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生きられる死 服部洋一(著/文) - 三元社
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生きられる死 (イキラレルシ) 米国ホスピスの実践とそこに埋め込まれた死生観の民族誌 (ベイコクホスピスノジッセントソコニウメコマレタシセイカンノミンゾクシ)

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発行:三元社
A5判
356ページ
定価 3,200円+税
ISBN
978-4-88303-467-3   COPY
ISBN 13
9784883034673   COPY
ISBN 10h
4-88303-467-4   COPY
ISBN 10
4883034674   COPY
出版者記号
88303   COPY
Cコード
C1039  
1:教養 0:単行本 39:民族・風習
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2018年9月
書店発売日
登録日
2018年9月1日
最終更新日
2018年9月1日
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紹介

文化人類学は、「我われ自身の死」について何を語ることができるのか?
現代社会の死生観研究のフィールドを米国のホスピスケアの現場に見いだし、「その人らしい死」はいかに生成されるのか、本書はその理論的枠組みを提出した意欲作であり、自身も医療ソーシャルワーカーとして患者・家族・医療者と向き合いつつ紡ぎあげられた。がんと共に生きることがより身近になった今こそ読みたい一冊。

目次

序 文 船曳建夫…………… vii
まえがき 石丸奈加子…………… xii

第1部 「我われの死」の文化人類学を求めて…………… 1
第1章 本書の前提と問題意識…………… 3
 1–1 文化人類学と死 4
 1–2 我われ自身の死と向きあうために:終末期ケアの文化人類学の射程 16

第2部 米国ホスピスにおけるフィールドワーク…………… 25
第2章 米国におけるホスピス運動:フィールドワークの前提…………… 27
 2–1 ホスピスとホスピス運動 28
 2–2 伝統からセント・クリストファー・ホスピスへ:コミュニティとしてのホスピス 34
 2–3 英国から米国へ:哲学としてのホスピス 46
 2–4 確かな財源を求めて:サービスとしてのホスピス 64
 2–5 小結 74
第3章 米国ホスピスの素顔…………… 79
 3–1 調査対象とした2つのホスピス 80
 3–2 米国ホスピスの1日:フィールドワーカーの視点から 90
 3–3 多職種チームを構成する専門家たち 103
  3–3–1 医師 104
  3–3–2 看護師 106
  3–3–3 ソーシャルワーカー 108
  3–3–4 スピリチュアル・ケア・コーディネーター 113
  3–3–5 介護助士 116
  3–3–6 ボランティア・コーディネーターとボランティア 118
  3–3–7 遺族ケア・コーディネーター 122
  3–3–8 その他の専門家 124
 3–4 ケアの流れ:受け入れから退出まで 125
  3–4–1 ケアの手順 125
  3–4–2 ホスピスの受け入れ条件 125
  3–4–3 初回訪問 127
  3–4–4 ケアプランの作成 128
  3–4–5 多職種チーム会議 131
  3–4–6 別れの時 136
第4章 医療用麻薬の活用:薬に埋め込まれた死生観…………… 139
 4–1 医療用麻薬がもたらす差異 141
 4–2 負の側面が安定に資する可能性 152
 4–3 見えないことによる拘束 166
第5章 教育という解決:ホスピスケアにおける教えと学び…………… 171
 5–1 教えと学びの関係 173
 5–2 米国ホスピスにおける教育の性格 176
 5–3 ホスピスケアの2つの方向性 182
 5–4 日本のホスピスケアを巡って 185

第3部 実践の特性:死はいかに扱われるか…………… 189
第6章 ホスピスが看るものと見ないもの…………… 191
 6–1 遠景としての死から近景としての死へ 192
 6–2 全人的苦悩 195
  6–2–1 身体的苦悩 197
  6–2–2 心理的苦悩 200
  6–2–3 社会的苦悩 201
  6–2–4 霊的苦悩 202
 6–3 実践に映り込むスタッフのまなざし 208
 6–4 スタッフの関心の所在 221
第7章 終末期ケアが構築する時間…………… 225
 7–1 死と時間 226
 7–2 長い予測と短い予測 228
 7–3 「自然な」過程を支える技術 240
 7–4 ルーティンの再編が構築する時間 243
第8章 終末期の文脈を形作る力…………… 247
 8–1 死と権威に関するこれまでの議論 248
 8–2 患者と専門家のケアの主導権をめぐる均衡 254
 8–3 権威の分解:専門家間の分業と患者―家族間の力学 265
 8–4 権威の分解がもたらした死の文脈の新しい様相 268

補遺 1 終末期ケアの現場に紛れ込んだ異邦人として……… 271
 はじめに:米国の「在宅ホスピス」から 273
 1 説得力と違和感 273
 2 選択と責任 275
 3 ホスピスからケアを学ぶ 278
補遺 2 「従う」「求める」から「向き合う」関係へ:講座「患者の声を医療に生かす」がめざしたもの………… 283
 1 患者会の多彩な機能とその相互作用 285
 2 患者の声の3相 289
 3 第3の声の可能性 292

文献表 ………… 295

ホスピス、その可能性と危うさ:解説にかえて 松岡秀明………… 309
喪の作業:本書の成立について 渡邊日日………… 317

索 引 ………… 325

著者プロフィール

服部洋一  (ハットリヨウイチ)  (著/文

1974年広島生まれ。東京大学大学院総合文化研究科(超域文化科学専攻文化人類学コース)博士課程単位修得満期退学。社会福祉士、文化人類学者。米国および日本における終末期医療やホスピスプログラムのフィールドワークを通じた医療福祉領域を専門に研究とその実践に携わった。日本学術振興会特別研究員(PD)、東京大学21世紀COE特任研究員、東日本国際大学福祉環境学部講師を経て、2008年より静岡県がんセンター研究員兼ソーシャルワーカーとしてがん患者やその家族の支援に従事。2009年4月より地方公務員(静岡県地方公務員医療社会福祉職)への採用が内定したが、3月27日に心不全(致死性不整脈)により急逝した。享年36。

上記内容は本書刊行時のものです。