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近江の古民家
素材・意匠
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2017年4月
- 書店発売日
- 2017年4月8日
- 登録日
- 2017年2月17日
- 最終更新日
- 2017年7月22日
紹介
滋賀県は重要伝統的建造物群保存地区4つ、重要文化的景観を6つ有し京都や石川県と並ぶ数を誇る(2017年2月現在)。滋賀県に残るこうした伝統的な町なみは、多様な建造物で構成される。例えば屋根。茅、瓦、板などの素材はもちろん歴史的背景も異なる。本書は、こうした素材や意匠を解説し、伝統的な風景の楽しみ方、古民家の眺め方を指南する。
目次
はじめに
第一章 素材
・茅
コラム 余呉の茅葺民家集落(長浜市菅並地区)
・瓦
コラム 八幡瓦による町なみ(近江八幡市八幡地区)
・板
コラム 町なみのなかの板塀(東近江市五個荘金堂地区)
第二章 意匠
・店構え
コラム 北国街道沿いの店構え(長浜市旧長浜町地区)
・卯建・袖壁
コラム 「うだつ」の町なみ(長浜市木之本地区)
・屋根
コラム 里坊の家並み(大津市坂本地区)
第三章 建物
・洗い場
コラム 洗い場としての琵琶湖(高島市海津地区)
・灰小屋
コラム 近代的な灰小屋(近江八幡市・東近江市)
・移築建造物
コラム 近江風土記の丘(近江八幡市)
さいごに
前書きなど
【まえがきより】
私は、普段、大学で建築史や保存修景計画を専門として研究しています。保存修景計画とは、「文化遺産や歴史的景観の価値を評価し、現実社会に蘇生させ、その活用を図るための計画」のことをいいます。特に、歴史的建造物や伝統的な集落・町なみを対象に調査を行っていますが、勤務している大学がある滋賀県には保存修景計画を必要としているところが多く存在しています。
たとえば、文化財に指定されている建造物で見ると、平成29年(2017)2月現在、国宝・国重要文化財に指定されている建造物の件数が、京都府・奈良県に次いで全国第3位であります。また、単体の建造物ばかりでなく、伝統的建造物群保存地区や文化的景観に代表されるような伝統的な集落・町なみの景観もあります。伝統的建造物群保存地区とは「伝統的建造物群及びこれと一体をなしてその価値を形成している環境を保存するために定める地区」、文化的景観は「地域における人々の生活又は生業及び当該地域の風土により形成された景観地で我が国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」と文化財保護法で定義されていますが、どちらも、基本的には各市町村で地区を指定します。このうち、特に重要なものとして国の選定を受けると、重要伝統的建造物群保存地区(以下、重伝建地区とする)、重要文化的景観(以下、重文景とする)となります。平成29年(2017)2月現在、滋賀県には、重伝建地区が4つ、重文景が6つ、の計10地区があります。これは、京都府・石川県と並んで全国第2位の数を誇ります。
上記内容は本書刊行時のものです。