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「元典章」が語ること  赤木崇敏(著/文) - 大阪大学出版会
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「元典章」が語ること  元代法令集の諸相

A5判
368ページ
定価 4,500円+税
ISBN
9784872595895
Cコード
C3098
専門 単行本 外国文学、その他

出版社在庫情報
不明
書店発売日
登録日
2017年3月22日
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紹介

元朝期の民間で出版された官吏のマニュアルを模した法令集『元典章』は、モンゴル時代史や文化史、中国法制史を構築する上で極めて重要な史料でありながら、専門家の間でも難解とされてきた。中国文学研究者と東洋史研究者が協力して当時の翻訳体漢語文を解析し、時代状況や文化背景も含めて解説することで、征服王朝「元」の知られざる姿を明らかにする。

目次

"はじめに

第一部 異形のことばたち

第一章 律令と典章―『元典章』はいかに編まれたか―

一 なぜ典章なのか
二 新集の刊記
三 律令と格例
四 奉使宣撫をめぐって
五 中書省の箚付が語ること

第二章 カアンのことばが翻訳されるまで―《盗賊が投降した際の使用人たちを良人とすること》―

一 奇妙な文体〈直訳体〉
二 朝会の模様
三 翻訳の手順
四 さまざまな訳者 さまざまなことば

第三章 地方行政を仲介する文書たち
―《賭博に関する賞金のこと》―

一 『元典章』と文書
二 『元典章』文書の体系
三 呈と申
四 牒
五 箚付
六 照刷
七 元代公文書の特性と今後の課題

第二部 政権と仲介者

第一章 モンケの聖旨をめぐって―《屠殺、狩猟、及び刑罰を禁じる日》―

一 モンケと仏教
二 モンケとカルマ= パクシ
三 〈モンケの聖旨〉の本来のすがた

第二章 カアンとムスリム―《回回が喉を掻き切って羊を屠殺し、割礼をすることを禁じる》―

一 本案件の理解をめぐって
二 回回と〈本俗〉
三 カアンはイスラーム教が嫌いだったのか

第三章 ヒツジを消費する人たち―《羊・馬・牛を抜き取る決まり》―

一 ヒツジの怨み
二 江南のヒツジ
三 ヒツジにかかる税金
四 城市に流れてくるヒツジ

第四章 宣徽院の人びと―《ニセの薬を販売することを禁じる》―

一 ニセ薬とニセ医者
二 造蓄厭魅
三 ニセ薬を禁じる真意
四 太医院使の実態
五 宣徽院の職掌

第三部 地域と交易

第一章 戸籍と〈本俗〉―《弟・妹を兄は他家に養子に出してはならない》―

一 〈斡脱〉と人身売買
二 〈過房〉と〈乞養〉
三 〈贅婿〉について
四 〈収継〉について
五 〈本俗〉について

第二章 身売りと火事と駆け落ちと―《借金の形に身売りする場合は、一年限りの契約書を作ること》―

一 「典雇男女」という問題
二 「碾玉観音」の身分関係― 郡王に属する人たち
三 〈遺漏〉とかけおち
四 江南の風俗への眼差し

第三章 江南の顔役―《職名をもたない位階官が役所を牛耳ること》―

一 モンゴル時代江南社会の〈豪覇〉
二 〈豪覇〉の手口
三 『清明集』の世界―亡宋の旧弊―
四 『元典章』の世界

第四章 モンゴルのひとたちを売りさばく―《人などを海外に輸出することを禁じる》―

一 海外禁輸品の諸相
二 売られていくモンゴル人
三 〈ヒト〉を売買する

あとがき
語彙索引
引用文書資料表
著者紹介

著者プロフィール

赤木崇敏  (アカギタカトシ)  (著/文

赤木崇敏
1976年生まれ。現在、四国学院大学文学部准教授。主な業績に、「唐代前半期の地方文書行政―トゥルファン文書の検討を通じて」(『史学雑誌』117-11、2008年11月)、「十世紀敦煌の王権と転輪聖王観」(『東洋史研究』69-2、2010年9 月)、「唐代官文書体系とその変遷― 牒・帖・状を中心に」(『外交史料から十~十四世紀を探る(東アジア海域叢書七)』汲古書院、2013年12月)等がある。

伊藤一馬  (イトウカズマ)  (著/文

伊藤一馬
1984年生まれ。現在、日本学術振興会特別研究員。主な業績に、「北宋における将兵制の成立と陝西地域― 対外情勢をめぐって― 」(『史学雑誌』120-6、2011年)、「南宋成立期の中央政府と陝西地域― 宋西北辺境軍政文書」所見の赦書をめぐって― 」(『東方学』123、2012年)等がある。

高橋文治  (タカハシブンジ)  (著/文

高橋文治
1953年生まれ。現在、大阪大学文学研究科教授。主な業績に、『成化本「白兎記」の研究』(共著 汲古書院 2006年)、『モンゴル時代道教文書の研究』(汲古書院 2011年)等がある。

谷口高志  (タニグチタカシ)  (著/文

谷口高志
1977年生まれ。現在、佐賀大学教育学部准教授。主な業績に、『皇帝のいる文学史―中国文学概説』(共著 大阪大学出版会、2015)、「愛好という病― 唐代における偏愛・偏好への志向」(『東方學』126、2013)等がある。

藤原祐子  (フジワラユウコ)  (著/文

藤原祐子
1978年生まれ。現在、岡山大学全学教育学生支援機構准教授。主な業績に、「『草堂詩余』と書会」(『日本中国学会報』第59集、2007年)、「『詳註周美成詞片玉集』の註釈をめぐって」(『橄欖』第19号、2012年)、「『草堂詩余』成立の背景―宋末元初の詞の選集・分類注釈本と福建」(内山精也編『南宋江湖の詩人たち―中国近世文学の夜明け』、勉誠出版、2014年)等がある。

山本明志  (ヤマモトメイシ)  (著/文

山本明志
1977年生まれ。現在、大阪国際大学グローバルビジネス学部講師。主な業績に、「河南省滎陽の金元時代の石刻史料」(『歴史評論』783、2015年、pp. 16-25.)、「13・14世紀モンゴル朝廷に赴いたチベット人をめぐって」(『待兼山論叢(史学篇)』45、2011年、pp. 27-52.)等がある。

上記内容は本書刊行時のものです。