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海峡国家から列島国家へ 中村 隆之(著) - 海鳥社
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海峡国家から列島国家へ (カイキョウコッカカラレットウコッカヘ) 君主国・倭国・日本国 (クンシュコクワコクニホンコク)

歴史・地理
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発行:海鳥社
A5判
392ページ
並製
定価 2,300円+税
ISBN
978-4-86656-075-5   COPY
ISBN 13
9784866560755   COPY
ISBN 10h
4-86656-075-4   COPY
ISBN 10
4866560754   COPY
出版者記号
86656   COPY
Cコード
C0021  
0:一般 0:単行本 21:日本歴史
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2020年4月30日
書店発売日
登録日
2020年4月23日
最終更新日
2021年3月13日
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紹介

養老4(720)年5月21日に『日本書紀』が奏上されてから、今年で1300年になる。その『日本書紀』の一番の問題点は「年月日、特に紀年が正しく編纂されていないのではないか」ということである。
本書では『日本書紀』に記された誤った大歳干支を当時の暦法に基づく朔干支で再解釈し、正しい年代に修正。また、国内外の史料に記された地理情報を整理し、現在の地名をできるかぎり付記した。正しい情報で読み直すことで、朝鮮半島の一部を含む古代の海峡国家から、覇権を失い日本列島内に支配地域を縮小するまでの変遷が見えてくる―。
*巻末に月読暦に西暦と月を加えた一覧表のほか、古代史研究の助けとなる資料を多数収録

目次

はじめに 3

Ⅰ 君主国時代(BC七~BC一世紀)
地理的範囲
 君主国
 秦の万里の長城
 「朝鮮」という地名 
 秦・前漢の統一とその東北境界
 武帝期の領域拡大
 漢の長城
 朝鮮の四郡地域再々編
暦法と実年代
 殷周年代は二倍暦使用の可能性も
 西周暦の発展
 春秋時代の暦法
 戦国時代前半まで二倍暦を使用
 顓頊暦以降は一倍暦を使用
 太初暦の使用
皇 統
 天御中主尊の皇統
 現生人類の移動と日本列島への到着
 朝鮮半島及び日本列島に縄文・弥生文化を築いた人集団
 君主国の建国へ
 君主国の領域拡大とO3系
 蓋国など周辺国の弱体化と武帝の朝鮮四郡設置の影響
 皇統二七五〇年

Ⅱ 倭国時代(一世紀~四世紀中頃)
第一次倭国時代 一〇年代~一八〇年頃 奴国朝(奴国=福岡・大分県)
 倭国と奴国の領域
 朝鮮半島中北部
 後漢時代の二つの高句麗と玄菟郡・楽浪郡
 天御中主尊・奴国王・金印
 倭面土王と暦法
 伊弉諾尊
 『三国史記』の暦法
 公孫氏の支配した遼西郡・中遼郡・遼東郡・玄菟郡・楽浪郡・帯方郡
第二次倭国時代 一八〇年頃~三六三年 邪馬台国朝(邪馬台国=福岡・大分・熊本・長崎県)
 「天御中主尊」時代から「天照大神」時代へ
 邪馬台国の位置と帯方郡から狗邪韓国への行程
 壱岐から水行距離千余里の四カ国
 盟主国としての邪馬台国
 盟友国としての投馬国
 その余の傍国二十一カ国と狗奴国及び澶洲以東の特定
 海中と海外
 「天照大神」四代 
 最新の太陰太陽暦(月読暦)の使用
 大国主尊と皇位継承戦争
 台与の政権と神武東征
 四大国と国県制度
 『三国史記』高句麗・百済の二倍暦時代と新羅の三倍暦時代
 異なる地域の馬韓(韓族)の成り立ち
 後漢・魏時代の東夷諸国(夫余・高句麗・東沃沮・挹婁・濊貊)の位置
 神武天皇から開化天皇

Ⅲ 日本国時代(四世紀中頃~)
第一次日本国時代前期 三六四~四二〇年 貴国朝前期(貴国=福岡・大分・熊本・長崎県)
 邪馬台国から貴国へ
 大駕羅国から任那国・加羅国へ
 任那・加羅・新羅・慕韓・秦韓
 崇神天皇と垂仁男弟王
 石上神宮の七支刀と隅田八幡宮の人物画像鏡
 垂仁天皇と景行天皇
 神功皇后と成務天皇
 高句麗と百済
第一次日本国時代後期 四二〇~五二一年 貴国朝後期(貴国=福岡・大分・熊本・長崎県)
 貴国朝と倭王讚・珍の時代
 応神天皇と武内宿禰の治世
 倭王済・興の時代
 仁徳・允恭・雄略天皇による近畿王権の統治
 高句麗の遷都と長寿王による百済攻撃
 貴国朝による倭王武までの天照大神勢力圏の拡大
 大漢国の台頭と近畿王権への接近
第二次日本国時代前期 五二二~六一八年 筑紫国朝前期(筑紫国=福岡・大分・熊本県)
 元嘉暦の使用
 筑紫国朝の前期(六世紀
 任那国から百済へ
 加羅国から新羅へ
 男大迹王と仁賢天皇
 武烈天皇と継体天皇
 任那日本府(五三二~五六二年)
 慕韓高麗
 九州年号(五二二~七〇三年)
 近畿王権の欽明天皇と筑紫国朝二代目天子の治世
 敏達・用明・崇峻天皇による近畿王権の治世
 『隋書』の筑紫国朝
第二次日本国時代後期 六一九~七〇〇年 筑紫国朝後期(筑紫国=福岡・大分・熊本県)
 筑紫国朝の後期(七世紀)
 『旧唐書』の筑紫国朝
 大化の改新と筑紫国朝
 筑紫国朝の日本国最大版図
 中大兄皇子の称制期間と白村江の戦い
 鬼室福信亡きあとの白村江の戦い
 天智天皇と栗前王東遷
 壬申の乱
 持統天皇と藤原京の造営
 筑紫国朝の最後
第三次日本国時代 七〇一~一八六七年 近畿朝(近畿=奈良県、京都府)
 『旧唐書』日本伝と日本国の国号
 新益京(藤原京)の造営と遷都
 大宝建元と大和朝廷の成立
 政権移行に伴う軍事・行政の変化
 『日本書紀』

略年表
主要参考文献

     *

資 料
『三国史記』高句麗・百済・新羅国王などの即位年・在位年・即位修正年
天皇の在位と父子兄弟継承1
天皇の在位と父子兄弟継承2
天皇の親子関係(父子・兄弟継承)
天皇(男兄王と男弟王)の在位年・年齢など
景行紀(月読暦解釈年月日)
神功皇后紀(月読暦解釈年月日と史料源)
応神紀(月読暦解釈年月日と史料源)
仁徳(男兄・男弟王)と履中・反正・允恭(男弟王)天皇紀(元嘉暦解釈年月日と史料源)
允恭(男弟・男兄王)と雄略(男弟・男兄王)天皇紀(元嘉暦解釈年月日と史料源)
継体紀(元嘉暦解釈年月日と史料源)
継体(北陸王権)と清寧・顕宗・仁賢・武烈(近畿王権)の合流
六十干支
十九年七閏法
月読暦
元嘉暦(移行期)

前書きなど

それぞれの天皇紀の記事は、その年の大歳が干支で記述されている。『日本書紀』の編纂者は干支年で編年を整理し、最終的に解釈した年を編纂時に干支で記しているのである。
その干支年の記述に基づき、現在の研究者は紀年問題を解こうとしてきた。元々の『日本書紀』の編纂者が間違えて解釈した干支年をいくら弄ったとしても正しい答えは出ないだろう。(中略)
巻末の月読暦には当時の暦法で使用された朔日の日付干支に、西暦年と十七年七閏法の月の序数を加えて、暦日を一倍暦に整理した。(中略)これに基づいて、『日本書紀』の諸事を年月日順にたどって、その記述されている歴史を再確認したのが本著である。
(本書「はじめに」より一部抜粋)

著者プロフィール

中村 隆之  (ナカムラ タカユキ)  (

1956年、鹿児島県に生まれる。防衛大学校卒業。
2011年、陸上自衛隊を退官。現在、鹿児島県在住。
【著書】
『邪馬台国は九州にあった―一支国放射状方式による読解法』(海鳥社、2010年)

上記内容は本書刊行時のものです。