書店員向け情報 HELP
出版者情報
在庫ステータス
取引情報
鉄筆とビラ
「立高紛争」の記録1969-1970
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2020年3月24日
- 登録日
- 2020年2月20日
- 最終更新日
- 2020年3月19日
書評掲載情報
2020-06-06 |
朝日新聞
朝刊 評者: 本田由紀(東京大学教授) |
MORE | |
LESS |
紹介
「立高」のバリケード闘争とは、なんだったのか。
1969-1970年当時の高校生たちのガリ版刷りの「叫び」から見えてくるもの。
「〝高校紛争〟と言われた時代の、記録と記憶の、心打つ集成だ」
小森陽一氏(東京大学名誉教授)推薦
「私たちの世代は、あの時、何を世の中に求めていたのだろうか」
金子勝氏(慶應義塾大学名誉教授)
「いまの高校生や、若い高校の教員たちに読んでほしい」
渡辺治氏(一橋大学名誉教授)
「1960年代に深部から壊れつつあった戦後民主主義が、その力を美しく凝縮させた一瞬が描かれたドキュメンタリー」
後藤道夫氏(都留文科大学名誉教授)
中西新太郎(関東学院大学教授)
高校紛争の証言記録として貴重なものだ。
乾彰夫(首都大学東京名誉教授)
何に傷つき、何に励まされたのかなどが語られている点で、「生きた」記録になっている。
目次
目 次
まえがき
第1部 実録「立高紛争」
第1章 バリケード封鎖から解除まで
――動揺そして混迷(10/20~26)
1 とつぜんのバリケード
2 バリケード封鎖二日目まで
3 バリケード反対のビラが出た
4 バリケードを守るピケ隊
5 バリ派によるバリケード「自主」解除
第2章 生徒総会とクラス討論の二週間
――生きるとは、自らを表現すること(10/27~11/10)
1 「生徒主導のHR」案の可決
2 無数のビラ群
3 クラス討論と運営委
4 授業再開案の可決
第3章 バリケード前史――立川高校という学校
1 〝変な学校〟
2 体育祭のキャンバス作り
3 立高の教員たち
4 社会、政治に対する生徒たちの関心の高さ
5 そして、1969年
第4章 ロックアウト下の800名署名と『静かなる、切なる訴え』
――民主主義と学習権(11/11~24)
1 なにがロックアウトにつながったのか
2 3項目の署名運動が始まった
3 『静かなる、切なる訴え』
第5章 生徒会再建と新生徒会長の選出へ
――民主主義と学ぶ権利をめぐる攻防(11/25~12/26)
1 授業完全再開の一方で新たに引き起こされた混乱
2 授業と生徒会に対する二つの方向性の対立
3 選挙・授業妨害が行われ、監査委が監禁される
4 新生徒会長選出
第6章 講座制実現への動き
――「学習権」を実体化する制度作り(12/31~3/31)
1 退学処分が出される
2 講座制検討委の発足
3 「処分撤回斗争」のその後
4 講座制=自由選択科目の実現、次の生徒会へ
第2部 50年前のわたし、50年後のわたしたち
第7章 蒼き時代の「漂流」と50年後の「ノーサイド」
1 心に突き刺さった「自己否定」という棘
2 不条理劇「怨みをこめてふりかえれ」としての「立高紛争」
3 危なっかしい私を支えたもの
4 蒼き時代の漂流の始まり
5 50年の歳月「社会のリアル」と「人との出会い」
6 50年後の「ノーサイド」
第8章 女子生徒の見た「紛争」――50年前の「自由と規律」
1 立高「紛争」のこと
2 50年がたって 今考えること
第9章 キャンバス派を生きて
第10章 立高「紛争」が、こんにちの私たちに訴えかけるもの
1 バリ派の「ひと時の光芒」
2 私たちが学んだこと その今日的な意義
第3部 資料 ビラ・冊子リスト
あとがき
前書きなど
《推薦します!》
小森陽一氏(東京大学名誉教授)
「自己否定」という四文字が、耳鳴りのように響き続け、存在すること自体に絶え間ない問いかけが強いられた日々。あの頃のことは思い出したくなかったのかもしれない。時間の悪戯か、50年前の仲間たちの言葉がガリ版刷りの紙面から外へ飛び出そうとして忽然と現れたのだ。本書は東京都立立川高校の、〝紛争〟と言われた時代の、記録と記憶の、心打つ集成である。
金子勝氏(慶應義塾大学名誉教授)
50年もの間、何人もの人が大切に捨てずにいた、「紛争」当時の「鉄筆」で書かれた呼びかけ文章などから再現させた、50年前の「高校紛争」の実像。私たちの世代は、あの時、何を世の中に求めていたのだろうか。民主主義? 学習権? 教育への参加権? そして、今は何を忘れたのだろうか。問い直してくれる本だ。
渡辺治氏(一橋大学名誉教授)
本書の最大の魅力は、生徒たちが、バリ派の暴挙に対して、生徒総会、また生徒会の運営委員会など、既存の自治組織と学園祭など自治の経験をつかって、加えて署名などをも通じて、生徒の意思を形成し実現していったこと、教師集団がそれを支えて実現にこぎ着けたことだ。いまの高校生や、若い高校の教員たちに読んでほしい。
後藤道夫氏(都留文科大学名誉教授)
突きつけられた「自己否定論」に悩み、対話しつつもそれを乗り越えて学習権の高度な拡大を実現する生徒と教員たち。1960年代に深部から壊れつつあった戦後民主主義が、その力を美しく凝縮させた一瞬が描かれたドキュメンタリーである。
中西新太郎氏(関東学院大学教授)
一人ひとりの視点に過ぎない証言が持つ意味は、その証言ができるかぎり事実に忠実であろうとしているか、自らの心情をどれだけ客観的にとらえようとしているかによって変わる。この二点で、本書に収録された証言は心情に引きずられない、高校紛争の証言記録として貴重なものだ。
乾彰夫氏(首都大学東京名誉教授)
その時どんなことを考え、どんな思いで行動したのか、何を契機にどう考え方が変わっていったのか、何に傷つき、何に励まされたのかなどが語られている点で、事実記述に終わらない、「生きた」記録になっている。
上記内容は本書刊行時のものです。