書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
金時鐘は「在日」をどう語ったか
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2021年4月1日
- 登録日
- 2020年12月8日
- 最終更新日
- 2021年4月14日
紹介
在日朝鮮人文学を代表する詩人として広く知られる金時鐘。
しかし、かつて金時鐘が語った言葉には、「在日二世」である著者とって、共感とともに見過ごせない違和感があった――。その在日観の差異とは何か。
在日が在日知識人を批判的視角から論じる意欲的試み。
目次
はじめに――本書について
1 構成
2 本書の特徴と議論の展開
3 金時鐘とそのテクストと筆者との関係の推移
第1章 「詩はメシ」か?――サークル詩誌『ヂンダレ』の「前期」と金時鐘
はじめに
1 時期区分と対象の限定
2 『前期』における「事件」
3 金時鐘における『前期』
4 金時鐘の在日二世「騙り」
5 『前期』における鄭仁
まとめにかえて
第2章 〈一斉糾弾闘争〉と金時鐘の〈自分・在日語り〉――参入初期に限定して
はじめに――〈一斉糾弾闘争〉と金時鐘
1 一斉糾弾闘争の概況
2 一斉糾弾闘争への参入についての金時鐘の回顧的な〈自分・ 在日語り〉
3 闘争現場への参入に関するリアルタイムの語り――「さらされるものとさらすもの」
4 テクスト戦略の五――〈強迫観念〉が備える〈威嚇効果〉の積極的活用
まとめにかえて
第3章 〈一斉糾弾闘争〉の方針転換以降における金時鐘の〈神格化〉の様相
はじめに――本章のテーマと構成
1 一斉糾弾闘争の指導部の方針転換―その論理と波紋
2 方針転換における金時鐘の役割とその論理
3〈自分・在日語り〉も含めた金時鐘の〈超越的自己認識〉
4 金時鐘の〈自分・在日語り〉と読者――〈金時鐘の神格化プロジェクト〉
まとめに代えて――金時鐘の〈自分・在日語り〉と彼の文学的営為との関係について
おわりに
前書きなど
「筆者の議論に賛同しない方々にとっても、金時鐘やその散文について本書のような分析は他では見かけないはずなので、希少価値くらいはあるかもしれない。或いはまた、本書で筆者が試みたテクスト解釈という冒険の産物に、何か適切な補助線を書き加えてみれば、意外にも有効な方法に変身して、金時鐘その他のテクストの新たな見方が開けてくるかもしれない。さらには、金時鐘に対する肯定・否定などの評価を超えて、テクストや人間の言動に対して分析を試みる際のヒントくらいになるかもしれない。夢のような話かもしれないが、筆者としてはそんなことを本気で期待している」(「はじめに」より)
上記内容は本書刊行時のものです。