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東アジアの都市とジェンダー 小林 ふみ子(編) - 文学通信
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東アジアの都市とジェンダー (ヒガシアジアノトシトジェンダー) 過去から問い直す (カコカラトイナオス)

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発行:文学通信
A5判
456ページ
並製
価格 2,800円+税
ISBN
978-4-86766-005-8   COPY
ISBN 13
9784867660058   COPY
ISBN 10h
4-86766-005-1   COPY
ISBN 10
4867660051   COPY
出版者記号
86766   COPY
Cコード
C0095  
0:一般 0:単行本 95:日本文学、評論、随筆、その他
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2023年3月31日
書店発売日
登録日
2023年3月10日
最終更新日
2023年4月13日
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紹介

都市と地方との格差が国を超えて問題化する今日、都市とは人間にとってどのような場なのか。
本書は、近世から近代初期の江戸東京に視点をおき、同時代の東アジアの諸都市と比較しながら、その特徴を探るとともに、あらためて人間にとっての都市という存在の意義を問い直す。中国文明の大きな影響のもとにあって、歴史的に一国の政治経済の中心として建設された点で江戸東京と共通する朝鮮の漢陽との比較をはじめとして、東アジアのさまざまな都市を視野に問題を考える。
全体を、第1部「都市生活を較べる」第2部「女性の描く都市・都市のなかの女性」第3部「日中韓の女性たち」にわける。各国の都市文化から立ち現れてくるものは何か。ジェンダー・性・身分・階層・職分にも目を配りながら編む。
付録として、漢陽の文人柳得恭の記した歳時記『京都雜志』をもとにした『朝鮮の雑誌―18~19世紀ソウル両班の趣向』から4編を掲載。
関連年表、東アジアの女性文芸を知るためのブックガイドも完備。
近代以降、今日まで続く、政治を含めた日本社会の問題を捉えることも視野に入れた、最新の比較都市文化論。

執筆は、市川寛明・岩田和子・大木 康・金谷匡高・金 美眞・呉 翠華・高 永爛・小林ふみ子・鄭 敬珍・仙石知子・染谷智幸・高村雅彦・福 寛美・藤木直実・田中優子・土田牧子・山田恭子。

目次

まえがき──東アジア近世・近代都市はいかに経験されたか(小林ふみ子)


第1部 都市生活を較べる

01 十八世紀の漢陽と江戸における芸能―「芸能の場」という視座からの考察―
土田牧子
一、はじめに
二、十八世紀、漢陽における芸能
三、『奉仕図』第七幅に描かれた曳山台
四、『落成宴図』に描かれた民衆芸能
五、十八世紀、江戸の芸能  
六、劇書・錦絵に描かれた芝居小屋の内外
七、『山王祭之図』に描かれた祭屋台
八、おわりに──漢陽と江戸の「芸能の場」

02 十八~十九世紀の漢陽の市場、その中を覗いてみる
金 美眞
一、はじめに
二、漢陽の市場
三、描かれた漢陽の市場──「城市全図応令」と「太平城市全図」
四、おわりに

03 近代における市場空間の表と裏―神田多町市場を例として―
金谷匡高
一、はじめに
二、東京の中の市場
三、神田市場の立地
四、神田市場内に集まる人々
五、神田青物市場の空間について
六、街路と地価
七、おわりに

04 園芸文化で比較する漢陽と江戸
市川寛明
一、園芸文化にみる正統文化からの逸脱
二、「花を育て、木を植える」を読む 
三、おわりに──園芸文化の江戸と漢陽

05 江戸・漢陽にみる花見と遊山
鄭 敬珍
一、漢陽における花見・遊山の中心地と漢陽都城
二、漢陽の花見と遊山
三、江戸における花見──桃の花、蓮の花、柳
四、江戸における花見──桜
五、文人たちの花見──小金井
六、まとめ

06 東アジア都市の行楽地とその場所性
高村雅彦
一、日中韓に見る花見の名所とその立地
二、名所の場所性と意味
三、「姑蘇繁華図」に描かれた遊山の風景
四、『清嘉録』に読む年中行事の行楽地
五、現代蘇州の名所空間
六、場所性を受け継ぐ名所空間

第2部 女性の描く都市・都市のなかの女性

07 『おもろさうし』の聞得大君―聞得大君と首里城、地方―
福 寛美
一、はじめに
二、巻一―一のオモロ
三、首里城内の聖域
四、聞得大君の霊能
五、聞得大君の乗馬のオモロ
六、聞得大君と「三平等の大アムシラレ」
七、おわりに

08 朝鮮後期女性漢詩人の特徴とその周辺環境
山田恭子
一、はじめに
二、朝鮮後期女性漢詩人の概観
三、その特徴と周辺環境
四、三湖亭詩社の結成
五、おわりに

09 明清小説のなかの女性
仙石知子
一、はじめに
二、不貞許容の条件
三、族譜に見られる血筋の重視
四、商人の妻
五、おわりに

10 韓国古典小説の漢陽と女性の愛欲
高 永爛
一、朝鮮王朝時代の首都漢陽
二、『雲英伝』の漢陽と女性
三、『折花奇譚』の漢陽と女性
四、『布衣交集』の漢陽と女性
五、漢陽と女性の愛欲

11 女性戯作者の描く都市江戸―「婦人亀遊」の黄表紙から―
小林ふみ子
一、はじめに──近世日本の女性のことばと都市
二、作者「婦人亀遊」とその男性疑惑の問題
三、『嗚呼不儘 世之助噺』の女性視点
四、都市の危険性と可能性
五、おわりに

12 訴えに行く女性たち―清末唱本の一側面―
岩田和子
一、はじめに
二、『滴血珠』説唱故事の形成
三、『滴血珠』故事の流布
四、清末四川唱本にみえる「訴えに行く女性たち」
五、おわりに

13 百貨店文化と女性作家―与謝野晶子、森しげの『三越』掲載作品を中心に―
藤木直実
一、百貨店文化の展開と文学
二、女性作家の描いた三越
三、ノラたちの冒険

14 清末民国初期台湾女性の都市―『楊水心日記』にみる―
呉 翠華
一、はじめに
二、楊水心にとっての都市──霧峰林家
三、もう一つの都市──東京
四、おわりに

第3部 日中韓の女性たち

15 都市に生きた多様な女性たち
田中優子
一、表現する女性、表現される女性
二、表現される女性たち
三、江戸の女性たち
四、女湯に集う女性たち
五、表現する女性たち

16 中国明清時代の都市と女性をめぐる覚え書き
大木 康
一、「商人の妻」
二、郷村の女性と文学
三、『雨窓欹枕集』の性格
四、顔を見せない女性、見せてよい女性
五、「小説」を書く女性
六、裁判と文学

17 廳上の野談、廳下の淫談―朝鮮時代の女性たちの深奥にせまる―
染谷智幸
一、イザベラ・バードの見た、都市ソウルの女性たち
二、野談と淫談
三、『紀伊齋常談』の一話
四、『紀伊齋常談』のリアリティ
五、『紀伊齋常談』の特色
六、廳上の野談、廳下の淫談
七、野談と淫談に通じるもの

付録
『朝鮮の雑誌─18~19世紀ソウル両班の趣向』翻訳
翻訳:染谷智幸・金美眞・鄭敬珍
『朝鮮の雑誌─18~19世紀ソウル両班の趣向』について
 〈翻訳の意図〉
 〈本の紹介〉
 〈著者紹介〉
 目次
 序
 8「花を育て、木を植える」
 14「市場にはあらゆる食べ物と詐欺師、そして語り手」
 15「花見(花遊び)はここで」
 16「演奏と踊り、そして芝居」

関連年表
(歴史的画期、中国、朝鮮、日本、琉球、台湾)

東アジアの女性文芸を知るためのブックガイド
(中国・韓国・日本)

あとがき(小林ふみ子・染谷智幸)

執筆者一覧

著者プロフィール

小林 ふみ子  (コバヤシ フミコ)  (

法政大学文学部教授(日本近世文学・文化)
著書・論文に『へんちくりん江戸挿絵本』(集英社インターナショナル、2019年)、『大田南畝 江戸に狂歌の花咲かす』(岩波書店、2014年)、『好古趣味の歴史 江戸東京からたどる』(共編、文学通信、2020年)、「江戸文芸のなかの外来者―方言と視点と」(法政大学江戸東京センター編『EToS叢書4 新・江戸東京研究の世界』法政大学出版局、2023年)、「(コラム)東アジアの地図を読む―19世紀大坂商人の東アジア」(小峯和明編『東アジアに共有される文学圏』(東アジア文化講座第3巻、文学通信、2021年)など。

染谷 智幸  (ソメヤ トモユキ)  (

茨城キリスト教大学文学部教授(日本近世文学、日韓比較文学・文化)
著書に『冒険・淫風・怪異―東アジア古典小説の世界』(笠間書院、2012年)、『西鶴小説論』(翰林書房、2005年)、『はじめに交流ありき』(編著、東アジア文化講座第1巻、文学通信、2021年)、『全訳 男色大鑑・武士編/歌舞伎若衆編』(編著、文学通信、2018・2019年)、『韓国の古典小説』(共編、ぺりかん社、2008年)、『日本近世文学と朝鮮』(共編、勉誠出版、2013年)、論文に「日朝文士の齟齬はいかに起こり得たか」(『文学』岩波書店、2015年)、「十六・七世紀の東アジア海域と男色ネットワーク」(『文学』岩波書店、2012年)など。

上記内容は本書刊行時のものです。