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心はいつ脳に宿ったのか 小島比呂志(著) - 海鳴社
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心はいつ脳に宿ったのか (ココロハイツノウニヤドッタノカ) 神経生理学の源流を訪ねて (シンケイセイリガクノゲンリュウヲタズネテ)

医学
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発行:海鳴社
A5判
縦152mm 横215mm 厚さ30mm
350ページ
上製
定価 3,500円+税
ISBN
978-4-87525-334-1   COPY
ISBN 13
9784875253341   COPY
ISBN 10h
4-87525-334-6   COPY
ISBN 10
4875253346   COPY
出版者記号
87525   COPY
Cコード
C3047  
3:専門 0:単行本 47:医学・歯学・薬学
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年7月
書店発売日
登録日
2017年6月26日
最終更新日
2017年7月19日
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紹介

■絵画の歴史と科学の歴史には、相関関係があると言われている。ルネサンス期やオランダ絵画の隆盛とほぼ時期を同じくして、脳・神経科学にも大きな転換点が訪れたのではないか。ルネサンスと対応する転換期は、アラビアからギリシャ・ローマ時代の成果の逆輸入に始まる西ヨーロッパの文化的発展期である。またフェルメール、レンブラントやロイスダール等を輩出したオランダ絵画の隆盛期は、17世紀の科学革命の時期に対応している。
■そこで17世紀の科学革命と脳・神経科学の関連を考えるうちに、デカルトの存在が浮かび上がってきた。このデカルトがヒントになって意識やクオリアの問題と自然科学との関係に注目。
■本書では、以上のような視点で脳・神経科学の源流をたどり、同時に神経科学の側からこの問題の哲学的側面も考えてみた。
■神経科学の研究に携わる学生や若い研究者にとって、①脳の科学史の入門書、②自然科学(神経科学も含まれる)の基本原理である物理学との関連も考えるきっかけ、③さらに心身問題の哲学的側面の入門書、となりうるのではないか。④フランス人の哲学者や科学者について必然的に言及することになった結果、フランス科学思想史の側面の紹介にもなっている。(本書「はじめに」より)

目次

はじめに

第1章 序論:神経科学の源流をたずねて
1.1 脳機能解明の歴史的経緯
1.2 心身問題の思想的発展
1.3 現代脳科学の問題点
1.4 近代科学方法論の発展と物理学史
1.5 近代科学としての脳科学 
1.6 デテルミニスム(決定論)と因果律の懐疑
1.7 デテルミニスムと量子力学での非決定論因果律
1.8 自由意志と因果律の関係
1.9 量子力学と意識
1.10 最近の神経科学のあゆみ

第2章 古代の脳に関する記述
2.1 古代エジプトの脳に関する記録
2.2 古代メソポタミアの医術
2.3 新石器時代とインカ帝国の脳外科手術

第3章 古代ギリシャ・ローマにおける脳に関する知見
3.1 イオニアの自然哲学者とアルクマイオン
3.2 古代ギリシャの医学者ヒポクラテス
3.3 プラトンとアリストテレス
3.4 ヒポクラテスからアレクサンドリアへ 
3.5 古代ローマの医師ガレノス

第4章 ヨーロッパ中世における脳の認識
4.1 中世ヨーロッパの脳の記述
4.2 アラビア文明の西ヨーロッパへの流入

第5章 外科医アンブロワーズ・パレ

第6章 ベルギーの解剖学者
6.1 ヴェサリウスの『ファブリカ』
6.2 ヴェサリウス以後の脳の解剖学

第7章 17世紀の新しい科学革命
7.1 古代ギリシャとアリストテレスの自然哲学
7.2 17世紀科学革命の端緒:ガリレオによる科学革命
7.3 科学アカデミーの成立
7.4 科学革命の発展とその影響
7.5 数学的方法の確立
7.6 実験による検証:ハーヴィの発見
7.7 科学的方法の確立と神経科学

第8章 デカルトの自然哲学とこころの問題
8.1 デカルト哲学とその生涯
8.2 『方法序説』について
8.3 生理学の転機:血液循環説
8.4 脳・神経機能の考え
8.5 脳・神経機能に対する考え方の発展
8.6 心身問題の特徴
8.7 心身問題のデカルト以後の展開

第9章 機械的生理学と動物精気の検証実験
9.1 ハーヴィの血液循環説とデカルトの機械的生理学
9.2 解剖学者トマス・ウィリス
9.3 ウィリス以後の発展と動物精気の検証実験

第10章 生物電気の発見
10.1 ガルバーニによる生物電気の発見
10.2 ガルバーニ以後の研究の進展

第11章 実験医学とデテルミニスム(決定論)
11.1 ベルナールのデテルミニスムと因果関係
11.2 ベルナールとデカルトにおける実験的方法
11.3 デテルミニスムと量子力学を考慮した決定論

第12章 ベルナール以後の神経生理学
12.1 18世紀から19世紀にかけての神経生理学
12.2 脳全体の機能を考えた場合の19世紀の神経科学
12.2.1 ガルの提唱した大脳皮質機能局在論
12.2.2 大脳皮質の機能局在の研究例
12.2.3 運動野の発見
12.2.4 大脳皮質の脳地図の作製
12.2.5 精神医学と神経学

第13章 心身問題の近現代への流れ
13.1 ラ・メトリの人間機械論
13.2 ベルクソンとメルロー=ポンティの身体と意識の問題

第14章 ニューロンとシナプスの生理学と脳機能
14.1 顕微鏡導入による神経細胞の微小スケールでの観察
14.2 神経細胞をめぐる論争
14.3 神経細胞とシナプス伝達をめぐるさらなる論争
14.4 近代的神経生理学の始まり
14.5 バーナード・カッツの人と業績

第15章 自由意志とリベットの研究
15.1 リベットの実験とその影響
15.2 準備電位と意識を伴う自発的行動の関係
15.3 主観的経験の時間的な繰り上げ
15.4 自由意志と因果律の問題
15.5 ヒュームによる因果律の懐疑と脳における因果関係

第16章 量子力学と脳科学
16.1 物理学と脳科学
16.2 古典的物理学による意識の理解
16.3 複雑系とカオス理論による脳機能
16.4 量子力学が脳の研究に有用である他の理由
16.5 ニューロンのマイクロマシン
16.6 その他の可能性

第17章 まとめ

年  表
参考文献
索  引

著者プロフィール

小島比呂志  (コジマヒロシ)  (

小島比呂志
 福岡県生まれ. 京都大学大学院医学研究科生理系専攻博士課程修了. 京都大学医学博士. フランス国立科学研究センター, ユニバーシティ・カッレジ・ロンドン, プリンストン大学など海外の研究機関で計12年間神経生理学の研究に従事.
 現在, 玉川大学大学院脳科学研究科教授. 専門分野:イオンチャネルとシナプスの生理学. 著書:『バイオイメージングの最先端』(共著, 先端医療技術研究所, 2000)/Slow Synaptic Responses and Modulation(共著, Springer, 2000)/『ニューロンの生理学』(仏語翻訳代表, 京都大学学術出版会, 2009)/『脳・神経科学の研究ガイド』(監訳, 朝倉書店, 2013)/Springer Handbook of Bio-/Neuro-Informatics(共著, Springer, 2013)/『脳とニューロンの生理学』(編著, 丸善出版, 2014)

奥野クロエ  (オクノクロエ)  (

奥野クロエ
 静岡県生まれ. 7歳から28歳までパリで過ごす. パリ第3大学(ソルボンヌ校)
応用言語(Langues Étrangères Appliquées, 仏・英・日)学部, 政治・経済学科修士課程修了.
 読売新聞社パリ支局勤務を経て日本に帰国. 現在, フランス語講師, 翻訳, ナレーションなどの分野でバイリンガルとして活動している. イラストレーターを独学で学び, サイエンス分野におけるイラストの製作などを行っている.

上記内容は本書刊行時のものです。