったとみえ、すぐ作文にとりかかりました。
できあがった作文を見ると、どれもこれも「傑作」でした。いっぽうで、なかなか深刻な内容が含まれていました。その後もずっと、「今だから言える子どものころの悩み」などのタイトルで、高校生に作文を書いてもらう活動を続けました。
高校生ぐらいの年代になると、もう子どものころの「悩み」からは卒業しています。言語能力や文章力も向上しています。そのころの悩みを、なつかしい「思い出」として語れるようになっています。それを、文章に綴ることもできるようになっています。
高校生たちに話を聞いてみると、口をあわせたように、次のようなことを言っていました。
*今だから気楽に話せるが、子どものこりは、かなり真剣に悩んだものだ。
*こんなことで悩んでいるのは自分だけだ、と思いこんでいた。
*誰にも打ち明けたり相談したりしなかった。そうしようとも思わなかった。
高校生の回想による、そうした「子どものころの悩み」を紹介したのがこの本です」(「まえがき」より)
上記内容は本書刊行時のものです。