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ダンスと音楽 クレール・パオラッチ(著) - アルテスパブリッシング
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ダンスと音楽 (ダンストオンガク) 躍動のヨーロッパ音楽文化誌 (ヤクドウノヨーロッパオンガクブンカシ)
原書: Danse et musique

芸術
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B6変形判
縦185mm 横121mm
320ページ
並製
価格 2,200円+税
ISBN
978-4-86559-161-3   COPY
ISBN 13
9784865591613   COPY
ISBN 10h
4-86559-161-3   COPY
ISBN 10
4865591613   COPY
出版者記号
86559   COPY
Cコード
C1073  
1:教養 0:単行本 73:音楽・舞踊
出版社在庫情報
在庫あり
初版年月日
2017年4月
書店発売日
登録日
2017年3月23日
最終更新日
2017年11月6日
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紹介

踊れない音楽はない!
古代ギリシャから現代まで、ダンスがいかに音楽に本質的な影響をあたえ、
社会や文化の歴史とともに発展してきたかをたどる知の一大パノラマ。

戦い、結婚、葬送など、原初より人間のいとなみとともにあったダンス。

古代には一体のものであった音楽とダンスが、それぞれの独立性を高めながらもたがいに補完し合い、影響を与え合って発展してきた様子を 生き生きと描き出す。
宮廷の舞踏会からダンスホールへ、ナショナリズムの勃興とともに盛んになった民族舞踊から劇場で踊られる近代バレエへ──
プリミティヴな躍動と芸術との関係を、ヨーロッパの文化史の流れとともに解説した画期的な書!

「太古の昔から、人が踊るところにはつねに音楽がありました。もっとも原初的な芸術であるダンスは、しばしば民衆の創意から生まれ、ごく早い時期からクラシック音楽に影響を与えてきました。」
──ルネ・マルタン(ラ・フォル・ジュルネ音楽祭アーティスティック・ディレクター)

音楽作品、振付作品、合わせて約840作品を紹介!

ラ・フォル・ジュルネ音楽祭 日仏共通オフィシャル・ブック

目次

日本語版に寄せて(ルネ・マルタン)

はじめに──音楽とダンス
 古代ギリシアの「ムーシケー」──音楽とダンスの段階的分離
 音楽とダンス──独立しながら補完し合う芸術
 原初の調和を求めて

第1章──行 進
 音楽と行進
 軍隊行進曲と儀礼用行進曲
 クラシック音楽のなかの軍隊行進曲と儀礼用行進曲
 結婚行進曲と葬送行進曲

第2章──中世の舞踊から宮廷舞踏会へ
 踊るための音楽
  中世の輪舞/ロンドーからロンド形式へ/中世のペア・ダンス
 宮廷舞踏会の誕生
  パヴァーヌ/シャコンヌとパッサカリア/サラバンド/フォリア/メヌエット
 ヨーロッパを席捲した舞踏会
 器楽組曲──「踊る」ダンスから「聴く」ダンスへ
  舞踊組曲から器楽組曲へ/一九世紀後半と二〇世紀前半──組曲のリヴァイヴァル

第3章──舞踏会から演奏会へ
 宮廷舞踏会からダンスホールへ
  フランスの「ダンス熱」/ヨーロッパの「ダンス熱」/一八世紀前半、一九世紀後半に流行したダンス/ワルツの発展──民俗舞踊からウィンナー・ワルツまで
 一九世紀後半から二〇世紀までの舞踏場
  ダンスホールの誕生と新たなダンス/ジャズに感化された音楽/南アメリカのダンス
 オペラ、バレエ、管弦楽曲に登場する舞踏会
  仮面舞踏会/『シンデレラ』と『ロミオとジュリエット』/舞踏会が登場する他の作品

第4章──ダンスとナショナリズム
 民族の蜂起を支えた音楽とダンス
  ショパンとポーランドの舞踊/リストと《ハンガリー狂詩曲》/チェコの作曲家たち/ハンガリー──コダーイの民族主義とバルトークの「架空の民俗音楽」/北欧の作曲家たち
 国の威信を高めた音楽とダンス
  ロシア帝国の作曲家たち/スペインの作曲家たち
 アメリカ大陸の国々とアイデンティティの目覚め

第5章──舞踏会から劇場へ
 幕間劇から種々の舞踊スペクタクルへ
  仮装劇とマスカラード/幕間劇とバッロ/フランスのバレエ・ド・クール/マスク
 音楽劇のなかのダンスとバレエ
  コメディ=バレエとトラジェディ=バレエ/トラジェディ・リリック/オペラ=バレエ/グルックのオペラ改革──オペラとバレエの分離/一九世紀のグランド・オペラとフランス・オペラ/パリ・オペラ座で上演された外国オペラのなかのダンス
 近代バレエの誕生へ
  バレエ・ダクシオン──ダンスの優位/ロマンティック・バレエとクラシック・バレエ/フランスの作曲家とバレエのリヴァイヴァル/チャイコフスキーの三大バレエ
 二〇世紀初頭──モダン・バレエの萌芽
  ディアギレフとバレエ・リュス/ストラヴィンスキーとバレエ・リュスの振付家たち/相次ぐバレエ・カンパニーの新設/バレエ・リュス解散後のストラヴィンスキーとバランシン/ウィレムスとフォーサイス
 演奏会で「聴く」バレエ

第6章──音楽とダンスの関係?融合、従属、独立
 作曲家にインスピレーションを与えたダンスの例
  バッカナールと古代のダンス/「死の舞踏」と死者のダンス/エキゾティズムとオリエンタリズム
 舞踏家にインスピレーションを与えた音楽の例
  「踊れない音楽はない」/ミニマル・ミュージックとコンテンポラリー・ダンス/バロック・ダンスのリヴァイヴァル
 音楽とダンス、それぞれの独立へ向かって
  ニジンスキーと『牧神の午後』/ホーストとグラハム
 音楽とダンスの完全なる独立
  無伴奏のダンスから即興演奏をともなうダンスまで/ケージとカニンガム

おわりに──ダンスは音楽、音楽はダンス

訳 注
訳者あとがき
参考文献
人名索引

前書きなど

日本語版に寄せて

 太古の昔から、人が踊るところにはつねに音楽がありました。もっとも原初的な芸術であるダンスは、しばしば民衆の創意から生まれ、ごく早い時期からクラシック音楽に影響を与えてきました。
 本書は、私がアーティスティック・ディレクターをつとめるクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」の二〇一七年のテーマ「ラ・ダンス」(フランスでは「民衆のリズム」)のために、フランスの音楽学者クレール・パオラッチ氏が書き下ろしてくださったものです。
 私がこのテーマを思いついたのは二〇一四年のちょうどいまごろでした。民衆のダンスがどれほどクラシック音楽を豊かにしてきたのかという点に着目することによって、六〇〇年にわたる音楽史の豊穣な物語をつむぐことができると思ったのです。
 はじめにダンスに関連する楽曲を収集してみたところ、約三〇〇〇曲という膨大な量になりました。次にこれを約二〇〇〇曲までしぼり、音楽祭のプログラムの骨子が見えてきたとき、「ダンスと音楽」を切り口に、音楽祭のテーマを学問的に裏づける本をだれかに書いてもらおうと思ったのですが、なかなか著者を見つけることができませんでした。これまでにもダンスの歴史や振付家をあつかった研究書はたくさんありましたが、ダンスと音楽の関係について論じた書籍は皆無だったからです。音楽学と芸術史を学び、このほどパリのシテ・ド・ラ・ムジーク/フィラルモニー・ド・パリの音楽博物館のディレクターに任命された娘に相談したところ、同博物館で講師を任されているパオラッチ氏が適任であるとの助言を得ました。パオラッチ氏は、バレエやダンス、そしてクラシック音楽に関して驚くほど幅広い知識をお持ちで、まさに理想的な『ダンスと音楽』の執筆者でした。今からちょうど一年前に、彼女にテーマの意図をお伝えし、音楽祭で取り上げる候補曲のリストをお見せしました。その後、本の内容や音楽祭のプログラムについて、たがいに何度も議論を重ねました。
 私の当初の期待をさらに上回る、独創的で画期的な音楽書が、今年のラ・フォル・ジュルネの「公式本」として産声をあげたことにたいへん満足しています。
 日本語版の刊行にあたって、『ナチュール 自然と音楽』に続いて翻訳をご担当くださった西久美子さん、このたびも出版をお引き受けくださったアルテスパブリッシングの木村元さんに、心より感謝いたします。
 この書物が、日本の音楽研究者や演奏家、音楽愛好家の方々の知的好奇心をかきたて、新たな世界への扉を開く鍵になれば幸いです。

二〇一七年二月 東京にて

「ラ・フォル・ジュルネ」音楽祭 アーティスティック・ディレクター
ルネ・マルタン

著者プロフィール

クレール・パオラッチ  (クレール パオラッチ)  (

歴史学者、音楽学者。2006年、パリ第一大学博士課程修了(研究対象は1914年から45年までのパリ・オペラ座の歴史)。これに先立ち、サン=モール=デ=フォセ地方音楽院で楽器学、音楽史、舞踊史を学び、ナチス占領期のパリ・オペラ座におけるセルジュ・リファールの活動にかんする論文を発表。現在、パリ音楽博物館講師。パリ第四大学(ソルボンヌ大学)やスコラ・カントルム音楽院で教鞭を執る。近著に『伝説的な舞踊家たち』(Ellipses, 2015)がある。

西 久美子  (ニシ クミコ)  (

日仏英翻訳者。2005年、東京藝術大学音楽学部楽理科卒業。2008年、リヨン第二大学文学・言語学・芸術学部修士課程修了。訳書にJ.-J.エーゲルディンゲル『ショパンの響き』(小坂裕子監訳、音楽之友社、2007)、E.レベル『ナチュール 自然と音楽』(アルテスパブリッシング、2016)がある。

上記内容は本書刊行時のものです。