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玄界灘から見る古代日本
- 出版社在庫情報
- 在庫あり
- 書店発売日
- 2019年1月15日
- 登録日
- 2020年3月24日
- 最終更新日
- 2020年12月17日
紹介
九州大学名誉教授 西谷正氏推薦!
玄界灘は、日本の古代史を考える上で極めて重要な地域であるという認識に立って、平和時の外交・経済や文化交流と、緊張時の戦争の実像に肉迫する。その際、何よりも玄界灘における舟・船と航海の問題が解決されねばならず、多角的かつ独自の視点に新たな切り口から、たとえば、潮汐流の流れなどに着眼して挑戦する。本書は、日本の古代史を玄界灘にいわばコンパスを据えて、広く北東アジアの関係史の解明に迫ろうとした意欲的な著作である。一読をお勧めしたい。
2017 年に世界文化遺産に登録された沖ノ島。その周囲を取り囲む玄界灘。この海域は古代日本にとって、大陸間の交流や文化の伝播などの重要な役割を果していた。当時の日本人は彼方の大陸や朝鮮半島との交流に、唯一の交通手段であった「船」を使用した。本書では、古代日本に欠かせない「玄界灘」と「船」を軸に、様々な角度から当時の姿を考察する。
大陸文明の摂取や諸勢力との交流の舞台となった玄界灘を行き交った人々の姿をより鮮明に復元した一冊。
目次
第Ⅰ部 「玄界灘」と航海
第1章 舟・船について
神津島の黒曜石と丸木舟による航海/日本列島への人類の渡来/
丸木舟の出現/準構造船の出現/韓国の船体遺物/構造船と帆/
中国における構造船
第2章 航海について
対馬海峡の海流と潮流/準構造船と対馬海峡の渡海ルート/小呂
島バイパスルート/港と船着き場/準構造船の実験航海/中国・
朝鮮半島との通交ルート/瀬戸内海について/日本海ルートにつ
いて/青谷上寺地遺跡と集団虐殺
第Ⅱ部 「玄界灘」と対外関係史
第1章 使節団の従来と外交
奴国と伊都国の外交/邪馬台国とヤマト王権の成立/卑弥呼使節
団のイメージ/倭の五王/高句麗・遣倭使/遣隋使(北路)/前
期遣唐使(主に北路)/後期遣唐使・南路の時代/渤海使(渤海
・遣日使と日本・遣渤海使)/新羅使(新羅・遣日使と日本・遣
新羅使)
第2章 戦いの歴史
広開土王(好太王)碑文と半島派兵/栄山江流域の前方後円墳/
任那(加耶諸国)の滅亡/筑紫の君・磐井戦争(内戦)/白村江
の戦い(対唐・新羅戦)/朝鮮式山城の造営と大宰府羅城/壬申
の乱と日本国・天皇の誕生
第Ⅲ部 「玄界灘」と文化の伝播
水田稲作文化の到来 弥生時代の始まり/金属文化(銅と鉄)の
到来 弥生前期末~中期/新羅との通交と鉄入手/馬匹文化の受
容と馬の海上輸送/騎馬民族征服王朝説/朝鮮半島の(列島製)
木棺/棺材の運搬(渡海)について/日本列島の木の文化/ト骨
と海上祭祀/舟葬について
第Ⅳ部 総括
上記内容は本書刊行時のものです。