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誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり 芳田賢明(著/文) - 印刷学会出版部
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誰も教えてくれなかった デジタル時代の写真づくり (ダレモオシエテクレナカッタ デジタルジダイノシャシンヅクリ)

芸術
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B5判
縦257mm 横184mm 厚さ10mm
重さ 440g
128ページ
定価 2,700円+税
ISBN
978-4-87085-234-1   COPY
ISBN 13
9784870852341   COPY
ISBN 10h
4-87085-234-9   COPY
ISBN 10
4870852349   COPY
出版者記号
87085   COPY
Cコード
C3072  
3:専門 0:単行本 72:写真・工芸
出版社在庫情報
不明
初版年月日
2019年7月10日
書店発売日
登録日
2019年6月6日
最終更新日
2019年6月27日
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紹介

プロとして活動されているフォトグラファーの方々に読んでほしい1冊。銀塩時代の手法を踏襲していたり、デジタルデータの処理に時間を取られていないでしょうか? 今よりも「早く・楽に・良い写真」を作るための考え方を解説します。

■まえがきより
 フォトグラファーの皆様は、仕事に関する技術的な情報をどのように収集されているでしょうか。Webサイト、書籍、セミナーや勉強会。いろいろ方法はありますが、その中で本当に必要な情報はどれだけ入手できているでしょうか。
 写真のデジタル化によって、カメラや撮影といったものが非常に身近になったおかげで、初心者~ハイアマチュア向けの情報は簡単に入手できるようになっています。その反面、プロ向けの情報はなかなか得られにくくなっているように感じています。
 「Webで検索しても、書店に行っても、入門編しか見つからない」、「少し突っ込んだことを調べようとすると、海外の資料になってしまう」、「アナログ時代に温故知新を求めても、当時の書籍や情報を得るのはそう簡単ではない」…… 私はそんなふうに感じていますが、いかがでしょうか。
 そこで、印刷会社でこれまで数多くの写真づくりに携わり、フォトグラファーとしても活動を行っている私が、プロとしてお仕事をされている方向けに、その仕事をよりよいものにしていただくための本をつくることにしました。
 ですから、この本は「入門書」ではありません。Webを見ても本を見ても「それは知ってるんだよなぁ」というレベルのフォトグラファーの方々に、印刷会社のイメージングディレクター兼フォトグラファーという立場から、仕事がちょっと楽になる知識や、仲間や後輩にアドバイスができるような知識をお伝えしたいと思っています。
 具体的には、銀塩時代とデジタル時代の比較、制作にあたってのコミュニケーション、撮影精度の向上、RAW現像やレタッチのことなどについてです。フォトグラファーから実際によく受ける質問や、よくお話ししている内容を中心に構成してあります。
 機材の使い方やレタッチのテクニックなどではなく、もっと根本的で、銀塩時代もデジタル時代も変わらない、写真づくりの話がメインになります。「技術書」ではなく「エッセイ」を読むような感覚で、気楽に読んでいただけたらと思います。
 なお、基本的にはフォトグラファー向けに書いていますが、デザイナーや編集者など、写真づくりに関わる全ての人にとっても参考になるよう心がけました。この本が、早く・楽に・良い写真をつくるための手助けになれば嬉しいです。
 2019年6月
 芳田 賢明

目次

1. イメージングディレクション
 1.1 イメージングディレクションとは
   銀塩写真とドラムスキャナー
   ポジ撮影とJPEG撮影、ネガ撮影とRAW撮影
   フォトグラファーが一人三役を兼ねる時代
   良い写真を早く楽につくる
   クリエイティブとは、コミュニケーションである
   「RGBマスター」をつくることが大切
   イメージングディレクターのプリンティングディレクターとの違いは?
 1.2 クリエイターと印刷会社の関係
   画像処理が製造業からクリエイティブ業へ
   印刷会社がデータ通り複製するだけの業者に!?
   クリエイターと印刷会社が再び手を取り合う

2. カラーコミュニケーション
 2.1 モニターと観察環境
   モニターはデジタル時代のカラービューア
   データ通り? 私のモニター通り?
   ハードウェアキャリブレーションのすすめ
   モニターの設定で大切なこと
   「モニター」と「ディスプレイ」
   正しい観察環境を整える
   色評価用LED?
   環境は光源だけではない
 2.2 「正しさ」と「良さ」
   適正露出とは
   記憶色と忠実色
   記憶色と忠実色の今昔
   チャート合わせは忠実色
 2.3 クリエイターと印刷会社は、なぜ食い違うのか
   「作品」か「原稿」か
   赤字の入れ方
   クリエイターと印刷会社がともに色見本をつくる

3. 撮影を良くしてレタッチを減らす
 3.1 カメラの選択
   無駄なレタッチの削減は、カメラの選択から
   画素数で選ぶか、センサーサイズで選ぶか
   中判カメラの使いどころ
   必ずしも大きなセンサーが良いわけではない
 3.2 撮影光源について
   光を雑に扱えば、画も雑になる
   演色性
   カラーメーター
   露出計
   人工光源の精度
   良い光は、良い写真を早く生み出す
 3.3 レタッチを楽にする、撮影時4つのポイント
   センサーダスト
   カラーモアレ
   白ホリ・バックペーパーの汚れ
   合成前提の撮影で
   撮影時の「少しの一手間」が全体に効く
 3.4 撮影の精度を上げるしかないポイント
   ピントとブレ
   確認はピクセル等倍で
   ピントの確認方法
   ブレの防止方法
   大前提は「良い写真」のため

4. よりよい画づくりのために
 4.1 画づくりの鉄則
   撮りっぱなしは未完成と同じ
   セレクトは「その世界をどう見せたいか」を決める第一ステップ
   評価→設計→調整
   テクニックよりも、まず「見る目」
   設計をする
   調整をする
   根拠があり、説明ができる
   RAW現像も、レタッチも、撮影も同じ
 4.2 技術を使うのか、技術に使われるのか
   道具に振り回されないものづくり
   技術ありきではなく、発想ありき
   人間だからこそやるべき仕事
 4.3 銀塩写真を知る
   RAW現像やレタッチの上達への近道とは
   たくさんの銀塩写真を見る
   暗室でモノクロプリントを焼く
   銀塩もデジタルも、本質は同じ

5. 画づくりの本丸、RAW現像
 5.1 RAW現像の考え方
   RAW現像で画のクオリティが変わる
   主題を明確にするためのRAW現像
   RAW現像は難しい?
   現像結果を撮影に生かす
   光と現像が良ければ、レタッチは確実に減る
 5.2 RAW現像のポリシー
   色調はRAW現像で完結
   レイアウトに組み込んで確認
   RAW現像は一晩寝かす
 5.3 トーンと露出、コントラスト
   トーン
   露出の決め方
   ホワイトバランス
   奥が深いトーンカーブ
   光があれば、影もある
   コントラストについて
 5.4 書き出し時の設定
   ICCプロファイル
   画像解像度
   保存形式
   ビット数
 5.5 RAW現像のまとめ
   ツボを押さえたこだわりが、効率化とクオリティを両立させる
   やっぱり「見る目」
   光画とは、光をトーンにして表現すること

6. 写真の「見せ方」を考える
 6.1 レタッチの考え方
   レタッチは目的ではなく手段
   そもそもなぜレタッチが必要なのか
   涙袋は消しちゃダメ
   レタッチは「隠すべき恥ずかしい作業」なのか?
 6.2 ノイズとシャープネス
   ノイズ? 粒状感?
   ノイズを入れなくても印刷で質感は出る
   ノイズのリファレンス
   シャープネスは2つある
 6.3 インクジェットプリント
   プリンターの選び方
   プリントとモニターのマッチング
   正しいプリント出力とは
   インクジェットプリントを色見本にする場合
   レンタルラボの活用
 6.4 銀塩プリントとオンデマンド印刷
   画像データからの銀塩プリント
   オンデマンド印刷
 6.5 プリントのまとめ
   やっぱりここでも「見る目」
   インプットの進化とアウトプットの進化
 6.6 プロならば
   画づくりだけではない「見せ方」
   「見せ方」でごまかしてはいけない
   「一億総フォトグラファー時代」だからこそ
   「素人目」をナメちゃいけない
   お客様はクライアントだけではない

7. 座談会
 7.1 「相当長めの制作後記」

著者プロフィール

芳田賢明  (ヨシダタカアキ)  (著/文

イメージングディレクター/フォトグラファー。株式会社DNPメディア・アート所属。

1983年東京生まれ。1998年より撮影活動開始。Web上での作品発表の他、写真展も開催。
2002年東京都立工芸高等学校グラフィックアーツ科卒業後、大日本印刷株式会社入社。ドラムスキャナーオペレーター、フォトレタッチャー(写真集、女性ファッション誌、美術館、化粧品広告、食品広告など)を経て現職。

イメージングディレクターとしては、写真集の画像ディレクションを中心に、フォトグラファーと印刷会社(プリンティングディレクター)の間のポジションに立ち、「より良い写真をより早く楽につくる」を提案、実践。執筆や講演も行っている。
フォトグラファーとしては、デジタルМ型ライカを用いたミュージシャンやアイドルのポートレートスナップ、アーティストの舞台裏撮影を得意とし、CDジャケットなどのスタジオ撮影も行っている。

上記内容は本書刊行時のものです。