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タガメとゲンゴロウの仲間たち 市川 憲平(著) - サンライズ出版
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琵琶湖博物館ブックレット6

タガメとゲンゴロウの仲間たち

A5判
120ページ
並製
価格 1,500円+税
ISBN
978-4-88325-634-1
Cコード
C0345
一般 全集・双書 生物学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2018年3月
書店発売日
登録日
2018年2月19日
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紹介

一昔前の農村では当たり前に近くの水田や池沼で見ることができたタガメとゲンゴロウの仲間たちは、現在では数が激減し、野外で出会うことも難しい昆虫となった。タガメのメスの卵塊破壊や「田のムカデ」とよばれる8センチにもなるゲンゴロウの幼虫など、それらの生態には不思議な特徴に満ちている。49の視点から普段じっくり見ることのできない希少な水生昆虫を写真と資料で詳細に解説。

目次

はじめに
第1章 水生昆虫の世界へようこそ
01流水性の水生昆虫
02止水性の水生昆虫
03水生カメムシ、水生甲虫の呼吸
04水生昆虫の生息場所
1 水田で暮らす水生昆虫
2 湖や池沼で暮らす水生昆虫
3 河川や水路、地下水で暮らす水生昆虫
05水生昆虫の飛行と移動
第2章 タガメの仲間たち
06世界のコオイムシ科昆虫
07コオイムシとオオコオイムシ
08オオコオイムシ、背中の卵数からわかること
09オオコオイムシの乱婚型産卵行動
10コオイムシ類のオスの卵保護行動
11タガメはマムシまで捕食する
12タガメの産卵
13タガメのオスは卵を育てる
14タガメのメスが卵塊を破壊する
152卵塊を並行して保護する
16外国産のタガメを飼育する
17なぜ卵塊を破壊するのか
18それは卵から始まった
19タガメの幼虫の成長と羽化
20タガメの冬越し
21ミズカマキリとヒメミズカマキリ
22タイコウチとヒメタイコウチ
23コバンムシとメミズムシ
24ナベブタムシの仲間たち
25マツモムシとオオミズムシ
26アメンボの仲間たち
第3章 ゲンゴロウの仲間たち
27ゲンゴロウは早起き
28ゲンゴロウ類の交尾
29ゲンゴロウの産卵
30ゲンゴロウ幼虫の成長と蛹化、羽化
31再発見されたシャープゲンゴロウモドキ
32北海道、沖縄のゲンゴロウ
33中型のゲンゴロウ類
34微小なゲンゴロウ類
35ガムシやコガネムシのなかまたち
36コガシラミズムシ類と微少ガムシ類
37水面を泳ぐミズスマシ類
第4章 水生昆虫とのつき合い方
38絶滅が心配される水生昆虫
39田んぼから虫が消えた
40池からも虫が消えた
41復活したコガタノゲンゴロウ
42法令による採集禁止と保全活動
43タガメの保全活動
44タガメやゲンゴロウを食べる
第5章 タガメやゲンゴロウの飼育法
45タガメの里親になる
46タガメを飼育する
47ゲンゴロウを飼育する
48ミズカマキリ、タイコウチを飼育する
  国内の水生昆虫展示施設
49いまだに分からないこと
  あとがき・謝辞
  参考文献等

前書きなど

■まえがき
 タガメやゲンゴロウは、国内最大級の水生昆虫です。20世紀中頃までは日本各地の水田で普通に見ることができました。農村では誰でもが知っている昆虫でしたが、全国的に数が減り、最近では野外で出会うことが難しい生きものになりました。琵琶湖博物館でも2015年9月1日からタガメとゲンゴロウの生体展示を中止し、2016年7月のリニューアル後も展示していません。展示を続けることは難しいのでしょうか。リニューアル後の琵琶湖博物館のC展示室には、TNB48という標本や写真などで水田の生きものを解説するコーナーができました。その近くに、滋賀県のゲンゴロウがすでに絶滅してしまったこと、タガメも2006年以来、確実な採集記録がないことが解説されています。博物館では他府県産の個体を展示してきましたが、累代飼育を長く続けると繁殖しなくなるため、長期間展示を続けるのは困難だったそうです。産地が近くにない施設では新しい血を頻繁に入れることもかなわず、やむなく展示を中止することにしたのです。
 国内にはタガメやゲンゴロウの常設展示を続けている水族館や昆虫館はまだ残っていますが、これらの園館が10年後も同様に展示を続けることができるかどうかは不明です。子どもたちが本物に会う機会は年々減っています。タガメもゲンゴロウも大きいだけではなく、不思議な生態を持つ素晴らしい昆虫です。その素晴らしい暮らしぶりを、この本でたっぷり味わってください。そして、どうすれば復活するのか一緒に考えましょう。

著者プロフィール

市川 憲平  (イチカワ ノリタカ)  (

姫路獨協大学非常勤講師、元姫路市立水族館館長
1950年生まれ。専門は止水性水生昆虫の保全生態学。タガメやゲンゴロウなどの水生昆虫の生態研究とともに、放棄田を活用してビオトープをつくり、タガメやゲンゴロウなどを保全する活動を続けている。主な著書として『タガメはなぜ卵をこわすのか』(偕成社)、『タガメビオトープの一年』(偕成社)、『きすみ野ビオトープものがたり』(農文協)、『田んぼの生きものたち・ゲンゴロウ』(農文協・共著)、『田んぼの生きものたち・メダカ・フナ・ドジョウ』(農文協・共著)などがある。

上記内容は本書刊行時のものです。