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雲南・貴州-稲作農民と子供達-
中澤茂油絵作品集
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 初版年月日
- 2012年9月
- 書店発売日
- 2012年9月20日
- 登録日
- 2012年9月25日
- 最終更新日
- 2015年12月10日
紹介
中澤茂氏が長年制作のテーマとして描いてきた家族、親子、兄弟姉妹への情愛。人や生き物への優しさ。子供たちの愛らしさ。逞しく働く庶民の姿。雄大にして厳しい自然に魅せられ、故中澤茂氏が最後にテーマに選んだ地は、中国西南部の農耕地帯、雲南省と貴州省でした。中澤茂氏の集大成と言える作品集です。
前書きなど
メキシコ、グアテマラ、中国(北京周辺、江南)、フランス、ネパール、チベット、ブータン、インド、スリランカ、ミャンマー、タイ、時々日本ーの国々を描いてきた中澤茂が次のテーマに選んだ地は、中国西南部の農耕地帯、雲南省と貴州省でした。そこに住む少数民族の人々、その生活、雄大にして厳しい自然に魅せられた中澤は1989年から2008年の間、雲南と貴州それぞれ3回ずつ訪れています。
「俺は百姓の次男坊」と、よく口にしていた通り、新潟の米作農家に生まれた中澤は、子供の時から田んぼの手伝いをし、大学を卒業するまで農繁期には帰省して働いたのですが、それは未だ機械が導入される前の過酷な労働を伴うものでした。彼は、この体験に誇りを持ち、心身を鍛えてくれたことに感謝していました。34歳でメキシコに渡って以来、海外の人々の暮しを題材とした作品を描き続けてきた中澤は、おのれの出自にも関わる集大成として、雲南、貴州を描いていました。
雲貴高原(貴州省と雲南省の東部)は標高1000mから2000mのカルスト台地であり、何百年にもわたって棚田や段々畑を築き続け、耕し続けてきた人々を思う時、その労苦に深く頭を下げ、また雲南省西部を旅した時も、山を拓き平地を耕す勤勉な民に敬意を払うのが常でした。彼らの使う農具も農作業の仕方も「俺たちのと、同じなんだ」と言いながら、懐かしさと同時に喜びをもって制作する日々でした。
家族、親子、兄弟姉妹への情愛。人や生き物への優しさ。子供たちの愛らしさ。逞しく働く庶民の姿。これらは長年中澤が絵のテーマにしてきたもので、雲南、貴州の少数民族の中に同じものを見たのでした。各地に住む少数民族は誇り高く、それぞれに歴史ある文化を持ち、近年、中央や外国から様々の影響を受けながらも、訪れる人を惹きつけて止まぬ魅力にあふれているとは多くの人の語るところです。本来なら巻末に、旅の記録や自作への思いなど中澤自身の言葉を載せるつもりでありましたが、命の期限が切れてしまい果たせませんでした。代りに制作中の日記から抜粋を載せることといたしました。雲南、貴州の少数民族に関する本は沢山出されていますので、関心をお持ちの方は是非見て読んで頂きたいと思います。
版元から一言
中澤茂氏が長年制作のテーマとして描いてきた家族、親子、兄弟姉妹への情愛。人や生き物への優しさ。子供たちの愛らしさ。逞しく働く庶民の姿。雄大にして厳しい自然に魅せられ、故中澤茂氏が最後にテーマに選んだ地は、中国西南部の農耕地帯、雲南省と貴州省でした。中澤茂氏の集大成と言える作品集です。
上記内容は本書刊行時のものです。