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論理的に考える力を引き出す 三森 ゆりか(著) - 一声社
.

論理的に考える力を引き出す 親子でできるコミュニケーション・スキルのトレーニング

発行:一声社
A5判
240ページ
定価 1,500円+税
ISBN
978-4-87077-169-7
Cコード
C0037
一般 単行本 教育
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月
2002年1月
書店発売日
登録日
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重版情報

12刷 出来予定日: 2018-01-01
10刷 出来予定日: 2012-03-10
超ロングセラー。子どもが社会人として生きていくためには、自分の考えを相手が分かるように伝える力、相手が言う事の要点を聴き取る力、問題の要を見抜く力が不可欠。幼児の頃から、楽しいゲーム感覚で練習できる本。

紹介

子どもの話す言葉が、細切れの単語だけになる、何を言っているのかわからない、意思が通じないのでキレてしまう、そういう経験はありませんか?
本書は、長年子多数野どもを指導してきた豊富な経験を凝縮し、家庭や学校で簡単に楽しく取り組めるトレーニング方法からより高度な訓練まで、わかりやすく紹介。

目次

快適な生活を造るコミュニケーション能力
はじめに
第一章 コミュニケーション・スキル
Ⅰ コミュニケーション・スキルはなぜ必要なのか
 1.コミュニケーション・スキルとは何か
 2.コミュニケーション・スキルは生活技術
Ⅱ コミュニケーション・スキルと教育
 1.日本の国語教育とドイツの国語教育
 2.英語を話すために必要なコミュニケーション・スキル
 3.ルイテン先生の英語の授業
 4.ドイツの小さな女の子
 5.子供のトレーニングは親の責任
第二章 言語環境を整えましょう
      ―身近なところからトレーニング―
Ⅰ 意識を変えてみましょう
 1.相手の目を見て話しましょう
    視線をそらすことの意味
    子供が視線をそらしたら
    相手の目を見てお礼を言いましょう
 2.人の話を良く聴きましょう
    私語にかき消される授業参観
    人の話を聴くことはコミュニケーションの基本
 3.「察しの悪い大人」になりましょう
    (1)「あれ」って何?
    (2)きちんと最後まで言いましょう
       待てど暮らせど出てこない牛乳
       子供の言葉を勝手に補わないで!
       幼稚園の先生の見事な対応
       「先生、ノート!」
    (3)「察しの悪い親」になるには
       「察しの悪い親」に必要な力
       Y牧師が伸ばした子供の力
 4.自分を認識しましょう
    (1)主語に敏感になりましょう 
      主語の省略による弊害
      第一人称主語を入れましょう
      第三人称も陽のあたる場所に
      あなたが練習をしてみましょう
      家庭で練習しましょう
   (2)「みんな」とは誰でしょう
      「みんな」に埋もれず「私」を持ちましょう
      「みんな」に敏感になるための「問い返しのスキル」
 5.「知らない」「分からない」「別に」はコミュニケーションを拒絶する言葉
   (1)「知らない」「分からない」にはこんな風に対応しましょう
   (2)「別に」にはこんな風に対応しましょう
Ⅱ 挨拶を実行しましょう
 1.挨拶の役割を見直しましょう
    腕白マシューは挨拶上手
    挨拶は潤滑油
 2.基本的な挨拶を交わしましょう
    「どういたしまして」を復活させましょう
 3.感謝を伝えましょう
    お友達の家で手作りのおやつを出されたら
    お友達のお誕生日に招待されたら
 4.知らない人にも挨拶は必要
 5.お願いする時には
    レストランでジュースとケーキを注文する時
    スーパーマーケットのレジで
    家庭でも「please」を習慣にしましょう
 6.上手に断るとは?
    欧米人は本当にはっきりと断るの?
    ひとことで断るのはなぜいけないの?
    断る理由を並べ立てるのはなぜいけないの?
    誘ってくれた相手の気持ちを損なわない断り方
    欧米では「ありがとう・・・でも」が基本マナー
    家庭で練習しましょう
Ⅲ 論理的に考える習慣をつけましょう
 1.子供の「どうして?」「なぜ?」に答えましょう
    「どうして?」「なぜ?」の質問をはぐらかしていませんか?
    「どうして?」「なぜ?」の質問をうるさがっていませんか?
    「屁理屈」を切り捨てないで!
    大人が答えないと子供は考えなくなります
    大人が子供に「どうして?」と訊ねましょう
    「どうして?」に答える会話のスキル
 2.曖昧な質問はやめましょう
    (1)○○はどうしますか?
       質問の基本は5W1H
    (2)「それでどうだった?」
 3.答えをぼかすのはやめましょう―とか弁―
    子供が「とか」と言ったら
 4.かみ合った問答をしましょう
    (1)どんどん話が横道に―羅列型の問答
    (2)話がかみ合う―キャッチボール型の問答
       子供と楽しむキャッチボール型の問答
       キャッチボール型の問答のこつ
第3章 「問答ゲーム」を使ってトレーニング
Ⅰ「問答ゲーム」の目的
 1.世界に通用する「問答型のコミュニケーション・スキル」の獲得
 2.相手の「問い」に即座に的確に「答える」技術の獲得
 3.矢継ぎ早に質問された時に対応できる思考力と精神力の鍛錬
 4.結論を述べてからその理由を言う技術の獲得
 5.自分の考えにたいする責任の認識
 6.討論・ディベートの能力の獲得
 7.論理的思考力の獲得
 8.会話の「中身」を構成する力の獲得
Ⅱ 「問答ゲーム」の難易度と対象年齢
 1.難易度と取り組む順番
 2.対象年齢の目安
    (1)好きですか。嫌いですか。
    (2)交渉しましょう
    (3)議論の力を育てましょう
Ⅲ 「問答ゲーム」をやってみましょう
 1.基本型:好きですか?嫌いですか?
    (1)基礎:初心者向けトレーニング
    (2)応用1:答えの指定
    (3)応用2:ナンバーリングを使って理由を整理する
    (4)応用3:印象から分析へ―理由の中身を考える
 2.どちらが好きですか?
 3.どちらを選びますか?
 4.いつ?どこ?誰?何?どうして?どのように?
 5.交渉する
    (1)○○が欲しい
    (2)○○が必要です
 6.議論の力を育てましょう
    (1)事実か意見か
    (2)意見を言いましょう
       基礎:自分の立場をはっきりさせましょう―賛成か反対か
    (3)応用:反対の立場で意見を言いましょう
    (4)相手の意見を受け容れましょう:たしかに・・・でも
第4章 21世紀の日本の子供へ
Ⅰ つくば言語技術教育研究所の子供
 1.子供の提案で作った教材
 2.「6年生を送る会はどうしますか?」
 3.ぐるぐる回る話
 4.「この文には主語がないね。」
 5.英語での討論と問答ゲーム
 6.かみ合わない討論
7.三森先生の顔が浮かぶ
Ⅱ 感受性も育むコミュニケーション・スキル
Ⅲ 「日本社会適応モード」と「国際社会適応モード」
Ⅳ 子供の論理的に考える力を引き出しましょう
おわりに

前書きなど

書店のビジネス書の部門に「論理的」「ロジカル」という言葉の入った書籍
が数多く並ぶようになりました。これらの言葉が入った書籍はいずれも飛ぶ
ような売れ行きです。「論理的」であることがビジネスの世界で重要視されて
いる証拠でしょう。ところで、「論理的」であること「ロジカル」であること
は、仕事の上でのみ重要なのでしょうか。
 そもそも、「論理的」(ロジカル)とはどういうことでしょうか。「論理的」
という言葉が日本語ではあまり日常的に使われていないため、「論理」という
と「難しいこと」と誤解される傾向にあるように私は思います。けれども、
本来「論理的」はさほど難しいことではありません。簡単に言えば、相手が理
解できるように、筋道を立てて分かりやすく表現することが「論理的」です。
「論理的」をこのように単純に考えてみると、私達の日常生活の中でも「論
理的」に考えたり、コミュニケーションをしたりすることの重要性が理解し
やすくなるのではないでしょうか。私達は日常的に、他人に何かを説明した
り、報告したり、自分の意見を述べたりして生活をしています。親子の間で
も、母親が子供に物の使い方を説明したり、子供が親に学校の様子を説明し
たりする場面がたくさんあります。このようなときに、相手の理解と納得を
引き出すために必要なのが「論理」です。さらに、話し手と聴き手が互いに
理解し合いながらコミュニケーションをするために必要なのが「論理」なの
です。「論理的」に話をすることによって、お互いの考えや感情が理解しやす
くなり、他人同士が互いに分かり合って生活をすることができるようになる
のです。たとえ親子であっても、それぞれの心の中を完全に理解することは
できませんから、親子間のコミュニケーションを滞りなく、風通しの良いも
のにするためにも「論理的」であることはとても大切です。

 日常生活でのあなたのコミュニケーションの様子を想像してみて下さい。
あなたは相手が理解できるように話すことができますか。あなたは自分のコ
ミュニケーション能力に自信がありますか。言葉を使って他人に何らかの情
報を与えようとするとき、あなたは相手がはっきりと理解できるように上手
に話を組み立ててコミュニケーションをすることができますか。
 あなたの子供についてはどうでしょうか。子供は自分の言いたいことを親
であるあなたが理解できるように、「論理的」に分かりやすく話をすることが
できますか。思いついたところから話し始めるので、何を言っているのかよく分からない。なぜそうしたいのか、理由が分からない・・・等々、あなたは子供の話し方を問題視したことはありませんか。自分の言いたいことをうまく親であるあなたに伝えられなくて、子供がイライラすることはありませんか。親であるあなたは、子供が支離滅裂な話し方をすることに不安を感じたことはありませんか。
 「論理的」に思考したり、コミュニケーションをしたりする能力は、持って生まれた才能ではありません。論理的に思考するため、論理的にコミュニケーションをするためには、そうするための技術が必要なだけです。これは欧米では、「言語技術」、「コミュニケーション・スキル」などと呼ばれています。そして、技術である以上、然るべきトレーニングをすれば、誰でも論理的にコミュニケーションできるようになるのです。子供が自分の想いや意見を分かりやすく表現できないのは子供の才能の問題ではなく、単にトレーニングさえ行えば、論理的に考え、理路整然と自己表現のできる子供に変身するはずです。そして、このトレーニングは子供の一番身近にいて、子供の言葉の獲得に強い関心と影響力を持っている親であるあなたが行うのが、最も効果が高いのです。
 本書は、子供から論理的な思考力と論理的なコミュニケーション能力を引き出すためのトレーニングの方法をまとめたものです。論理的な思考力や論理的なコミュニケーションの技術は、大人になってから仕事のために大慌てでノウハウを学ぶものではなく、子供の時から日常のコミュニケーションの中で自然に身につけるべきものです。本書では、子供が日常生活の中で自然に楽しみながら論理的に考え、論理的にコミュニケーションをするための技術(スキル)を獲得する方法を詳しく説明しました。
 もしあなたが私の考えに共感を覚えてくださるのなら、さっそく日常生活
の中で言葉のトレーニングを始めましょう。子供の言語環境を整え、子供に
論理的なコミュニケーション・スキルを身につけさせるためには、まずは親
であるあなたがスキルを身につけて下さい。本書をよく読み、方法が理解で
きたら、さっそく家庭での日常生活の中で実践してみましょう。子供との繰
り返しのトレーニングの中で、あなた自身のコミュニケーション・スキルも
いつの間にか向上することになるでしょう。
 コミュニケーション・スキルについて十分に理解していただくために、本
書は3部構成になっています。
 第1章では、コミュニケーション・スキルについて概説しました。ここで
は、コミュニケーション・スキルがどういうものなのか、なぜそれを身につ
ける必要があるのかということを説明してあります。
 第2章には、日常生活の中でよく見られる言葉の使い方とその問題点を示
しました。この第2章は、家庭でのコミュニケーションのあり方全体を見直
すことに役立てていただきたいと私は考えています。家庭は、子供にとって
言葉を身につけるための最も重要な場所です。この家庭の言語環境のあり方
が、子供の言葉に深い影響を与えると言っても過言ではないでしょう。親が
日常的なコミュニケーションに関心を持ち、子供が論理的に考え、論理的に
コミュニケーションできるように条件を整えると、子供はごく自然にコミュ
ニケーション・スキルを身につけることができるでしょう。
 第3章には、コミュニケーション・スキルを身につけるための具体的なト
レーニング方法を提示しました。私の教室で子供に実施している「問答ゲー
ム」というトレーニング方法です。「問答ゲーム」は、楽しんで遊びながら論
理的な思考力と論理的で知的なコミュニケーションの技術を身につけられる

ように構成しており、私の教室で大きな成果を上げているゲームです。本書
にはその方法を詳しく解説すると共に、練習問題も載せました。第2章で提
案した基礎的なスキルと平行して「問答ゲーム」を取り入れると、子供は
「論理的」ということをよりはっきりと意識してコミュニケーションできるよ
うになるはずです。
 本書で提案したコミュニケーション・スキルは、人間が生きていくために
もっとも大切で、かつ役に立つ生活のための技術です。なぜなら人間は言葉
を用いて生活しているからです。人の話を聴く時、人と話をする時、物を読
む時、何かを書く時、どんな時も言葉を人間から切り離すことはできません。
また、物を考える時にも、何かを感じたりする時にも言葉はとても大切です。
家庭や学校、職場など、日常生活の中で自分の考えを思い通りに分かりやす
く相手に伝えることができたら、人生はどんなに豊かで実りの多いものにな
るでしょう。また、日本国内だけでなく、これから子供が国際社会に出て行
った時、自分の考えを堂々とした態度で理路整然と相手に伝えることができ
たら、世界の人々との交流はどんなにか楽しく充実したものになるでしょう。
 子供が、日本と国際社会を視野に入れたこれからの社会に必要不可欠なコ
ミュニケーション・スキルを身につけられるかどうかは、親であるあなた次
第です。さあ、本書を開き、トレーニングの方法を学びましょう。そして、
子供と一緒にコミュニケーション・スキルのトレーニングを始めましょう。
本書が、親子のコミュニケーション・スキルの向上のみならず、親子間の心
の交流にも役に立つことを私は願っています。

版元から一言

文部科学省・日本サッカー協会・ソニー教育財団など、各方面で活躍する著者がブレイクするきっかけとなった記念すべき一冊。
論理トレーニングがビジネス書として好調な頃、子どもに厭離トレーニングをさせる異色な本として注目を浴びた。
日本サッカー協会のキッズ指導者用のテキストとして使用されている本。

著者プロフィール

三森 ゆりか  (サンモリ ユリカ)  (

つくば言語技術教育研究所所長。日本読書へのアニマシオン協会副会長。財団法人ソニー教育財団評議委員。平成18年度文部科学省言語力育成協力者会議委員。
日本サッカー協会コミュニケーションスキル専任講師、麗澤中学・高校非常勤講師、茨城県立中央看護専門学校非常勤講師、朝日カルチャースクール講師、
東京生まれ、中高4年間をドイツで過ごし、ドイツ式論理トレーニングを学ぶ。上智大学ドイツ語学科卒。丸紅勤務後、1984年にドイツ式作文教室を主宰、1990年言語技術教室開設(現つくば言語技術教育研究所)。
主な著書=『外国語を身につけるための日本語レッスン』『子どものための論理トレーニングプリント』

上記内容は本書刊行時のものです。